熊本だけじゃない!?南米エクアドルまで大地震。
今後世界中どこにいても安心とは言えません。
ここでは震災経験者である筆者が「これは大切だ!」と実感したことをご紹介します。
「昨晩の地震は、今までにない激しい揺れでした。」
大きな揺れが筆者の家にも直撃。
先日の震度7の時は、やはり5並みの強さだったのでしょう。
揺れの被害は全く違ったのです。
「揺れが止まらない」長く感じた数分間の出来事
筆者の家を直撃した震度6強という地震は、深夜1時を過ぎたころ発生。
先日起きた「震度7の地震」からちょくちょく中~小規模の地震が頻発していたため、寝不足の中に起きました。
ほとんどの方が、「寝耳に水だったに違いありません。
一発目に大きな揺れ。それと同時に物が放り投げられる音が・・・。
目が覚めた私が見たものは、「ベッドの上に・・・これは本棚?」
そう、私部屋にあった本棚が私の上に倒れ込んでいるのです。
でも、不思議と何事もなかったかのように、体は無傷。
「あはは・・・運が良かった(苦笑)」
そして、その揺れは収まることなく、数分間揺れ続けたのです。
ちょうど電車が走り出した時のように家全体が「ガタガタ・・・」といい続けているのです。
小さな揺れが、時には強い揺れに変わり、そのたびに家の「ギシギシ」音も強くなる。
私はそのままベッドに横になり、目をつぶっていました。
「そのうち(地震は)収まるだろう・・・。でも、もしかするとこれよりすごい地震が来るかもしれない」
「もしかすると外に避難するなら今がチャンスなの?」
そうこう悩んでいるうちに、家族の声が・・・。
「どうやら外に避難した方がいいらしい」
そう判断し、揺れる中本が散乱している床から「上に羽織るもの」を引っ張り出し、本棚を乗り越え脱出したのです。
出た頃には、小さな揺れは収まっていました。
しかし、時折来る大きな揺れに多くの人が、どよめいたどよめいた。
外には周辺住民の方がほとんどいらっしゃいました。
ほとんどの方が、車を車庫から出していました。
準備ができた家から、安全な場所に避難していたのです。
関連記事:地震の圧迫死を防ぐ収納家具「危険な棚」と「安全な棚」の違い・見分け方は?
教訓1:長く続く大地震は、外に避難した方がいい。
長く続いている地震の場合、一定の揺れだけでは終わりません。
常に強弱があります。
弱くなったと思っても、いつ大きな地震が来るのです。
頃合いを見て脱出することも必要です。
(外に出る場合には、瓦などの落下物に十分お気を付けください)
- 「家の中にいる人は、外に出て身の安全を確保してください」
- 「そして、他の住民と声を掛け合って倒壊している家がないか確認してください」
- 「もし、倒壊していれば、救助を求めてください」
つまり、「外に出て身の安全を確保する」「落ち着いたら周辺で救助が必要かを確認する」ということです。
筆者はあまりにも、大地震の体験がないため外に出た方がいいのか迷いました。
それは、ただ単に面倒だったり、恐かったからというわけではありません。
家の耐震が十分にあり、がけ崩れの心配もなかったからです。(集合住宅のため、周りは住宅だらけ)
逆に耐震性が不安な家屋に住んでいたら、逃げ出すことを優先に考えていたでしょう。
繰り返し地震が起こる場合、家屋への出入りは控える
家族全員が外に避難したものの、時々地震が来ていました。
(これを書いている17日もよく揺れていますが・・・。)
それでも家族全員が、時折地震が来ているのに家に出たり入ったりしているのです。
外が寒かったため、防寒着を取りに行ったり、トイレに行っていたのです。
これはあまりいい行動とは言えません。
たまたま、家が崩れなかったので良かったのですが、いつ大きく揺れ崩れるかわからないからです。
また、落下する瓦が敷いてある住宅であれば、さらに危険度が増すでしょう。
あまり出たり入ったりは推奨できません。
外に出たら安全な場所を確保
地震直後、外に出たご近所さんは、ほとんど車に乗ってどこかに行ってしまいました。
おそらく安全な場所だと思われる場所、避難所に移動したのでしょう。(近くに学校がある)
車があれば、安全な場所に移動するのが得策ともいえます。
外に出たときに注意したいのが、家の屋根やガケ、電柱です。
身の安全を確保するには、「瓦などの落下物を防げる場所」、「電柱や電線がない場所」にいることです。
特に、電柱・電線には注意をしたいところです。
いつ地割れが起き、倒れ込むかはわからないからです。
(筆者は小心者で、揺れるたびに電線を眺めていました)
また、雨が降った場合、地面が崩れる恐れもあります。
※注意※
今回、阿蘇では雨が降っていなくても山が崩れ阿蘇大橋が飲み込まれています。
雨が関係なく崩れる場合もあることを念頭に入れておきましょう。
震災時は車中泊が安全?
