マイナンバーの個人番号はお手元に届きましたか?
私はつい先日、通知カードが無事受け取りました。
個人番号は、大切な控えです。失くさないように保管しましょう。
盗難に会わないためにも、出来れば「鍵付きの金庫がいい」かもしれません。
さて、2016年1月からマイナンバー制度が始まります。
来年からは、市区町村役場で行うすべての手続きに、
個人番号の提示(通知カードの番号)と身分証明書の提示が必ず求められます。
住民票の請求やその他もろもろすべての手続きです。
町役場だけでなく、税務署での所得税の申告にも必要です。
将来すべての手続きが、マイナンバーで自動化される
今回日本政府が、マイナンバーの導入をした主な目的は、手続きの簡素化と税の把握です。
手続きの簡素化とは「ワンストップ手続き」、いわゆる自動化です。
ワンストップ手続きとは、「一回の申請ですべての手続きを終わらせる」という意味で使われています。
例)死亡届は10個以上の書類手続きが必要→1回で終わるようになる
例えば、現在高齢化で多くなっている「死亡手続き」で考えてみましょう。
現在は、死亡届のほかに、10ヶ所以上の係で手続きが必要なためすべての行政手続が終わるまで2~3日はかかるといわれています。
- 戸籍死亡届(市民課・町民課)
- 世帯主変更届(市民課・町民課)
- 年金受給停止届け(年金事務所)
- 葬祭費用の申請(国民健康保険課)
- 医療保険証の返還(保険課)
- 障害手帳の返還
- 最終納税(税務課)
- 自動車の廃車・名義変更手続き
- 扶養手当等の手続き
これ以外の手続きも発生する場合がありますので、とても面倒ですね。
もしあなたが、人口が多い地域にお住まいであれば、待ち時間が長くなり、
すべての手続きが終わるまで、1週間以上かかる場合もあるのです。
将来、遠くない未来では、このような手続きが変わります。
ワンストップ手続きが実現すれば、
「役場に戸籍死亡届を出すだけ」で一括手続きが可能になるのです。
2016年から何が変わっていくの?
役場では、2016年から少しずつ個人番号を利用する業務が増えていきます。
まずはじめに、
2016年は、税金に関するデータを個人番号と結び付けます。
お勤めの会社が、個人番号を収集し、税務署に届ける際に記入しなくてはいけません。
また、ご自身で確定申告をする場合も、番号を記入する項目があります。
すべての会社が2016年までに、個人番号を収集しますので、ほとんどの国民の収入が把握できます。
また、確定申告が必要な証券口座も、同時に個人番号を付けなくてはいけません。
(証券会社が、自動で税金の控除をしている口座をお持ちの場合)
その結果として、2017年には税金の未納、不正受給をしている人が把握できるといわれています。
これにより、税金の節約、増収が見込めるとの事です。
約2年毎に新しい仕組みが作られる(予定)
さらに、行政手続に関係ある部署のデータの紐付けが予定されています
※今後国会で話し合われ、中止されたり、付け加えられることもあります。
あなたの個人番号を、行政手続で使えるようにするためには、今ある個人データ(氏名や生年月日、住所など)を各部署のデータとあわせていく必要があります。
混乱を避ける為、1~2年ごとに少しずつ変えていきます。
2016年~個人番号が使われる予定、行政手続きのスケジュール
マイナンバー制度では、多くの行政手続が個人番号ひとつで手続きできるようになります。
- 戸籍・パスポート情報
- 年金情報
- 健康保険証・健康情報
- 銀行口座・証券口座
- 自動車登録
戸籍情報のデータ紐付け(2018年)
戸籍情報とは、住所氏名生年月日が書かれた戸籍謄本の事です。
住民票とは違い、むやみに変わりません。
戸籍登録している自治体から、遠くに住んでいても個人番号一つで請求する事が可能になります。
また、死亡した場合の手続きも戸籍情報の変更のみで一括申請が可能になるようです。
パスポートの手続きの簡素化、海外被災での安全確認
海外に仕事で行く時、パスポートを作る必要があります。
たとえ、持っていても、更新しなくてはいけません。
その時に、マイナンバーがあれば手続きが簡単になります。
また、海外に出ているときに、地震や津波、台風などの被害にあわれた場合、安全確認に使います。
大使館などに、個人番号を伝えると、速やかに確認できるとしています。
年金情報の紐付け(2017年以降)
年金情報とは、年金の支払い状況、年金の受給手続きに必要な情報の事です。
免除申請や、滞納状況の把握も、個人番号に組み込まれます。
ただし、役場などの年金に関係ある機関以外には、年金情報が漏れないようになっています。
一般の会社や雇い主が見る事はできませんのでご安心ください。
健康保険証がマイナンバーカード1枚に(2018年4月)
現在、保険証と身分証は別々ですが、将来は、マイナンバーカードに保険証の役目も持たせる予定です。
※番号通知カードとは違い、住民基本台帳カードの代わりになるカードの事です。
任意で申請すると、作成する事が出来ます。
マイナンバーカードは1枚で何役もこなしますので、持っている人は多くカードを持つ必要がなくなります。
健康情報の記録(2016年)
マイナンバーは、健康保険証だけではありません。
健康診断の結果、今年から始まったストレスチェックの情報なども、データ化し個人番号につけるようです。
予防接種を受けた履歴などを記録する母子手帳、病院での治療記録もデータ化され援助金や医療費控除にも使う事ができます。
※メタボ検診は2016年、予防接種履歴は2017年から紐付けされます。
セカンドオピニオンによる、薬の二重処方の防止にも役立ちます。
個人番号を使ったインターネットサービス「マイナポータル」(2017年1月スタート)では、健康診断の結果を元に健康アドバイスに関する情報提供も始めます。
予防治療を後押し、医療費を抑える為の制度といえます。
銀行口座(2021年)・証券口座の紐付け(2016年)・保険会社(2016年)
2016年は、収入に関する情報(源泉徴収・納税)の紐付けが行われますが、これだけでは国民のお金の流れがすべてつかめるとは言えません。
その為、正確に脱税者・不正受給者が分かるわけではありません。
最終的に、すべての銀行口座、証券口座に個人番号を付ける事を義務化します。
これで、すべてのお金の出入りを掌握し、適正な納税金額を計算する事ができます。
自動車・バイクの手続きを簡素化
自動車を持つと、様々な手続きが必要です。
- 購入した時の取得届・車庫証明
- 手放した時の廃車手続き
- 引越しの際の移転手続き
- 自動車税の請求支払い
これらを行う時に、まず必要なのが住民票です。
自動車関連の手順は面倒です。
一度市町村役場に行き、住民票をもらう必要があります。
(人が多い都心部では、1時間待つこともあります)
更に運輸局に行き、手続きをやっていたら夕方になってしまうでしょう。
もし、マイナンバー制度でワンストップ手続きが出来れば、一度の出頭だけでいいのです。
まとめ:便利になるまで最低でも10年は必要
マイナンバー制度は1年ですべて変わるのではありません。
また、ここに上げたすべての行政サービスが実現するのかは分かりません。
少しずつ、問題がないのか?対処は出来るのか?を国会で話し合いながら最終的に実行していきます。
その為、「マイナンバー制度がひとつの形になるのが、20年後、30年先ではないのか?」という噂もあります。
2016年は、日本にとって大きなプロジェクトの始まりです。
これ位の年月は必要なのかもしれません。