毎年、1月~2月は急激に寒くなり、体の不調を訴える人が多くなる時期です。
- 風邪・インフルエンザ
- 冷え性
- それに、ヒートショックです
ヒートショックとは、温度差が激しい部屋を行き来した時に起こる身体異常のことです。
失神して気を失ってしまったり、ひどい時には「心筋梗塞」や「脳梗塞」を引き起こしてしまう原因になるそうです。
ヒートッショックは、「健康的な高齢者」でも多く、誰でも「いつ引き起こすかわからない」ため非常に厄介です。
2018年は寒さが厳しく「日本では東北の大雪」「シベリアでは氷点下65℃」という異常気象が起きています。
この寒い時期は「体の芯から温まろう」と熱いお風呂に入る方も多いかと思いますが、
ヒートショックによる事故を軽く見てはいけません。
2016年には、交通事故よりも多くの方が亡くなられています。
交通事故が5,278人に対し、「不慮の溺死及び溺水」が7,705人と多くなっているのがわかります。
※統計資料は「人口10万対」になっている為、正確な人数ではありません。(人口が10万人の場合で再計算)
また、東京23区では「入浴中の事故は12月~2月が最多になっている」とのデータもあります。
ヒートショックは、「身近な事故」として考える必要がありそうです。
消費者庁が公開している「ヒートショック防止策」をまとめてみました。
このページの参考資料:冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!
【消費者庁】冬場入浴中の事故防止7か条
消費者庁は、高齢者による「冬場の入浴事故」について、下のような防止策を発表しています。
- 入浴前に「脱衣所」「浴室を暖める」
- 湯温は41度以下
- 湯に漬かる時間は10分まで(目安)
- 浴槽から急に立ち上がらない。
- 食後すぐの入浴は控える
- 入浴する前に同居者に一声掛けて見回ってもらう。
入浴前に「脱衣所」「浴室」を暖める
冬の「脱衣所」や「浴室」に暖房器具を取り入れることで「暖かい部屋と寒い部屋の温度差を小さくする」のが狙いです。
ヒートショックは、「急激な温度差による身体異常」が主な原因です。
血液の異常循環による失神や心臓発作が多いようです。
部屋間の温度差を少なくすることで、急な血圧上昇を抑え「ヒートッショックを予防する」事につながります。
その対策として、「脱衣所に暖房器具を取り入れる」「服を脱ぐ前に浴室にお湯を流して室内を温める」などがあります。
64%の人が浴室を温めている
消費者庁では、独自アンケートの結果を紹介しています。
その中では浴室・脱衣所の室温対策を行ている」のが全体の64%もいるというデータが紹介されています。
- シャワー又は浴槽の蓋を開けて浴室を暖めている:32%
- 暖房機で脱衣所を暖めている:24%
- 暖房機で浴室を暖めている:22%
- 窓から熱気を逃がさないようにしている:18%
- 屋内全体を暖めている:18%
- 何も行っていない:36%
※複数回答可の質問です。
「シャワー、浴槽のお湯で浴室を温める」が一番多いようですね。
【対策1】脱衣所に「暖房器具」を取り入れる
血圧の上昇・下降は、室温差も関係します。
急に寒い場所に行くと「血管が細く収縮する」ため、血液の流れが早くなり【血圧が上昇する】ためです。
寒い室温の中で服を脱ぐと、体は急激に冷えてしまい「血圧が高く」なります。
逆に、暖かい浴室から「寒い脱衣所」に行くときも「血圧が高く」なってしまいます。
浴室に暖房器具を取り入れることで、服を脱いだ時・浴室から出た時の「急な血圧上昇を抑える」ことにつなげることができます。
【対策2】服を脱ぐ前に「浴室にお湯を流す」
冬の浴室は、室温が下がりやすくなっています。(冷えやすい)
冷えている体に、熱いお湯をかけてしまうと、血圧が一気に上がってしまう恐れがあります。
服を脱ぐ前に「浴室の床に熱いお湯を流す」ことで浴室を温め、浴室を温めることができます
また、浴室に「床暖房」を取り付ける事でも代用できます。
温度差での「血圧急上昇」を防ぐ
「急に体が冷えると、血圧が高くなる」ってことなの?
