冬の食中毒といえば、ノロウイルスです。
11月からピークになり、暖かくなる3月まで注意が必要です。
ノロウイルスは「細胞分裂」が激しいため、感染力が高いウイルスとして知られています。
ノロウイルスにはアルコール消毒に強い耐性があるようです。
漂白剤などに含まれている「次亜塩素酸」で消毒する必要があります。
※アルコール消毒の場合は、「15秒ほど開けて二度拭きする」と効果がやや期待できるそうです。
感染者が出た家では、衣類や布団、食器やドアノブまできれいに消毒をしないと他の人が感染する可能性があります。
ノロウイルスは、人のタン(つば)や便からでも感染するからです。
しかし、すべての家具を次亜塩素酸で消毒するわけにはいきません。
なぜなら次亜塩素酸は非常に強力だからです。
木製・金属製の家具を拭いてしまうと、壊れる(腐食する)原因になるそうです。
では、どのような消毒にすればいいのでしょうか?
ノロウイルス対策の消毒方法をまとめてみました。
【事前準備】マスク着用(空気感染あり)
まずは、ノロウイルスで気を付けないといけないのが「空気感染」です。
ノロウイルスは、乾くと空気に乗って移動することもあるようです。(気化する)
ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあります。
患者さんの唾や排泄物にはノロウイルスが含まれている可能性があります。
ウイルスをそのまま放置すると、二次感染になる危険性があります。
次亜塩素酸の特徴
ノロウイルスは、アルコール消毒に対して強いため市販のアルコールスプレーでは対応できません。
次亜塩素酸による消毒をする必要があります。
次亜塩素酸は、一般的に「ハイター(花王)」「カビキラー(ジョンソン)」などの漂白剤に配合されてます。
「家庭用塩素系漂白剤」と表示されている製品です。
漂白剤・シミ抜きで売られている
次亜塩素酸ナトリウムは、粉末そのものは売られていません。
日常生活で使うには、次亜塩素酸ナトリウムが入っている「家庭用漂白剤」を買う必要があります。
※家庭用塩素系漂白剤
一般家庭用の製品としては「食器洗い用消毒液」「トイレ用洗剤」などが当たります。
薄めて使う
また「次亜塩素酸ナトリウム」は、強烈な刺激臭を発生します。
そのままでは、使用せずに水道水で薄める必要があります。
上の画像のように、用途に合わせて家庭用塩素系漂白剤を「水0.5l(リットル)~2.5l」で薄める必要があります。
- 水0.5l:ウイルスが直接付着した物や場所(嘔吐物、便など)
- 水2.5l:患者さんが触った物や場所(ドアノブ、食器など)
「薄めすぎ」も効果はありません。
ただし、60℃以上になると分解して効果が無くなる恐れがあるため、熱水で薄めないようにしましょう。
長時間の保存に向かない
また、次亜塩素酸は光や熱に弱いため、長時間の保存には聞きません。
そのためキッチンハイターなど「次亜塩素酸を含む製品」は、光を通さない容器に入っています。
一度容器から出したら「使い切ってしまう」ことをおすすめします。
殺菌のみ(洗浄能力はない)
次亜塩素酸は、主に「消毒(除菌)」「漂白」として使用します。
それだけでは「汚れを洗浄する効果」は期待できません。
つけ置く前に、洗っておくといいかと思います。
「酸性の洗剤」と混ぜると危険
ただし、次亜塩素酸はアルカリ性です。
酸性の洗剤と混ざると化学反応を起こして有毒なガスを出します。
よく水ですすいで、洗剤が混ざらないようにする必要があります。
「まぜるな危険」とは、塩素系の漂白剤・洗浄剤に「酸性タイプの洗浄剤」等が混ざると、危険な塩素ガスが発生するので注意してください、という意味です。
注意書きをよく読んで使用することをおすすめします。
※トイレの洗剤も一緒です。
「木」「プラスチック」「金属」は劣化(腐食)する
次亜塩素酸は、「木」「プラスチック」「金属」などを腐らせる性質があります。
- 木:まな板、机、床、ドアなど
- プラスチック:皿、箸、容器
- 金属:包丁、皿、
※これらは、次亜塩素酸で長時間つけ置くと腐食する可能性があります。
ただし、「水やお湯でよくすすぐ」と問題ないようです。
熱で分解が早まるため、「お湯で洗うといい」かもしれません。
※すすぎが少ないと色落ちや劣化につながります。
漂白(色落ち)する