夜中に避難した場合、避難所が満杯になっている可能性があります。
周りが暗い状況では、集まる場所も限られているため、みなさん同じことを考えているからです。
※避難所に人が多くなると、「車がある人は車で寝るように」と言われたそうです。
また、地域によっては避難所自体が老朽化している場合もあるかもしれません。
その場合、避難所で「横になって寝る」ということはできないといえます。
また、人が多いため寝れない人も多いでしょう。
この場合、車中泊が一番お手軽といえます。
関連記事:車中泊に多いエコノミークラス症候群 予防は水分補給と納豆
仮に家に戻ったとしても、建物が今後の地震に耐えることができるかわからないからです。
それよりも、機動力に優れた車の中がいいといえます。
万が一、浸水や地割れなどが起きたとしても、逃げることもできるからです。
また、周りを見渡すことができるというメリットもあります。
家の中にいると、地割れやがけ崩れが起きたり、電柱が倒れかけていても気が付くことはほとんどできないでしょう。
しかし、車の中からは外が見れますのでとっさの判断で回避できるのです。
避難所に行くなら必要なものは各自持参
避難所に行くといっても、手ぶらで行くのはおすすめできません。
最低限でも、毛布、シート(下に敷く頑丈なビニール)、食べ物、水(水筒がいい)、箸スプーン、歯ブラシセット、タオルなどは持っていきましょう。
また、ラジオ、懐中電灯なども持って行ってください。
(ラジオは電池式もありますが、発電タイプのものもあります)
大きければ大きいほど、避難する人数も増えてしまいます。
必要なものがすべての人にいきわたることはありません。
小さなお子さんやお年寄りを優先して配りますので、もしかすると手配できないかもしれないのです。
毎回震災で足りないのは決まって「毛布」です。
(ブルー)シートは広げれば、何人分にもなります。
しかし、毛布は多くて1人1枚、少ないと数人で1枚という可能性もあるのです。
まだ肌寒い時期、冬の時期に毛布1枚では風邪をひいてしまいます。
特に避難所の夜間は、寒くなりますのでご自身の分は家から持って行った方が身のためといえます。
燃料切れには注意が必要
ただし、ガソリンの残量には注意をしましょう。
便利な車もガス欠になると、意味がありません。
冬寒いとヒーターを付けたり、カーナビでテレビを見るために、エンジンをつけっぱなしにしておくとガソリンが減るのは早いです。
(エンジンを付けていない状態で使える車も、バッテリー切れには注意をしなくてはいけません。)
エンジンを回したまま寝てしまうのではなく、エンジンを切ってからねるようにしましょう。
車を置いて逃げる前に
安全な場所であれば、車の中にいても問題はないのかもしれません。
しかし、車が走行中に地震があった場合、危険な場所に入ってしまう可能性もあります。
山中を車で移動していたら、がけ崩れや土砂崩れの現場に出くわすこともあるのです。
また、河川敷に車を止め車内で寝ていたら、川が増水して浸水してしまうケースもあります。
このようなに引き返せなくなった場合、車を乗り捨てて逃げる事も想定しなければいけません。
朝が明けても続く余震 自宅に入っても大丈夫?
4月も中盤、夜が明け明るくなったは午前5時ごろでした。
今回の熊本地震では夜中ももちろんですが、朝が明けても余震は続いている状況です。
大地震直後の車中泊ですし、複数の揺れで寝苦しい夜だったのではないでしょうか。
ご自宅に戻ることで、心から休めるという方も多いのかもしれません。
明るくなってくると、ホッとしたのか多くの人が家に入っていく人が多くいらっしゃいました。
車で移動した方も、続々と帰宅され中に入っていったのです。
果たしてこの状況で、自宅に戻っても大丈夫なのでしょうか?
まだ揺れが続く場合、帰らない方が身のためといえます。
なぜなら、余震が続くということは、大きい揺れが起こる可能性もあるからです。
いつ来るかはわかりませんが、落ち着くまで様子見をするべきです。
もちろん、耐久性に優れたご自宅であれば、戻ってもかまわないと思われます。
しかし、そのような絶対は誰にもわからないのです。
地震が起きている中、帰宅するのはあまりいいとは言えません。
地震直後から避難所にいた方が、電気が回復したからといってご自宅に戻られた直後。
大きめの余震で家屋が潰れてしまい、下敷きになってしまったそうです。
いわゆる2次災害に合わないように注意が必要です。
確かに、構造がしっかりした新しめの建築物であれば、倒壊する可能性は低いでしょう。
しかし、身の安全を確保という意味では様子見をした方がいいといえます。
2次災害は天候が悪くなると危険度が2倍以上高くなる
2次災害と一言で言っても、さまざまな被害があります。
先ほどの例の「続く余震の中での家屋の倒壊」もそうですが、
- 天候悪化(雨)によるがけ崩れ、土砂災害、雨漏り、漏電
- 気温低下・衛生環境悪化による病気の蔓延
- 避難途中の交通事故・ケガ
など、たくさんあります。
中でも、注意したいのが天候悪化による2次災害です。
天気が悪くなると、気温低下による健康被害が増えてきます。
普段であれば病気になりにくい方も、度重なる地震で心身ともに弱っているため、病気をもらいやすくなっています。
また、食べ物や飲み物が不足している状況では、栄養面でも心配です。
レトルト食品・インスタント食品ばかりの食事には注意が必要です。
自宅に食べ物がない!手に入れる方法は?
