日本政府の考えでは、2020年の東京オリンピックまでに
自動運転車による「ロボットタクシー」を実現したい考えがあります。
日本の技術を世界に知らしめるチャンスとして、官民一体となって取り組んでいます。
2016年1月から公道での走行テストも実施される予定もあり、順調に進んでいるように見えます。
しかし、わずか4年の歳月で実現するのでしょうか?(2016年1月14日現在の記事です。)
自動運転技術の先駆け「Google車の年間事故率0.3%」
14ヶ月間の走行期間中に、13回の事故が発生したという報告がありました。
仮に1ヶ月間を30日として1年間(365日間)で計算し直すと、事故率が約0.3%となりました。
1日に1000台走れば、3台が事故るという事です。
Google車は、年間の走行距離が約67万6000キロと長いですが、実用化するとこれ以上の距離を年間で走るわけですので、軽視できない確率といえます。
また、自動走行中にエラーが出たのが272回もあり、2日に1回の頻度です。
これでは一般実用がまだまだ難しいのではないでしょうか?
日本の自動運転車は一般道のテストが遅れ気味
自動運転車の事故率を下げるには、数多くのテストが必要です。
日本でも公道テストが開始されていますが、国際的に見ると時期的が遅すぎています。
特にアメリカは2010年から一般道での走行テストを開始していますが、日本では2013年にようやく許可が出ました。
たった2年間でも、年間走行距離が大幅に変わり、精度や修正に差が出るのは必須です。(1年間の走行距離を50万Kmとすると、スタートが2年違うだけで100万kmも差が出てしまう。)
先に他国の開発が完了する恐れもあり、「日本車での実用化はまだまだ時間がかかるのでは?」という指摘があります。
事故が多ければ、日本製(made in Japan)の名誉に関わる?
日本政府の”はやる気持ち”とは裏腹に、日本で自動運転技術に携わる自動車メーカーは慎重な姿勢をとっています。
- 日産
- ホンダ
- スバル
特にメーカーは、自社の存続をかけた開発ですので、小さな事故も起こせないのです。
タクシーにしろ、一般販売にしろ、簡単には発表できないのです。
もし、大きな欠点があれば、今の業績も悪化してしまう可能性があります。
世界が注目する東京オリンピックの舞台で事故れば、国際的にダメージを受けてしまうからです。
「雨や雪で走れない」技術的な致命傷
自動運転車には、雨や雪で不安定な道路やデコボコ道などの走行には不向きという致命的な欠点があります。
また、「舗装整備されていない道路」や「車幅が狭い道路」も同様です。
高速道路などの整備された道で「規則正しい直線」や「滑らかなカーブ」であれば、自動運転でも安定して走行をする事ができます。
しかし、一般の道路はそんな道だけではありません。
舗装されていない道路や、歪みが生じている道路はゴロゴロしています。
さらに、「雪や雨が降れば走れない」のであれば、なおさら意味がないのです。
そういう意味では、今後山のようにある課題を、2020年までにクリアするにはあまりにも短すぎる期間設定ではないでしょうか?