地震後の大雨

地震後の雨は二次災害が発生する可能性が高くなる-気象庁

熊本地震(前震)から一週間が経とうとしています。
それでもなお、地震は続いています。

徐々に少なくなっているものの、先日20日の夕方に数回大きな揺れがあり、
今朝(21日)も明け方前に揺れを伴う地震が数回ありました。

建物の中で寝ていると、気が気でない夜を過ごさなくてはいけません。

車内で寝ていらっしゃる方も十分に気を付けたいところです。

さて、熊本では現在大雨が降っています。
地震が起こっている中、土砂降り状態になっているのです。

気象庁は、地震の後の雨は二次災害の危険があると指摘しています。
しかも、今回は大雨警報が出ています。

雨が降る場合、どのようなことに警戒すればいいのでしょうか?
起こりうる8つ二次災害をまとめました

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大地震後の雨が引き起こす8つの二次災害

二次災害の種類

災害で最も恐ろしいのは、悪天候による二次災害です。
天気がいい状態であれば、そこまで気にしなくてもいいことでも、雨や雪になると想定できないことも起こります。

下記のような8つの「2次災害」には気を付けなくてはいけません。

  1. 土砂崩れ
  2. 河川の氾濫・浸水
  3. 雨による建物の損傷・倒壊
  4. 交通機関に影響
  5. 気温の低下で健康被害 集団感染も
  6. 衛生面の悪化・食品の劣化
  7. 運動不足・精神疲労
  8. 避難・救助活動に支障

それぞれを説明します。

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1.「亀裂に雨」で土砂崩れのリスクが高くなる

地震後の大雨で倒壊するgifアニメ

一番の理由は、土砂災害が起こりやすくなるからです。
地震で亀裂が入った地面に水が流れ込み、地面が割れてしまう可能性があります。

お住まいが山やガケの近くにある方や、斜面の上に自宅がある方は自主的に避難をした方がいいかもしれません。

特に、アスファルトなどで舗装されていない道や斜面がある場所には近づかないことです。

突然崩れだすと、土石流や雪崩と同じような現象が起き、逃げることが難しいからです。
(比較的早いスピードで、土砂が流れてきます)

過去には、家ごと流されるケースもありました。

これら土砂災害は、地震だけでも起こります。
しかし、雨が加わることで、さらに新しい被害が出てしまうのです。

 

水が流れる力は、とてつもなく強い

地面が占める程度の少しの雨であれば、地面に亀裂が入っていても影響が出ない場合もあります。

しかし、雨が地面にたまるほど、排水溝から水があふれ出るほど降ると話が変わってきます。

ちょうど公園や砂浜の「泥んこ遊び」を思う浮かべるとわかるかもしれません。

水が流れるほど集まると、土を運んでいきます。
土がなくなりやせ細った川岸は、流れに負けてしまいガタガタと崩れ去ってしまいます。

水が割れた地面に入り込んだ場合も、ジワジワと亀裂を広げていくのです。

 

2.河川の氾濫・浸水

洪水・浸水

地震による土砂崩れなどで、川には大量の土砂やゴミが流れていることもあり、
普段よりも、水面が上昇していたり、ごみで川幅が狭くなっている場合があります。

熊本地震では、白川にかかっている阿蘇大橋が土砂に飲み込まれ、川に流されています。
また、阿蘇大橋以外でも、流されている橋もあるようです。

そこに雨が降れば、水かさが増し洪水の危険性があるのです。

川沿いの土も崩れやすくなっているため、土砂崩れも起きやすい状態です。
川岸・堤防・田畑の用水路には近づかないようにしましょう。

 

3.雨による建物の損傷・倒壊

家屋の倒壊

雨が降ると、建物の地盤が緩くなってきます。
地震で家屋の基礎が損傷していると、倒壊する恐れもあります。

屋根の瓦が落下している場合、雨漏りなどにより家屋にダメージを与えます。

また、屋根に異常がなくても、度重なる地震で建物自体が弱くなっている場合もあります。
雨の重みに耐えきれない可能性もあります。

昨日ホームセンターに行ったときは、ビニールシートがよく売れていました。
天気予報で「大雨が降る」と出ていたからかもしれません。

 

4.交通機関にも影響が出る可能性も

交通機関の規制

雨が降ると、鉄道・空港・バスなどの交通機関に影響がでます。

特に列車は、線路に異変が起こる可能性があります。
そうなると、全線運転を見合わせるなど、帰れなくなる可能性もあります。

また、徐行による「遅延」、早期切り上げも考えられますので早めに帰宅しましょう。

 

5.気温の低下で健康被害 集団感染も

健康被害・集団感染症

雨で気温が低下します。
春夏秋冬限らず、朝や夜はさらに冷え込みます。

季節の変わり目は体が慣れていない上に、避難所は広い場所が多く体温調整が難しい傾向にあります。
なおさら注意をしなくてはいけません。

また、雨に濡れた場合、体温が低下してしまい体調を崩すこともあります。

避難所にいらっしゃる方は、感染症に注意をしましょう。
まさかの時に、熱で寝込んでいれば判断力や行動力も低下し避難が思うようにできません。

咳やくしゃみをしている人は、マスクを着用し咳エチケットを心がけましょう。

参考にしたい記事:ミントを育てて消臭・殺菌・防虫効果を利用しよう

 

6.湿度が高いと衛生面の悪化・食品の劣化が進みやすくなる

食中毒

災害が起こると、多くのゴミが発生します。
また、避難所にも連日のごみがたまっているかと思います。

このようなゴミは、水分が多くなると傷みやすく虫が湧くこともあります。
天気が悪くなる予報であれば、早めに(焼却)処分することが大切です。

 

食べ物の保管に注意

電気が復旧していない地域では、冷蔵庫が使えないため保存場所に困ることも考えられます。
食べ物を湿気の多い場所に置かないようにしましょう。

食べ物にカビが生えたり、ノロウイルスが発生したりします。
関連記事:ノロウイルス食中毒 流行期間は2~5月 防ぐには?

また、避難所の衛生管理が悪くなると、集団食中毒になる可能性も考えられます。
しっかりと火を通し、開封した食べ物はできる限りその人のうちに食べてしまいましょう。

十分な手洗いを行いましょう。

 

7.運動やストレス解消ができなくなる

運動とストレス解消

梅雨になると気持ちが滅入ってしまう。
あなたはこんな経験がありませんか?

雨が多くなると、外で遊ぶこともできません。
体をノビノビ動かすことができないため、元気がなくなるのです。

気分転換ができないため、”気持ちがのらなくなる”という方も多いようです。

 

8.万が一の避難・救助活動に支障が出る

救助に支障

雨が土砂降りになると、外に出ることも億劫になります。
こんな時に大きな地震があっても、「外に避難するのは抵抗がある」と考えても不思議ではありません。

また、ずぶ濡れになりながら避難・救助活動をするということは、危険なことと隣り合わせです。
救助活動も安全面を考えて、中止せざるを得ない場合もあるのです。

 

まとめ:雨は様々な場面で障害になる

雨が降ると、災害の危険性が高まるばかりでなく、避難・救助ができなくなる恐れもあります。

また、健康面にも支障が出てくることでしょう。

気分的にも憂鬱になり、避難生活のストレスが爆発する恐れもある考えておかなくてはいけません。

こういう時は、早めに雨が止むように祈るしかありません。

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