国立感染症研究所の統計によると、2017年~2018年シーズンのインフルエンザは、「AH1pdm09」「B型(山形系統)」が流行しているようです。(2017年第51週時点)
※2017年第51週時点とは、2017年12月18日~12月24日のことです。
「山形系統」って・・・新幹線?
そうそう。山形新幹線「とれいゆつばさ」・・・
・・・って、違うわよ!
「日本の山形県で分離(確認)されたウイルス」という意味なんです。
- 「AH1pdm09(A型)」:2009年にパンデミック(大流行)になったソ連型インフルエンザウイルス
- 「B型インフルエンザ(山形系統)」:山形県で確認されたウイルス
どちらとも、過去に流行した季節性ウイルスのため、ワクチンによる予防を受けることができます。
インフルエンザって、2018年の春は流行りそうなの?
インフルエンザのピークは1月からですので、これからでしょうね。
例年の結果(下の画像)から見ても、インフルエンザウイルスの流行は「1月以降がピーク」のため、1月からが本番といえそうです。
第2週から多くなっているという事は、冬休み明けからが多くなるようです。
また、2018年春は流行しやすい「A型インフルエンザ(AH1pdm09)」の患者さんが多いため、大流行になる可能性がありそうです。
2018年はどのようなインフルエンザ対策をすればいいのでしょうか?
まとめてみました。
A型・B型の違い
A型ってたしか・・・
「キレイ好き」だったかな?
それは血液型診断でしょ
え?違うの?
インフルエンザのA型・B型は、ウイルスの違いよ
A型とB型では、インフルエンザの症状や感染力が違ってくるの。
基本的には、A型の方が「広まりやすく、症状が重い」ようです。
逆に「B型インフルエンザ」は、高熱になりにくいため、インフルエンザになったことに気が付きにくいようです。
しかし、お風邪の症状とお腹の調子が悪くなった場合は、B型インフルエンザの可能性が高くなるようです。
※冬は食中毒(ノロウイルス)の時期でもあるため、こちらにも注意が必要です。
【集団感染注意報】ノロウイルス食中毒 感染すると20日は苦しむって本当?流行期間は2~5月
「AH1pdm09(A型インフルエンザ)」の特徴
A型インフルエンザとしては、B型よりも「急な発熱」「筋肉痛・倦怠感(体の不調・だるさ)」が感じられるようです。
症状・発熱が激しいため、寝込むことが予想されます。
AH1pdm09は、「パンデミック09年」という名前の通り、大流行する可能性があるインフルエンザウイルスです。
家庭内感染や「職場感染」には注意したいところです。
※A型ウイルスにも複数の種類(亜型)があり、それぞれで少しずつ異なります。
2018年では「AH1pdm09」が流行していますが、2016年はAH3亜型も流行しました。
関連記事:2016年はAH3亜型とAH1pdm09で大流行?インフルエンザ流行の期間は長引く?
「B型」の特徴
「B型インフルエンザ」は、全体的に高熱になりにくい特徴がありますが、高熱が出ないというわけではありません。
感染中は、体力や免疫力が低下します。
感染しやすい「A型インフルエンザ」との同時感染には注意したいところです。
できる限り外出を控え、安静にした方がいいかと思います。
インフルエンザ予防の情報まとめ
インフルエンザの予防には、さまざまな方法があります。
もっとも対策しやすいのは、「手洗い」「うがい」「マスク着用」です。
「手洗い」はなぜ必要?
手には、目に見えないばい菌がたくさん付いているからです。
空気中には、人の目には見えない「風邪ウイルス」がたくさん浮いています。
特に冬場は、空気中の水分(湿度)が少ないため、ちょっとした風圧でヒラヒラと舞いながら移動します。
机やドアノブに、ウイルスがのっていることも珍しくないんです。
もし、「ウイルスが付いているドアノブ」を手で開けたらどうなりますか?
