確定申告の期間は、毎年2月16日~3月15日です。
確定申告書を税務署に提出しなくてはいけない方は、この期間中に提出をする必要があります。
※郵送の場合は、消印が15日なら期日内とみなされます。
ただし、信書であるため郵便でしか送れません。(メール便不可)
対象者は個人事業主やフリーランス以外にも、
会社勤めのサラリーマンでも対象になる場合があります。
- 1年間の収入金額が2,000万円を超えている方
- 事業所からの給与所得が2か所以上ある方で、年末調整されていない収入が20万円以上ある方
(フリーターやアルバイトも含む) - 公的年金(年金など)等の収入金額が400万円を超えている方
- 退職所得があった方
その他にも、各種控除による減税、税金(国民年金や保険料)の免除を受けたい方も、確定申告をするとお得です。
- 医療控除
- 住宅ローン控除
- 寄附金控除(ふるさと納税や災害募金なども)など
これらに該当する方は、会社で年末調整をしても別に個人で確定申告をする必要があります。
※ふるさと納税については、ワンストップ特例の条件内であれば確定申告は不要です。
詳細:【ふるさと納税】ワンストップ特例チェックシート 確定申告が不要になる条件とは?
そこでおすすめなのが無料の会計ソフトです。
半日もあれば、確定申告の用紙を取り寄せる必要もなく楽に作れます。
確定申告書の作成は、専用の会計ソフトならとても簡単
さて、確定申告書は公的な書類ですが、
現在ではパソコンがあれば、ご自宅で作れるのはご存知ですか?
え~っ?
だって用紙を税務署に取りに行かなきゃいけないんでしょ?
それに税の計算も自分でするんでしょ?
面倒なんじゃないの?
いえいえ。
そんな必要はないんです。
えっ?そうなの?
ちゃんとした会計ソフトを使えば簡単ですよ。
税計算はすべて会計ソフトがやってくれるので、
家計簿を付ける感覚で数字と会社をパソコンで入力するだけです。
それに用紙は正式なものがプリントできますので、印刷するだけで済みます。
税務署まで取りに行く必要はないんです。
やよいの白色申告オンラインソフトで実際に入力している風景
上の動画は、かんたん取引入力で実際に入力している風景です。
たしかに簡単そうな気がするけど・・・。
(”簡単取引入力”って言うくらいあるわね。)
私自身は、3時間くらいで1年分(2016年度)の確定申告書2種類と収支内訳書、取引帳簿が作れちゃいました。
(やることは”取引帳簿に入力するだけ”なので簡単でした。)
パソコンのデータならコピペで入力できる
私の場合、取引先とはすべてインターネットで完結しています。
(入金や経費の支払いはネット銀行(デビットカードも含む)です。)
そのため、領収書や入金明細はパソコンで管理しています。
このような場合、エクセルやpdfですが、
明細の金額と取引先をコピペするだけでいいので入力が簡単でした。
やよいの会計ソフトは”円や年月日(漢字)”も数字として認識
エクセルやpdfで受け取る場合、企業によって書式はバラバラです。
例えば、銀行の明細は円が付いていたり、付いていなかったり、
数字が大文字・小文字バラバラで統一されていないことがあります。
年月日も「2017年3月12日」や「2017/03/12」と
統一されていないことがよくありますね。
やよいのソフトでは、「2,000円」をコピペしても「2000(大文字)」をコピペしても、
どちらともテンキーで2000と入力したとして認識してくれます。
※年月日は2017年3月12日でも2017/03/12と認識。
「円を消す」「小文字にする」というような手間のかかる面倒な作業は必要はないんです。
入力する件数が多いから助かるわね。
しかも無料で使えるなんて・・・結構すごいんじゃない?
実際に会計ソフトで作った確定申告書
えっ?これが”無料の会計ソフト”で作った確定申告書?
本物の確定申告書にそっくりだね。
本物じゃないのにこのまま税務署に出せるの?
