熊本地震の死因。第一位は「圧迫死」
このような報道がされています。
圧迫死といっても、家屋倒壊だけが原因ではありません。
家具が倒れてくることも想定しなければいけません。
震度7と報道された熊本地震では、私が住んでいた地域では震度5程度だったということもあり小さな物落ちてきただけでした。(関連記事:体感してわかった大地震の恐怖とは)
しかし、6強を直撃した時には、家じゅうの本棚が倒れていたのです。
もし、あなたが寝ている時に「大地震で大きな棚が倒れ込んで来たら」いったいどうなるのでしょうか?
もしかすると、骨折では済まないかもしれないのです。
しかも、いざ外に避難しようと思っても、家具が邪魔で逃げ出すのも難しくなってしまいます。
ですが、その中でも倒れていない収納棚もあったのです。(というよりも物置棚という方があっているかもしれません)
「倒れていた棚」と「倒れていない棚」その違いをご紹介します。
危険な収納棚の特徴:奥行き30㎝未満、縦1.5m以上
通常の本棚といえば、「奥行きが短めに」「縦に長く」作られている設計になっていることが多いように感じます。
「本がたくさん入れやすく、取り出しやすい」というメリットもありますが、重心が取りにくくバランスが失われやすいというデメリットがあります。
私の部屋にあったタイプもまさにこのようなカタチでした。(写真のような形状)
重心が取りにくく、縦に長いため多くの本を詰め込んでいると少しの揺れでも倒れやすくなります。
たとえ、「転倒防止金具」や「突っ張り棒」を付けていても、本の重さで耐え切れない可能性もあるのです。
さらに、木製で強度が弱い傾向にあるタイプは倒れると、割れてしまうことがあります。
逃げる時や片付けでケガをする可能性も高まるためおすすめできません。
安全な棚には奥行きがあり、土台が「ドッシリ」している
一方、今回倒れてこなかった棚(安全と思える棚)に共通していたのが、「奥行きがある」という点です。
また、奥行きが長いと下段の棚に重い物を置いたり、仕切り板をふやすことで、地震があっても安定させることもできます。
倒れていない棚は、高さが同じ2m前後でしたが、奥行きは2倍近い50cm以上の幅がありました。
そして、支柱が金属で出来ているタイプは強度があるため、さらに安心度が高まります。
※動画のメタルラックは、実際に使っている収納棚に近いタイプ。
これは奥行きが狭い気がしますので、もう少し奥行きがあるものが好ましいです。
このような棚にするだけで、安全性が高まります。
キッチンでよく使われている『ステンレス棚』『メタルラック』をイメージするといいかもしれません。(シェルフとも言うようです)
質感もあり、おしゃれな空間を作ることもできます。
背丈が低いキャスター付き収納ラックもバランスがいい
金属製のメタルラックは値段がちょっと高めですが、値段がリーズナブルで安定性があるのは、背丈が低い収納ラックです。
ポリプロピレン製の安物ラック(キャスター付き)でも、倒れることはありませんでした。
おそらく移動できるタイプは、振動があってもキャスターが動いて衝撃を外に逃がすと思われます。
ただし、奥行きや横幅がないと転倒する可能性が高くなります。
これは、オイルヒーターで確認済です。(オイルヒーターはキャスター付きでしたが、幅が細いため倒れていました)
※注意※
震度7ではキャスター付きラックがどんな動きをするのかはわかりません。確約するものでもありません。
少なくとも今回の体験では倒れているところを見たことがないという話です。
その大半が、「奥行きが深い形状だったから」という理由があるのかもしれません。
引き出しタイプになるものの、本棚にもなりますので、収納ラックは安全性があるといえます。
ただし、収納ラックを積み上げて(重ねて)使うとことはお勧めできません。
横揺れの地震で転倒する可能性が高いため、このような使い方はあまりよくありません。
まとめ:安全性を考えるなら縦に長いより、奥が深いで購入
本棚であっても洋服入れであっても、収納を考えるなら形状が縦に長いタイプの収納よりも、背丈は低いけれど物が入りやすい奥行きのある収納ケースを買った方が安全です。
横に長いということは安定性がある上に、万が一倒れてきても距離も限られています。
また、あらかじめ避難するための逃げ道も作りやすいといえます。
まずは安全な場所を作ろう
買い替えなくても、今できることはあります。
現在の寝室を見て寝る場所に何が倒れてくるのかを想定することです。
万が一倒れて来たら、いったいどうなるのかを考えながら見渡してください。
もし地震が起きたときに、寝ている場所に何かが倒れてくる可能性があれば、移動するようにしましょう。
あなたの身の安全を確保できるのはあなた自身しかいないのです。
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