ウイルスが手についちゃうね
手がキレイに見えても、実は「ばい菌がいっぱい付いている」かもしないという事です。
もし、ばい菌がいっぱいついた手でおにぎりやサンドイッチを食べてしまうと、
体の中にウイルスや細菌が入ってしまう可能性が高くなりますね。
そこでおすすめなのが手洗いです。
水で簡単に洗い流せるため、手洗いは効果的です。
インフルエンザ以外にも、食中毒予防にもなります。
「水が冷たいから」といって、手洗いをしないと病気になることもあるんですよ!
アルコール消毒液:手洗い後に付けると効果UP
アルコール消毒液は、手についている雑菌の除去に効果があります。
しかし、汚れた手につけると効果が低くなる傾向があるようです。
アルコール成分が汚れで、中和されてしまうからです。
そのため「消毒液を付ける前に手を洗った方がいい」とされています。
マスク:飛沫感染の予防
インフルエンザウイルスは空気中にも存在しますが、感染者の「咳(せき)」や「タン(唾液・つば)」には多く含まれています。
くしゃみや鼻水は、体内のウイルスを外に出すために起こるため、ウイルスが大量に含まれています。
マスクは、感染者の「咳(せき)」を直接受けないようにするのに有効です。
また、息をする時に入り込む「空気中のウイルス」を少なくする目的もあります。
特に、冬は湿度が低くなっているため、他の季節より「空気中に浮いているウイルスが多い」です。
予防接種
また、お子さんや高齢の方であれば、予防接種(ワクチン)などが効果的です。
※2018年の「AH1pdm09(パンデミック09年)型」は、感染力が高い傾向にあります。
そのため、成人している方でも「予防接種を受けた方がいい」かと思います。
妊娠中のワクチンは大丈夫?
また、妊婦さんは赤ちゃんの為にも、予防接種を受けた方がいいかもしれません。
胎児には影響ないの?
国立成育医療研究センターでは、このように書かれていました。
日本で使用されるインフルエンザワクチンは、生ワクチンではないので重篤な副作用は起こらないと考えられ、一般的に妊娠中のすべての時期において安全であるとされています。
ただし、ワクチンや治療方法については、かかりつけのお医者さん(産婦人科)に相談してください。
ワクチンの有効性は?「重症化」を予防
厚生労働省のホームページによると、ワクチンの有効性についてこのように書かれています。
インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、「重症化」を予防することです。
国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています
Q.19:ワクチンの効果、有効性について教えてください。引用:インフルエンザQ&A|厚生労働省より
じゃあ、予防接種をしても、インフルエンザになるってこと?
はい。そうですね。
厚生労働省ホームページでも、「インフルエンザ発病のリスクを抑える」という風に書かれています。
2017/18シーズンのワクチン株の種類は?
また、予防接種(ワクチン)にも種類があり、2017/18シーズンは「4価ワクチン」が主流のようです。
※4価ワクチンとは、「2種類のA型ウイルス」「2種類のB型ウイルス」に対応したワクチンという意味です。
- A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
- A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
- B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
- B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)
引用:2017/18シーズン インフルエンザワクチン株 国立感染症研究所より
これを一般の人にわかりやすく書くと下の表になります。
ウイルスの型 | 分離された場所 | ウイルス株の整理番号 | 分離された年 | ウイルスの亜型 |
A型 | Singapore
(シンガポール) |
GP1908番 | 2015年 | 「IVR-180」
「H1N1」 「pdm09」 |
A型 | Hong Kong
(香港) |
4801番 | 2014年 | 「X-263」
「H3N2」 |
B型 | Phuket
(プーケット) |
3073番 | 2013年 | 「山形系統」 |
B型 | Texas
(テキサス) |
2番 | 2013年 | 「ビクトリア系統」 |
※Phuket(プーケット)は、「タイ」です。
抗インフルエンザウイルス薬の情報まとめ
厚生労働省HPでは、「抗インフルエンザウイルス薬は症状が始まってすぐの方が効果的」と書いてあります。
突然、風邪の症状+高熱になった方は、早めに医療機関で受診してください。
「発症から48時間以内」が効果的
厚生労働省のインフルエンザQ&Aには、抗インフルエンザ薬についてこのように書かれています。
抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始した場合
- 発熱期間は通常1~2日間短縮
- 鼻やのどからのウイルス排出量が減少
また、「48時間以降は効果が弱くなる可能性がある」と書かれています。
出典:Q.11:インフルエンザの治療薬にはどのようなものがありますか?インフルエンザQ&A|厚生労働省より
インフルエンザかも?と思ったら、すぐにお医者さんに相談しましょう。
※抗インフルエンザ薬は、お医者さんの判断により処方されるお薬です。(市販の風邪薬ではありません)
異常行動(転落死)の問題は?