あとは、印刷して郵送するだけ。
印刷はpdfで保存してUSBで持ち歩けるので、コンビニのマルチコピー機でもOKですよ。
え?こんなに簡単でいいの?
どうやって作ったの?教えてよ!
今回は、無料の会計ソフト「やよいの白色申告」を使った確定申告書の作り方をご紹介しますね。
無料会計ソフト「やよいの白色申告」を使った確定申告書の作り方
まずは、確定申告書を作るのに必要な書類を集めましょう。
で?何が必要なんだっけ?
- 収入・支出がわかる物(通帳や取引明細、請求書、領収書など)
- 控除に必要な正式な証明書(納付確認書・保険料控除証明書など)
- マイナンバー番号(確定申告書に番号を記載。コピーを添付する必要があります)
また、ソフトを利用するにはメールアドレスも必要なので、事前に準備しておきましょう。
※Yahoo!やGmailなどの無料メールでかまいません。
これらは集めながら入力してもかまいません。
(私がそうでしたし・・・)
やよいの白色申告オンラインでは、保存しながら入力できますのでとりあえず登録しちゃいましょう。
1.やよいの白色申告オンラインに登録
まずは、やよいの白色申告オンラインにアクセスして、登録しましょう。
「やよいの白色申告」って本当に無料なの?
はい。基本的には無料で使えます。
フリープラン(ずっと無料版)とベーシックプラン(有料版)があって、サポート付きがいいなら有料を選びましょう。
1-1.無料版と有料版どっちがいい?
どちらとも「ソフトの中身」、「確定申告書を作る機能」は無料と有料どちらとも同じです。
「サポートがある(有料)」か「ない(無料)」の違いだけです。
※ただし無料版では、メール・チャット・電話のサポートが一切受けられません。
インターネット上のQ&Aは、登録しなくても見れます。
もし、パソコンの操作に不安な方や、聞きたいことがある方はサポートありの有料プランをおすすめします。
「〇〇って経費として入力していいの?」等にも、答えてくれるようです。
私は、有料のベーシックプランを選びましたが、サポートを使いませんでした。
まあ、初年度は1年間4000円で使えます。(来年の2月末日まで)
来年の確定申告書も作成できるので安いですよね。
無料と有料は後からでも切り替えることができますので、好きな方で登録しましょう。
(ただし、有料版の料金は前払いで返ってきません。次年度から無料版に切り替わります。)
じゃあ、とりあえず無料でいいかな?
1-2.メールアドレスや住所氏名等を入力
上の画像は、筆者が有料登録した時に表示された画面なので無料登録の方はちょっと違うかもしれません。
ただし、ほとんど変わらないと思いますので、参考にご覧ください。
登録情報は、そのまま確定申告書にも自動的に入力されます。
したがって、正式な住所等を入力した方がいいかと思います。
例えば、「番地」などの省略にはご注意ください。
〇〇番地〇などを略して、○○-○と書くことがありますが、
公的書類の為、身分証明書に記載されているままの方が安心できますね。
(これのために再提出とかしたくないので・・・)
1-3.事業の種類を「一般」と「不動産」で選ぶ
ここは不動産関係でなければ、一般で構わないようです。
(後で変更できます。)
これで登録が終わりです。(約5分程度)
1-4.登録完了(メールアドレスの認証をわすれずに)
すぐに登録できる画面になっていますが、メールアドレスに送られている認証URLをクリックしましょう。
認証が完了しないと、後日利用できなくなるようです。
正式な申し込みが終われば、上の画像のようなメールが送られてきます。
会員のログインURLと、有効期限が記載されていますので失くさないようにしましょう。
弥生の白色申告オンライン有償版の支払いは、
口座振替やデビットカードでも支払うこともできます。
2.【帳簿の作成】取引内容の入力(かんたん取引入力)
やよいの白色申告では、「かんたん取引入力」で収入と支出を入力するだけで税計算をしてくれます。
収入とは「取引会社からの入金」で、支出とは主に「経費」のことです。
2-1.収入の記帳手順
- 収入を選択:選択できる科目が支出関係に変化(支出と間違えないようにしましょう)
- 取引日:取引のあった日付(振り込み日など)
- 科目:売上、売上返品、家事消耗、雑収入から選べます。(追加は可能)
- 摘要:あなた自身がわかるメモです。
(入力しなくてもいいようですが、私の場合通帳に記載されている”会社の名称”にしています。) - 取引先:私のようなフリーランスの場合広告主などの入金してくれる会社となります。
株式会社なども、できる限り正式名称で入力しましょう。
(最大4か所まで確定申告書にも表示されます。) - 金額:報酬額
※2か所以上で働いているフリーターさんは、ここでは入力しません。
「兼務している会社から給料を受け取っていますか?」で入力します。
2-2.経費を支出で入力
また、経費などがあれば、支出に切り替えて入力しましょう。
サラリーマンでも、会社が認めれば書籍やスーツでも経費として落とせる場合もあるようです。
ただし、領収書などは7年間保管しておきましょう。(法律で義務付けられています)
すべての収入と支出を入力したら、これで帳簿が作成できました。
えっ?もう終わったの?