災害に見舞われると、問題になるのが食べ物・飲み物です。
たとえ電気や水道などのライフラインに被害がなくても、食べるものがなければ生きていけません。
食べるものは、できる限りご自身で用意していた方がいいといえます。
今回の熊本震災では、2日目(土曜日)には一部スーパー(AEONやマックスバリュー)、コンビニなどが営業を再開しています。
市区町村役場に非常用食品や飲料水が備蓄されていても、すべての人に手渡されるわけではありません。
先着順に並んだ人だけがもらえるため、早い者勝ちです。
年功序列などもありません。
※お年寄りや体が不自由な方は、優先して配る自治体もあります。
詳しくは配布担当者にご相談ください。
長時間並ぶことになるため、長蛇の列に並ぶのに億劫になる人も多く、体力が残っている若い人だけにわたってしまうケースもあるようです。
また、自衛隊の救援物資配布や炊き出しが行われますが、こちらも先着順です。
救援物資には地域格差がある
たとえ、政府が救援物資を送ったといっても、翌日届くわけではありません。
まずは、県庁などの中心部(県庁所在地)に届きます。
そこから各避難所に円状に振り分けられていきます。
市街地よりも遠いほど届くまで時間がかかるうえに、途中で足りなく恐れもあります。
支援物資は随時届けられますが、本当に必要な場所に届くのは数日後になります。
また、あまりにも遅く到着した分は、過剰分になることもあります。
たとえば、水道の復旧が間に合わないといって、全国から大量の水が届くケースがあります。
しかし、水道の復旧が終わっても随時届いていれば、受け取りを拒否され返送されるか、破棄することもあるようです。
また、一部では安く販売して提供する自治体も前例としてあるようです。
水道・電気・ガス ライフラインの復旧は?
日本のライフライン復旧は、他国に比べるとスピーディーにやってくれます。
大抵は、電気>水道>ガスの順番で復旧すると思われます。
ガスの復旧が一番遅い理由は、火災の原因になってしまう恐れがあるからです。
ガス管の点検を優先して行われますので、どうしても時間がかかってしまいます。
ということは、「オール電化世帯の方が、復旧が早い」といえるかもしれません。
電力自由化と停電復旧は別問題
電気は2016年4月から電力小売自由化が始まりました。
電力会社を変えることで電気料金を安くできる制度です。
「電力会社を乗り換えると停電復旧が遅いのでは?」という疑問もあるかもしれません。
しかし、停電復旧は、電力会社から分離した中立的な立場の「送電線を管理している会社」が行います。
たとえ、九州電力と契約していない世帯の方でも、他の家よりも遅いということもありません。
2017年に始まるガス小売自由化も同様に、「うちだけ遅い」ということはありません。
その点だけはご安心ください。
水不足の地域は、病気になりやすい
災害時、「脱水症状」に注意が必要です。
水不足になると、水分を取ることを遠慮してしまう人が増えてきます。
また、水道が使えない地域ではトイレが流せないため、水を飲むことを我慢する人も多いようです。
我慢強い人ほど体調を崩しやすくなるため、健康的な人でも体調を崩す人が多くなっています。
人の体は70%が水で出来ているといわれていますし、1日2リットル前後は水分をとる必要があります。
水道ストップ(水不足)は深刻な悩みといえます。
自分自身には朝から水を一滴も飲まず、お子さんに与えている親御さんも珍しくありません。
ですが、このような方は体調を崩しやすくなる傾向にあります。
脱水症状の兆候
私自身も経験したのでわかるのですが、半日以上水を取らなければこのような症状が出ます。
- 頭痛が始まる
- 発熱する
- 虚脱感(脱力感)が出てくる
- 急激に眠気が襲う(昏睡状態になることも)
私の場合、地震直後から夕ご飯を食べるまで水を1滴も飲まなかったのですが、
部屋の片づけをしている時に、ひどい頭痛が始まりました。
さらに、そのまま作業をしていると、発熱感があり(測っていませんが体全体が熱っぽい)、何もする気力が出ずに最後には横になって寝ていました。
目が覚めたのは昼過ぎになっていました。
そこでようやく水分を取ったわけですが、今思うと脱水症状だったのでは?と思えます。
頭痛は翌日の夕方まで治りませんでしたので、脱水症状は恐ろしいと思ったほどです。
同じ姿勢を長時間 エコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群という病気をご存知でしょうか?
長時間同じ姿勢でいることにより、血液が固まり血栓(血液の塊)ができてしまう病気です。
この血栓が、動脈を防いでしまい酸素が足りなくなり低酸素状態で死に至ることがあります。
助かるには、血の塊を取り除くしかないのです。
たくさんの人が集まっている避難所では、1人当たりのスペースが十分に取れず動くこともできません。
また、連日車中泊で寝返りができない方にもかかりやすいといえます。
適度に体全体を使って動くことで、血栓を作らないようにすることが大切です。
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