厚生労働省のQ&Aには、転落死などの異常行動についても書かれていました。
一時期「タミフルの服用」で、ニュースに取り上げられましたね。
異常行動:インフルエンザの症状でなる可能性がある
異常行動は、インフルエンザの症状としてもあり、抗インフルエンザ薬が直接の原因ではないという見解のようです。
これまでの調査結果などからは、インフルエンザにかかった時には、医薬品を服用していない場合でも、
- 同様の異常行動が現れること
- 抗インフルエンザウイルス薬の種類に関係なく、異常行動が現れること
が報告されています。
引用:Q.14:抗インフルエンザウイルス薬の服用後に、転落死を含む異常行動が報告されていると聞きましたが、薬が原因なのでしょうか?インフルエンザQ&A|厚生労働省より
ふ~ん。本当に調査してるの?
医療機関を通じて、国立感染症研究所が統計しているみたいよ。
重度の異常な行動
- 突然走り出す
- 飛び降り
- 急に走り出す
- その他、予期できない行動であって、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動
軽度の異常な行動
- 会話中、突然話が通じなくなる
- おびえ・恐慌状態
- 無いものが見えると言う
- わめく・泣きやまない
- 暴力・興奮状態
- はねる
- 徘徊
- 無意味な動作の繰り返し
- その他、その行動自体が直ちに生命に影響が及ぶことは考えられないものの、普段は見られない行動
出典:インフルエンザに伴う異常な行動の調査に関するお願い 国立感染症研究所より
まとめ:インフルエンザ対策は「手洗い」「マスク」から
インフルエンザの予防は、「手洗い」と「マスク着用」が簡単です。
手は洗面所で洗うことができますし、マスクはどんどん安くなっています。
マスクも箱入りのお徳用なら1箱400円絵程度(1枚5円以下)で買うことができます。
ただし、インフルエンザ用マスクを買う時は、網目が小さい「不織布(ふしょくふ)製マスク」がおすすめです。
不織布マスクは、目が非常に細かいマスクのため、ガーゼタイプよりもウイルスを通しにくくなっているためです。
※熱や接着剤で「パリッと固めてある」マスクです。(99%カットなどと書いてあることが多いです)
お子さん・高齢者・妊婦さんは「予防接種」も考える
また、お子さんや高齢の方、妊婦さんは通常の成人に比べると、体の免疫が弱くなっています。
インフルエンザにかかってしまうと、重症化しやすくなる傾向があるようです。
予防接種(ワクチン)を受けると、そのウイルスに対する抵抗力(免疫)を増やせるため、重症化の予防になります。
特に、外出が多く、ウイルスを吸い込みやすい方は予防接種を検討してはいかがでしょうか。
インフルエンザの予防・対策 おすすめ記事
インフルエンザは、毎年3月までがピークです。(厚生労働省ホームページ参照)
え?そんなに続くの
春になっても油断できませんので、
風邪などの病気にならないように気を付けなくてはいけませんね。
得する情報.comでは、そんな「健康」に関する記事もあります。
参考にされてはいかがでしょうか?
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