はい。
ただし、ここで作ったのは帳簿といって、
収入と支出をまとめた書類を作っただけですけどね。
ここで作った帳簿は、正式な書類です。
大切に7年間無くさないように保管しましょう。
では、この帳簿をもとに確定申告書を作りましょう。
白色申告でも領収書・納品書など、帳簿・書類の保管は義務
白色申告では、帳簿や領収書などの添付は基本的に不要です。(青色も基本的に不要)
しかし、取引内容がわかる書類は7年間の保管を「法律」で義務付けられています。
※確定申告書の提出期限の翌日(3月16日)から7年間保存
※帳簿は、先ほど入力した項目がそのまま正式な帳簿として後で出力します。
それはしっかりと保管しておきましょう。
もし、税務署から見せるように催促されたら、速やかに提出しなくてはいけません。
また、記入忘れがないように見直しましょう。
マイナンバー制度では、将来銀行口座(通帳)との紐づけも義務化されます。
隠していてもいつかはバレてしまうので、高い違反金を請求される可能性もあります。
提出した後に、間違ったと気が付いたら、税務署に再提出することもできます。
3.収支内訳書の作成
帳簿の作成が終われば、後は確定申告書の必要事項を入力します。
こちらも難しい知識は必要ありません。
質問に答えていくだけで、記入が必要な項目が表示されます。
初心者の私でも安心して使えました。
Step1、Step2と順番に開始ボタンを押していきましょう。
※減価償却費の計算が必要ない方も、一応開始ボタンをクリックする必要があります。
3-1.収支内訳書(提出用)の作成は質問に答えるだけ
収支内訳書では、先ほど入力した帳簿から所得を計算します。
必要な項目が表示されていきます。
例えば、「扶養家族がいるかどうか」、「売上額は間違っていないか」などが表示されます。
これらを基本的に「はい」「いいえ」で答えていき、入力が必要な項目は画面が出てきます。
また、取引会社の所在地(住所)もここで入力します。
(任意ですが、入力した方がいいようです)
正確な会社の所在地がわからなかったら、ネットで調べる方法もありますね。
さらに、詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
収支内訳書は、提出が必要な正式な書類です。
忘れずにダウンロード(pdf)して、印刷しましょう。
用紙のサイズはA4サイズに統一
国税庁では、A4サイズの「普通紙」、「PPC用紙」、「OA共通用紙」、「コピー用紙」が推奨されています。
複数枚印刷する必要がありますが、用紙のサイズはすべて同じにしましょう。
また、色紙(白以外の紙)や厚紙は推奨されていません。
参照:【確定申告書等作成コーナー】-印刷する際はどのような用紙を使えばいいのですか。国税庁より
補足:コンビニのコピーはカラー1枚50円、白黒20円
某コンビニ(ローソン)のカラーコピーで印刷したんですが、カラーだと1枚50円でした。
確定申告書Bと収支内訳書は、提出用・控えを出していくと結構な料金になります。
控え(返送される紙)は白黒で印刷するなど、工夫して節約した方がいいかもしれません。
4.確定申告書Bの作成
確定申告書の作成画面では、所得税額の計算を行います。
ここでは、控除にかかわる書類が必要になってきます。
(正確な金額の入力に必要です。)
- 「社会保険料(国民年金)」の控除証明書
- 「健康保険」の納付確認書
- 「生命保険料」の控除証明書