はい。「血管が急激に細くなると、大量の血液が押し出されてしまう」からです。
「血液の流れが早くなる=血圧が高くなる」ということです。
血圧が上がると、心臓や脳に負担が行くことがあります。
体がすぐに対応しきれないと「めまい」や「失神」として現れてしまうようです。
そのためには、脱衣所と浴室を温めて「室温差を少なくする」ことが大切です。
浴槽の湯温は41度以下を推奨
- 「冬は熱い湯船につかって温まりたい」
- 「できる限り熱い方がいい」
このように思っていませんか?
消費者庁のヒートショック防止7か条によれば、「お湯の温度は41℃以下」を推奨しています。
41℃を超えた熱いお湯に急に入ると、「血圧が急速に高くなってしまう」ためです。
「半身浴」で徐々に温める
湯船につかる時は、一気に全身をお湯の中に入れるよりも「半身浴」で少しずつ体温を上げることがおすすめです。
一気に全身をお湯に浸けるよりも、血圧の上昇が遅くするのを狙うためです。
お湯に漬かる時間は「10分」まで(目安)
消費者庁の資料では、お湯に浸かる時間を「10分まで」としています。
10分以上長く入っていると、血圧が高くなり「のぼせる原因になる」からです。
のぼせは血液の流れに異常をきたし、「失神」などにつながるため注意が必要です。
「のぼせ」は失神の前触れ?
「のぼせ」と「失神」は違うんじゃないの?
「のぼせ」とは、体が温まることで血液が脳に行き過ぎて体温が上昇していく状態のことです。
「のぼせ」が進むと、「頭がボーっと」する「めまい」や「立ちくらみ」につながります。
これがひどくなると、意識がなくなる(失神)につながることもあります。
のぼせるという事自体が、異常な状態です。
長湯をする時は「のぼせ状態」に気を付けると、失神を防ぐことにもつながるという事になります。
少し休憩をはさむ
しかし、お風呂から上がると寒いため「長く湯船に浸かっていたい」と思うのも心情です。
ですが、長湯をすると「体(血液の流れ)に負担をかけてしまう」恐れがあります。
そこでおすすめなのが、10分経ったら一度湯船から出ることです。
体を洗ってもいいですし、風呂椅子に座るでも構いません。
とりあえず湯船から一度出て、血圧を少し下げましょう。
体を少し冷やすことで「血圧の上がりすぎ」「のぼせ」の防止につながります。
浴槽から急に立ち上がらない
湯船から「急に立ち上がる」のは危険です。
消費者庁アンケート「入浴中にヒヤリとした経験」でも、湯船から立ち上がったタイミングに異常を感じたと答えた人が多いようです。
- 浴槽から立ち上がった時:99人
- 浴槽内:75人
- 浴槽から出た時:35人
※複数の選択が可能なアンケートです。
貧血ではない方でも、湯船から急に立ち上がると「頭がクラっとする」ことがあるのではないでしょうか。
浴室と湯船の温度差は激しいため「立ちくらみ」「貧血」などの症状が出ることもあるからです。
また、消費者庁発表の資料によると、温度差以外にも「湯船の水圧による影響」もあるようです。
入浴中には湯で体に水圧がかかっています。その状態から急に立ち上がると体にかかっていた水圧が無くなり、圧迫されていた血管は一気に拡張し、脳に行く血液が減り脳は貧血状態になり一過性の意識障害を起こすことがあります。
冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! 消費者庁資料より
このため、湯船から立ち上がる時は、ゆっくりと立ち上がることをおすすめします。
湯船から出る時は「ゆっくりと立つ」ようにしましょう。
また立ち上がる時には、「湯船のヘリ(手すり)に手を添えておく」ことも大切です。
【対策1】「手すり」「へり」をつかんで立ち上がる
濡れている「浴室」「浴槽」は滑りやすくなっています。
また、急な立ちくらみによる転倒にも気を付けなくてはいけません。
安全性を考えて「頑丈な手すりを付ける」ことも考える必要があります。
