履歴書と求人案内

厚生労働省の発表によると、「2016年1月時点の有効求人倍率は1.27倍」となり、過去高水準のようです。
しかし近年の日本では、求人倍率以上に、問題になっている事項があります。

それは、「非正規雇用の増加」です。

今回厚生省が発表した有効求人倍率の詳細で確認すると、
よく報道される有効求人倍率は、正社員やパート・アルバイトを含む「全数」のことだとわかります。
※全数=すべての求人・求職数

月間有効求職者数 月間有効求人数 有効求人倍率 前年同月の増減比
全数 1,829,069人 2,208,920件 1.21(報道) 0.13ポイント上昇
常用(パートも含む4か月以上の雇用契約者) 1,779,179人 1,932,109件 1.09 0.12ポイント上昇
パートタイムを除く常用
(そのうち正社員のみ)
1,235,715人 1,231,976件
(930,600人)
1.00 0.10ポイント上昇
(0.10)
常用的パートタイム 543,464人 700,133人 1.29 0.15ポイント上昇

数字引用:厚生労働省発表 「雇用形態別常用職業紹介状況」より(新規学卒者を除くパートを含む)

上の有効求人倍率の詳細を見ていくとわかりますが、全体的な求人数が上昇しているものの、
一番伸びているのがは「常用的パートタイムの数字」ということがわかります。

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用語補足:厚生労働省が示す言葉の意味

ここにある全数というのが、全体の有効求人倍率のことです。(毎回報道されている数字)
全数には、正社員だけでなく、アルバイトや主婦層のパートも含みます。

また、ほかの区分についても厚生労働省が明記しています。

  • 常用とは?
    雇用期間が4か月以上~無期限の雇用契約(正社員やパートも含む)のことです。(季節労働は含まない)
  • パートタイムを除く常用とは?
    雇用期間が4か月以上の雇用契約(主に正社員や役員など)※正社員のみの数字も別に公表
  • 臨時とは?
    雇用契約期間1か月以上4か月未満の雇用契約。(臨時職員など)
  • 季節とは?
    季節的な労働需要に対して、一定期間働く雇用契約。
  • パートタイムとは?
    1週間の所定労働時間が、一般の労働者(社員など)より短い雇用契約で働く人のこと。(アルバイトやパートなど
  • 常用的パートタイムとは?
    1か月以上4か月未満の雇用期間が定められている雇用契約(短期アルバイトなど
  • 臨時的パートタイムとは?
    季節的に一定の期間を定めて就労する雇用契約(年末年始・夏休みアルバイトなど

参照:厚生労働省:職業安定業務統計(一般職業紹介状況)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/ippan/detail/01.html

※ハローワークにも、アルバイト求人は存在します。(あまり知られていませんが)

 

有効求人倍率は、「数が大きいほど求人数が多い」

計算機を持つ女性

  • 求職者より求人数(企業)が多くなると、1.0を超える(働きたい人<雇いたい会社)
  • 求人数が少ないと0.9を下回る(働きたい人>雇いたい会社)

しかも正社員の求人数は横ばい(前年同月比と同じ)です。
つまり、実際には非雇用求人の件数が上昇しているということです。

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有効求人倍率はあてにならない?

有効求人倍率というのは、ハローワーク(公共職業安定所)における数字で計算されています。
民間が発行している「求人誌」や「求人サイト」などの求人数や応募者数は集計に含まれていません。

つまり、厚生労働省が発表している有効求人倍率は、大まかな目安にしかならないのです。

 

有効求人倍率の求め方(計算方法)は?

有効求人倍率厚生労働省発表
出典:厚生労働省 一般職業紹介状況(平成27年12月分及び平成27年分http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11602000-Shokugyouanteikyoku-Koyouseisakuka/0000110170.pdf

有効求人倍率の計算方法式は、下記のとおりです。

求人倍率=求人数÷求職者数

企業がハローワークに出した求人の数を、ハローワークで求職した人の数で割って計算します。

厚生労働省発表の数値でいえば、
(3)月間有効求人数を(1)月間有効求職者数で割って出して求めているということです。

(6)有効求人倍率=(3)月間有効求人数÷(1)月間有効求職者数

これでわかるのは、「求人数が多ければ多いほど1.0を超える」「求人が少ないと0.9を下回る」ということです。

ちなみに、求人募集がハローワークに掲載される期間は2か月間のみ”有効”であり、
過去3か月以上経過した求人数は入っていません。

つまり有効求人倍率とは、「有効期限内の求人票で求めた倍率」ということです。
そのため、定期的に公表しています。

 

ハローワークの実態「求人倍率は職員のやる気次第で操作可能」

給料をたくさんもらっている人

ハローワークの役職はいろいろあります。

受付や案内係だけでなく、営業と呼ばれる「企業に求人を出してもらうための営業部署」があります。

営業の人たちが、頑張って求人を獲得するだけでも「有効求人倍率を上昇させることは可能」です。
つまり「求人獲得のノルマ」を増やせば、操作は可能ということです。

ハローワークは実質タダ(無料)で求人を出せる公的機関ですので、多くの企業がノルマ消化に協力してくれるそうです。

有効求人倍率は、”あまり信頼はできない数字”ともいえます。
しかし、ほかに当てにできる数字もないため、これに頼るしかないということもあり、一種の物差しとして使われています。

このことを踏まえて見ていくと、経済の流れがわかるかもしれません。