年々値上がりする自動車保険
それでも、保険がなければ万が一の時に大変だ。
特に自動車で事故を起こすと、個人で支払える金額を軽くオーバーしてしまう。
自動車保険の支払いを安くするコツはないのだろうか?
保険という商品は、万が一事故などによる金銭的な損害を起こしたときに、「入っていてよかった」と思える安心を買うためのものです。
しかし、無難に過ごせていれば支払いがもったいなく感じるものです。
しかも長期的に払い込んでいきますので、人生でも大きな金額の買い物です。
自動車保険を安くするコツは「保険料の決まり方」を知ればある程度わかる
自動車保険を安くする方法はいくつかあります。
意外と知らない人も多いのではないでしょうか?
ここでは、自動車保険の保険料の決まり方から見た6つの節約方法をご紹介いたします。
自動車保険の保険料は「等級」で決まる
自動車保険の「等級」とは、あなた自身が保険料を何回請求したかを表す目安です。
(正式名称:ノンフリート等級制度)
自動車保険に入ると、まずは6等級に振り分けられます。
毎年等級が上がると、保険料の割引額も増加
6等級の人が「1年間無事故(保険の支払い請求が0件)」で過ごすと、翌年は7等級に昇格し保険料が10%割引になります。(割引率は、保険会社によって異なる場合もあります。)
さらに翌年(加入から2年間)も、保険の支払い請求であれば8等級となり、割引率がさらに10%アップしています。
20年間無事故で63%割も可能
これを繰り返して、最大20年間無事故であれば、20等級までランクが上がっていきます。
保険料の割引も20等級になると、無事故の方は63%割引となりグーンと安くなっています。
※過去の事故歴があると44%の割引です。
「ゴールド免許を持っていれば、自動車保険が安くなる」という理由は、ここから来ているのです。
ノンフリート等級制度が利用できない?「車を10台以上保有」は対象外
ちなみに、ノンフリート等級は「保険会社と契約している車が9台以下の方だけ」が対象です。
他社の保険会社で契約している車を含め、10台以上保険に加入を検討している方は「フリート契約」となります。
大抵の個人であれば、問題ありませんが頭に入れておきましょう。
「等級」は保険金の請求を一回する度に最大3ランク下がる
自動車保険の「等級」は、保険会社から支払いを受けるたびに内容により格下げされます。
- 保険金を1回請求した場合→0~3つダウン(ノーカウント適用の場合マイナスになりません)
- 2回請求した場合→0~6つダウン
- 3回請求した場合→0~6つダウン・・・・となります。
保険会社は慈善事業ではありません。
保険金の支払いが多い人(利用回数が多い人)ほど、等級が下がり不利な条件になっていきます。
最大3等級下がりますが、利用するたびに必ず下がるということでもありません。
請求する内容や金額によって変わってきます。
1等級だけ下がったり、ノーカウント(等級の格下げなし)になる場合もあります。
等級ダウンには上限あり、下がるのは最大6段階まで
ノンフリート等級のランクダウンには最大6つまでという上限があります。
回数に応じてランクは変化しますが、それでも下がるのは最高でも6段階までです。
しかし、これ以上等級が下がらないからといってむやみに請求を増やした場合、解約され契約が無効になることもあります。
その場合、情報は共有していますので他社の保険会社の契約にも影響が出てしまいます。
最悪、どの会社の保険にも加入できない(拒否される)という状態になるかもしれません。
3等級下がる保険金払い
ノンフリート等級が3つ下がる事故は、下記3つの事故です。
- 対人賠償(他人にケガを負わせた)
- 対物賠償(物や他人の車にぶつけた)
- 自損事故(電柱などにぶつけた)
※保険会社によって異なる場合もあります。
いずれも、高額な保険金の請求になるため、マイナス3等級になってしまいます。
1等級だけ下がる車両保険
1ランク下がるのは、ある程度低い金額の修理が対象です。
- 車両盗難
- 災害による被害
- いたずらや落書きによる修理
- ガラス(フロントガラスやその他の個所)の修理費用
このような内容で保険金を請求すると、ノンフリート等級制度で1ランク下がります。
※これらの修理を行う場合、等級のランクダウンを防ぐために、保険金を利用しないという方法もあります。
等級は「他社保険会社にも引き継ぐ」ことが可能
