銀行がお金を預かるほど損をするマイナス金利。
しかし私たち一般の消費者にとってのマイナス金利は、大きなメリットがあるのはご存知でしょうか?
それは、銀行ローン金利の低下を利用して家計の負担を減らすことができるからです。
通常預金の金利が値下がりしていますが、
「銀行ローンの金利低下」(安くなるということ)を見過ごしてはいけません。
なぜ銀行ローンの金利が安くなるのか?
2016年2月時点で、マイナス金利によって一般銀行が2月に日本銀行に支払った手数料は約20億円といわれています。
一か月間で20億円ですから相当な額です。
一般銀行が日銀に預けているお金「23兆円」にマイナス金利(-0.1%)を適用しているためです。
各銀行の残高ではなく、日銀に預けている全体のお金から差し引きます。(1銀行あたりではないありません。)
とはいえ、このまま放置していては、経営圧迫になりかねません。
お金の預かりを減らして、貸し出しを増やすことで、
マイナス金利に該当するお金を日本銀行から引き出す必要があります。
- 預金の金利を低くする(利息の支払いを抑える効果)
- 銀行ローンの金利を安くする(お金を貸し出すことでプラスの金利を自社で作りだす)
つまり、マイナス金利の期間が続けば続くほど、私たちは銀行からお金を借りやすい状況になるのです。
「あなたが借りているローン」を安い金利に乗り換えよう
マイナス金利の導入から1か月経過して、ようやくその影響がジワジワ出始めています。
まず初めに銀行は、お金の受け入れを拒否するかのように、銀行の預金金利を0.001%に下げました。
大々的に報道されていますし、ゆうちょ銀行も下げていますので多くの方がご存知でしょう。
通常であれば、3月は銀行にとって新規預金を集める時期ですが、新規預入のお客様を嫌うほどです。
逆に新規の借り入れを増やしたいというのが、銀行側の心理です。
これからローンが安くなる見込みが高くなっています。
4月以降、銀行はローンを借り換えたいお客様を優遇する傾向に
3月後半になると、マイナス金利政策の始まりから2回目の手数料が徴収されます。
このままいくと、2月と3月の合計で40億円のマイナスになると予想されます。
銀行側はますます不安になることでしょう。(2月20億円+3月も同水準なら20億円)
預入を減らそうと通常預金の金利を下げていますが、預けようという人は簡単に減りません。
むしろ、逆に銀行に預ける人は増えています。
4月は新入社員や引っ越しのため、新しい口座開設の申し込みが増えるからです。
あなたも新しく引っ越したら、その土地で支払う公共料金の支払い口座として地元の銀行で口座を開設すると思います。
結局4月は口座預金が自然に増える時期ですので、利息の支払いが多くなってしまうのです。
ローンの金利を下げて、審査を軽くする可能性が高いのです。
このように銀行が一般市場にお金を流すことが「日銀が望んでいる形」ともいえます。
その1.まずは住宅ローン。そして車のローンを見直し
まずは長期払いになる住宅ローンの見直しを行いましょう。
住宅ローンの契約がない方も、これから住宅やマンションを低金利で購入するのもいいかもしれません。
次に見直した方がいいのは車のローンです。
この二つは、生涯でも支払いが多いベスト2にあたります。
(3つ目は保険:マイナス金利の影響?春から保険料が値上げ いつ加入するべき?)
現在借り入れがある方は、今よりも安い金利の住宅ローンに乗り換えを検討しましょう。
また、複数の銀行から借りている方は、一銀行にまとめる方法もあります。
また、ローンの借入先を変えたくない方は、リスケと呼ばれる返済期間の見直しも検討しましょう。
「ローン金利の低下」と「賃金の上昇」ダブルで恩恵を受けることも可能です。
その2.ローンの「リスケジュール(リスケ)」も視野に
リスケジュールとは、返済期間や返済金額の変更です。
今借りているローンの返済期間を短くしたり、延長したり、あるいは毎月支払う金額の増加や減少もできます。
- 今借りているローンがもともと安い
- 他社と大差があまりない
- 乗り換えを相談したら担当者が「ローンの金利を安くする」と言い出した
このような方は、ローンをわざわざ他社に借り換える必要はないかもしれん。
銀行はローンが収入源ですので、あなたが「他社に乗り換える」と言い出せばある程度食い下がります。
場合によっては「今以上に金利を安くしてくれる」可能性もあります。
あなたが「借り入れを他社に変更するかもしれない」と言い出せば、何らかの動きを示すはずです。
その3.ローン金利が安くなったら「繰り越し返済」を行う
金利が安くなったり、(賃金上昇で)返済に余裕が出たら、繰り越し返済も考えましょう。
ローンの支払いが安くなっても「余裕が出てきた」といって、そのまま浪費に走ってはいけません。
毎月支払う金額は変えずに、支払う期間を減らすことが大切です。
金利を支払う期間が短縮され、支払う総額が今以上に減ります。
結果的に、将来の負担が軽くなるのです。
突然のリストラや倒産に備えたり、老後の貯蓄が増えることにつながります。
その4.キャッシングやカードローンも借り換えを検討
- クレジットカードのキャッシング
- 消費者金融のカードローン
これらの借り入れをしている方は、安い金利のローンに変えるべきです。
キャッシングもカードローンも、大抵は18%などの高い金利を支払っています。
これらローンの金利を減らせば、毎月の支払いが楽になります。
金利が半分にならなくても、1/4の4%も安くなれば年利は14%です。
100万円の借り入れなら年間4万円も節約できます。(返済額を考慮しない単純計算の場合)
まずは、銀行の安い金利のカードローンに申し込んでみましょう。
その5.銀行への借り換え、まとめローンはインターネットより窓口がお得?
クレジットカードや消費者金融で借り入れていると、銀行の審査に受からない可能性もあるようです。
「支払いも滞ったことがないのに審査に落ちた」ということも珍しくありません。
以前から、「銀行からの借り入れは審査が厳しい」ことは言われていますので、萎縮してしまう方も多いようです。
なぜなら、銀行の審査は一般金融よりも厳しいからです。
他社よりも金利が安い分、「確実に返してくれる見込みがある人」でなければいけないのです。
- 一定水準の収入がある
- 他社の借り入れが少ない
など、銀行独自の審査基準を満たす必要があります。
人が対応する窓口は意外と審査が甘い?
このような審査に受かるか不安な方は、インターネットで申し込むよりも、窓口を選んだ方がいいかもしれません。
そして窓口でこのように言うのです。
- 「今の借り入れをこちらの銀行に一本化します。」
- 「借り換えが終われば、今のローン会社は解約します。」
そうすれば多少審査状況が悪くても、銀行側から借り入れる金額によっては多少甘くしてくれるはずです。
このようなテクニックは、機械処理のような「ネット申し込み」では通用しません。
「金融機関の窓口は人を見て判断する」というメリットを生かしましょう。