次亜塩素酸が配合されている消毒液は「漂白作用」があります。
色が付いている物などは、しっかりすすいでも「色落ち(薄くなる)」する可能性があります。
次亜塩素酸が使えない時の消毒方法
次亜塩素酸は、色落ちや金属を腐食する可能性があります。
大切な「衣類」や「家具」「床」などは、色落ちすると目立ってしまう可能性があります。
次亜塩素酸が使えない物や場所は、加熱してで消毒することを考えましょう。
厚生労働省のホームページでは85℃以上の熱で1分以上加熱することで、ノロウイルスの動きを不活性化できると書いています。
※「不活性化」と「殺菌」は意味が似ていますが、同じ意味ではないそうです。
吐ぶつやふん便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理をすればよいですか。
下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。
また、85℃以下の熱でも、時間を長めにすることでも不活性化できるという報告もあります。
- スチームアイロン:2分程度で消毒
- 布団乾燥機:50℃でも30分の過熱で不活性
参照:家庭でできるノロウイルスの消毒法 東京都健康安全研究センター資料より
85℃の熱水
ノロウイルスは、85℃以上の熱に弱い(不活性になる)性質があります。
衣類や布団を洗濯する場合は、85℃のお湯で1分間以上消毒する必要があるとのことです。
また、熱水洗濯ができない場合は、スチームアイロンや布団乾燥機代用するといいようです。
ノロウイルスが付いたものはすべて「素手で触らない」ようにしてください。
ちょっとでも付着してしまうと、あなた自身が感染する恐れがあります。
「スチームアイロン」「布団乾燥機」で熱処理
家庭には、乾きにくい物や簡単には選択できない物があります。
しかし、布団やカーペットについたノロウイルスは、乾くと空気に乗って他の人に感染する可能性があります。
このような場合は、アイロンや布団乾燥機を使い消毒する必要があります。
スチームアイロン:2分程度で消毒
一般的なアイロンのスチーム機能には、発熱の強さ「低」「中」「高」があります。
「低」は比較的低く60度前後になってしまうため、消毒にはあまり適していません。
「ノロウイルスは85℃以上の熱に弱い性質」がありますので、100℃以上の高温になる「中」以上がおすすめといえます。
また東京都健康安全研究センターの資料によると、
スチームアイロンの場合、高温で2分程度当てると不活性にする効果が得られると書いてあります。
長めに当てながら、消毒するつもりでアイロンをかける必要がありそうです。
布団乾燥機:50℃でも30分の過熱で不活性
布団乾燥機は、安全性を考え80℃などの高温にすることができない設計になっています。
しかし、30分以上の加熱することで「ノロウイルスを不活性にする」ことができるようです。
クリーニング店、コインランドリーは持ち込み禁止
ノロウイルスは「感染症(伝染病)」に指定されているため、一般のクリーニング店に持ち込めません。
一般のクリーニング店では法律上嘔吐物や汚物のクリーニングは出来ません。
(中略)
つまり、嘔吐物、し尿など汚物は「汚染のおそれのあるもの」に該当し、洗濯する前に消毒する事が義務付けられています。そして、クリーニング店には消毒の為の設備を有するお店と有さないお店があるのです。
また、コインランドリーは、感染者を増やす可能性があるため持ち込まないようにしましょう。
「指定洗濯物取扱施設」に依頼する
このページには、どこの業者であれば「ノロウイルスなどが付いた汚染物」も書かれていました。
汚染物(嘔吐物物含む)のクリーニングは、「指定洗濯物取扱施設」という保健所の許可を得た業者に任せるしかないようです。
「指定洗濯物取扱施設」は、各地域の保健所のホームページや電話でも確認できるようです。
わからなければ、保健所の「感染症対策課」か「生活衛生課」に電話で問い合わせましょう。
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え?そんなに続くの
春になっても油断できませんので、
風邪などの病気にならないように気を付けなくてはいけませんね。
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