インフルエンザの予防接種が10月から始まっています。
2015年秋冬からワクチンが強化され、対抗できるウイルスの種類が従来の3種類から4種類に増えています。
その代わり、300円~500円ほど値上がりしています。(自治体や助成金により変動)
多少高くても接種することをおすすめします。
インフルエンザが多く流行するのは、11月~2月ですので2週間前から3週間前には接種しましょう。
※13歳未満のお子さんは、ワクチンを2回接種することが推奨されています。
2015年秋冬(2015年10月~2016年2月まで)のワクチン4価
- ブタインフルA/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
- 季節性A型/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
- 季節性B型/プーケット/3073/2013(山形系統)
- 季節性B型/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)
この医学表記ではわかりにくいので、わかりやすく書くと下のようになります。
ウイルスの型 | 分離された場所 | ウイルス株の整理番号 | 分離された年 | ウイルスの亜型 |
ブタインフルA | カリフォルニア | 7 | 2009年 | X-179A、H1N1 |
季節性A型 | スイス | 9715293 | 2013年 | NIB-88、H3N2 |
季節性B型 | プーケット | 3073 | 2013年 | 山形系統 |
季節性B型 | テキサス | 2 | 2013年 | ビクトリア系統 |
ブタインフルA/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09の意味
=2009年に、7番の豚インフルエンザA型ウイルス株を使用して、カリフォルニアの工場で分離したX-179A、H1N1のたんぱく質で作られたワクチン。の略
上の表を見ると、何となくイメージできますね。
ちなみに「pdm09」は、「2009年に、世界的大流行(パンデミック)になったウイルス」という意味を表しています。
ブタインフルAは、2014年秋冬モデルにも投入されたウイルスです。
(数年以内に大流行の可能性あり?)
A型ウイルスとB型ウイルスの違い
インフルエンザウイルスには、ABC3種類ありますが、問題になるのはAとBです。
※Cは感染力・症状が軽いためあまり広まりません。
A型B型の違いは、性質にあります。
症状 | 流行範囲 | 特徴 | |
A型 |
|
|
大流行しやすい
体力消耗が激しい |
B型 |
|
人→人 | 症状がやや軽く風邪に似ている |
※ABともに、頭痛や発熱、倦怠感、筋肉痛など通常の症状はありますが、
B型インフルエンザは、通常の風邪と見分けがつかないこともあります。
風邪の症状が長引くようでしたら、B型インフルエンザに感染している可能性が高くなります。
一方A型は、2009年に大流行した豚インフルエンザ(ブタインフルA)のように、流行範囲が広いのが特徴です。
なぜB型が2種類に増えたの?→混合型に対抗するため
流行するインフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化しています。
特に最近流行が懸念されているのが、B型の混合型ウイルス(同時感染)です。
2種類のウイルス「山形系統」と「ビクトリア系統」が同時に流行する可能性が高いのです。
WHOが推奨→アメリカの製造薬が承認
2014年ワクチンまでは、「山形系統」か、「ビクトリア系統」のどちらか1種類しか入れていませんでした。
ですが、世界中で両方のウイルスが同時に流行することが多くなりました。
これを受けて、WHO(世界保健機関)が4価を推奨したのです。
それに合わせてワクチンを製造しているアメリカの会社が、4価で製造することが承認されました。
今後は、世界中で4価ワクチンが採用されるようです。
2014年ワクチンとの比較
2014年のワクチンと比べると、今年流行する可能性が高いウイルスがある程度わかります。
ウイルスの型 | 分離された場所 | ウイルス株の整理番号 | 分離された年 | ウイルスの亜型 |
季節性A型 | カリフォルニア | 7 | 2009年 | X-179A、H1N1 |
季節性A型 | ニューヨーク | 39 | 2012年 | X-233A、H3N2 |
季節性B型 | マサチュセッツ | 2 | 2012年 | BX-51B、山形系統 |
参照:新型インフルエンザが季節性インフルエンザに認定?2015年インフルエンザの流行状況はどうなる?
2014年秋冬モデルは、B型に山形系統を持ってきています。
それ以外はあまり変わりませんね。
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