手すりがなくても、湯船のへり(端)をつかみながら立ち上がる癖を付けることでも対策ができます。
手でつかんでいると、急に立ちくらみをしても寄りかかれるため、転倒によるけがを防止することできます。
【対策2】物を整理して転倒防止
浴室は滑りやすいうえに、「洗面器」「風呂椅子」「シャワーの取っ手」など小道具がたくさんあります。
このような物が床に散乱していると、「めまい」がなくても転倒する可能性があります。
普段から浴槽の床は整理しておくことも大切です。
その際には、高いところに「使う物を置かない」という事も大切です。
特に、シャンプーやタオルなど、「視界が悪くなる時に使う物」は下に置くようにしましょう。
シャンプーのボトルが上から落ちてきたら危険です。
食事直後の入浴は控える
食事をすると「血圧が上昇しやすく」なったり、人によっては「血圧が急激に下がる」傾向があるようです。
これは生理的な現象ですが、血圧が上がる原因としてはいくつかあるようです
- 塩分が血圧を上げる
- 栄養を体中に運ぶために血液の流れが上昇する
- 体がリラックスして血管が広がる
- 食事による高血圧をさがるため低血圧になる(食後低血圧)
食後すぐにお風呂に入ると「血圧の上がり下がりが激しくなってしまう」ためです。
体に負担をかけてしまう可能性があります。
【対策1】入浴は「食事前」か「憩後」に入る
食後すぐに入浴するのではなく、「食事前に入浴する」「食後は時間を空けて入浴する」と良いようです。
目安は1時間後のようです。
ただし食後、血圧が安定するまでにかかる時間は「1時間以上かかることもある」ようです。
血圧の低下が起こりやすい時間帯は、個人差はありますが、食後30分~1時間程度です。その後は次第に通常の血圧に戻る
血圧が不安定な方は、1時間以上開けることも考えた方がいいそうです。
※人により異なりますので、かかりつけの医師に相談されてください。
【対策2】入浴前後の「水分補給」は必ず行う
入浴する前と入浴した後の水分補給は大切とのことです。
水分補給をすることで、入浴中に出てしまった水分を取り戻したり、血圧を下げる効果が期待できるからです。
ただし、「血圧が上がる飲み物」や「利尿作用がある飲み物」はいけません。
体の負担が少ない「水」や「麦茶」「緑茶」などがおすすめです。
参照:循環器病と気になる嗜好品 | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
入浴する前に同居者に一声掛ける
入浴前に、家族に一言告げることも大切です。
なぜかというと、倒れたときに見つける人(第1発見者)は家族しかいないからです。
たいていの人は入浴時間が決まっています。
それを超えるような異常な時間入浴していれば、不審に思うはずです。
しかし、高齢者の「一人暮らし」(子供との別居)が多くなっている現代では、やや難しくなってきている現状もあるようです。
まとめ:一番危ないのは一番風呂
「いつも一番風呂に入るお父さん」は、ヒートショックへの注意が必要です。
一番風呂は「浴室と浴槽の温度差が一番激しい」ため、ヒートショックになりやすい環境にあるからです。
- 浴室が温まっていない
- お湯の温度が一番高い
さらに食後すぐだと、体によくありません。
ヒートショックは健康な人でも、突然なる可能性があります。
しっかりと対策したいところです。
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ヒートショックとは、気温差・室温差によるショック状態になることです。
失神して意識を失い、浴槽で溺れてたり、転倒する事故が多くなっています。
その対策として、「浴室・脱衣所を温める」「食後すぐに入浴しない」などが挙げられています。
男女問わず45歳以上から多くなっていますので、他人ごとではありません。
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