これらの書類は、1月ごろに郵送されているかと思います。
国民年金や健康保険料は、基本的に全額が所得税控除の対象になります。
保険料を支払うことで、税金が安くなるためマル得ですね。
また、免除を受けても、支払う(追納する)ことで年金額が増えるようです。
※追納した分も翌年の確定申告で控除できます。
4-1.所得税の確認
所得税の確認画面が表示されれば、もう少しで確定申告書の作成が終わります。
所得税額は、実際にあなたが支払うべき金額です。
税率も開設されていますので、忘れずに確認しましょう。
ふるさと納税などの寄付金控除の入力画面もある
ふるさと納税とは、地方自治体が主体となている特産物の販売です。
寄附金控除と呼ばれる制度が利用でき、自己負担金2000円以外の購入金がほぼ全額、翌年の所得税・住民税の控除として「減額」されます。
個人で出来る節税対策として人気が高まっています。
関連記事:【保存版】ふるさと納税年収・家族構成別控除額一覧
また、寄付金控除は災害義援金なども対象です。
2000円を超えている部分が、翌年の住民税から差し引かれます。
4-2.最終画面で、控除合計・所得税額を確認
最終画面(確定申告書の作成が終わる1歩前)では、控除額を引いた所得税額が表示されます。
こちらが納付するべき金額です。
0円なら必要なし。
振込用紙は税務署管内の金融機関にあるとのことです。
平成28年分確定申告分の納税の期限は次のとおりとなります。
・ 所得税及び復興特別所得税・・・平成29年3月15日(水)
納税の期限は確定申告書の提出期限と同じ日となります。
申告書の提出後に、税務署から納付書の送付や納税通知書等によるお知らせはありません。納付書をお持ちでない方は、所轄税務署又は所轄税務署管内の金融機関に用意してある納付書を使用してください。
なお、金融機関に納付書がない場合には所轄税務署にご連絡ください。【税金の納付】確定申告期に多いお問合せ事項Q&A|国税庁より
5.最後に「確定申告書」と「本人確認書類の添付台紙」をダウンロード
本人確認書類の添付台紙は、マイナンバーを記入し、身分証明書のコピーを貼る用紙です。税務署に確定申告書を郵送する場合、送付する必要があります。
住民票の場合は、コピーではなく原本を提出します。
所得控除の申告に必要な書類もお忘れなく
- 「社会保険料(国民年金)」の控除証明書
- 「健康保険」の納付確認書
- 「生命保険料」の控除証明書
これらの証明書も、原本を提出します。
本人控えと提出用を間違えないようにしましょう。
これらの証明書を提出忘れたら、後日税務署から提出するように連絡が来るようです。
終わりに:収入支出がグラフ化される 家計簿にも便利
今回は、無料の会計ソフト「やよいの白色申告」を例に挙げて説明しました。
このソフトで収入や支出を入力しましたが、その結果をもとに自動で収支がグラフ化されていました。
月別に収入と支出のバランスを一目で見る事ができますので、
お金の流れや不調好調がわかるので便利かと思います。
- 日別取引レポート
取引の発生状況の推移を日別に確認できます。 - 損益レポート
損益の推移を月別に確認できます。 - 科目別損益レポート
売上、仕入、経費の科目別の内訳と推移を確認できます。 - 取引先別損益レポート
売上先、仕入先、経費支払先の内訳と推移を確認できます。
確定申告をしない主婦にも使えそうですので、いろんな方が使ってみてもいいのではないでしょうか。