保険会社の等級のメリット(割引率など)は、各社それぞれで違うことがあります。
しかし、「等級」そのものは会社を乗り換えても引き継ぐことができます。
例えば、A社の保険会社で10等級になっている人が、
他社の自動車保険に入っても10等級の割引特典を受けることができます。
つまり、保険会社を変えても6等級からスタートにはならないということです。
しかし、期間内に申請する必要があるなど、引き継ぐには条件がありますのでご注意ください。
事故歴(ノンフリート等級)は保険会社間で共有している
「うっかり事故を起こしてしまった。」
保険料を請求したら、翌年から3等級にランクダウンし「保険料が12%の割増」になってしまう。
その答えは、「ノー」です。
たとえ、事故があったことを未申告にしても、他社と事故情報を共有していますのですぐにバレてしまいます。
日本損害保険協会には、保険に加入している人の情報を共有する為のデータベースがあります。
協会に加入している保険会社は、そのデータと申告書を見て事実確認を行います。
この時点で、未申告の事故歴があれば、加入を断られる可能性もあります。
ましてや、保険料が安くなることはありません。
保険会社間で共有している情報
- 取扱保険会社名、保険種類、証券番号
- 保険契約者の氏名、住所
- 被保険者の氏名
- 車両所有者の氏名
- 車両登録番号、車台番号、用途車種
- 保険期間
- 解約・解除の有無
- 適用等級
- 保険事故の件数、事故年月日
引用:損害保険会社等が共同利用する制度について 日本損害保険協会より
http://www.sonpo.or.jp/about/guideline/kyodoriyou/0001.html
しかし事故情報は、保険金の申請(請求)がなければ本当の状況はわかりません。
もし、事故があっても無申告・無請求であれば等級が下がることは可能です。
1等級上げるには1年、3等級戻すには3年我慢するしかない?
1年間無事故(保険金の請求なし)で過ごせば、翌年は1等級上がります。
これは、事故を起こしてしまった方も、翌年1年間無事故であれば1ランクアップが適用されます。
仮にあなたが3等級下がったとしたら、3年間で元通りの割引率が受けられます。
ただし、3年間無事故だった場合と比べると、大きな損をすることになってしまいます。
- 事故を起こして保険金の請求をした場合→翌年3ランクダウン
- 「翌年から1年無事故であれば、1ランク上がる」×3年間=元の等級
もし無事故だったら、3ランク上がっていたので、4ランクも等級が上の割引を受けられていた。
車の保険料を安くするには、「無事故を突き通し」「保険料の請求」をしなければいいということです。
保険金の請求をしないければ、等級は下がらない
自動車保険の月々に支払う保険料は、等級によって割引率が大きく変わってしまいます。
等級を下げたくなければ、事故や修理をしたとしても「保険金の請求をしなければいい」のです。
保険会社はわかりませんので等級は下がりません。
特に、小さな傷の修理で保険金を請求してしまうと、翌年1ランクダウンしてしまい2年間のブランクができてしまいます。
「今後の保険料の支払い額」と「修理代金の差額」を考えて、保険金で修理をするのか自己負担にするかを決めましょう。
ロードサービスの利用はノーカウント(等級のランクダウンなし)
保険会社が提供しているサービスによっては、等級への影響がない場合もあります。
よくあるのがロードサービスと呼ばれるサービスです。
「事故以外の車のトラブルを解決してくれるサービス」が無料で受けられる自動車保険が多くなっています。
- キー閉じ込め
- バッテリー復活
- ガソリン補給
- タイヤのパンク修理
※JAFというサービスもありますが、こちらは年会費や対応費用が必要になっています。
これらは、保険会社側がサービスとして独自でやっていますので、等級には影響しません。
まとめ:自動車保険料を安く節約するなら「無事故」が一番
自動車保険をこれから安くしたいとお考えであれば、あなた自身がやることは安全運転です。
たったこれだけでも、保険料に差が出てきます。
たとえ、違う会社に変えたとしても、ノンフリート等級(事故歴)は変わりません。
そのまま割引率に影響しますので、無事故を心がけましょう。
とはいっても、無事故にしたいために、大きな事故を起こしたのに虚偽報告ということは考えていけません。
万が一のための自動車保険ですので、必要な時にはしっかりと利用しましょう。