マイナス金利政策は「個人の預金に影響はない。」という報道が多い。
しかし、生命保険や学資保険などの保険料に大きく影響するのはあまり知られていません。
2016年は「納める保険料」が高くなり、「将来もらえる”払い戻し率”」が低くなるかもしれないのです。
保険料の値上げはどのように決まるのか
保険会社は大規模な事故や災害が起こると、全体の保険料の値上げをします。
また、年間の支払い件数(損害賠償や生命保険の支払いなど)が増えてくると値上げすることもあります。
値上げの対象は、被災者や事故を起こした人だけではありません。
全体的に回収する金額を増やすことで会社側の負担を増やすことなく資金を補います。
保険の支払い金額が多くなるため、資金を増やさないとやっていけない(倒産する可能性がある)という部分があるためです。
今回の長期金利のマイナスは、これに似た状態になったため、値上げに踏み切る可能性があるのです。
長期金利が下がると保険会社は大ダメージ
マイナス金利が導入された後、国債が買われ続け金利が下がっています。
長期金利というのは、国が発行した借金(国債)の利息といってもいいかもしれません。
日本という国が倒産する可能性は「極めて低い」といえますので、他の投資先に比べて安定しています。
そのため銀行や保険会社が、資金運用のために国債の75%以上を買い占めています。
- 日本銀行(全体の20%)
- 民間銀行(36.5%)
- 保険会社(19.3%)
保険会社はお金を集め、利息を付けて支払う会社ですので投資会社になるのです。
保険会社は金融業 銀行と同じ影響を受ける
一般の方にはあまり知られていませんが、保険業と金融業は同じような業務形態です。
(保険会社の管轄も銀行と同じ金融庁)
人から資金を集め、株や国債で増やした(投資で運用した)お金で保険金の支払いを行っています。
保険の種類には、掛け捨てだけでなく、積み立て型(満期が来ると戻ってくる商品)があるのはそのためです。
集めたお金だけで、保険金を支払っていれば人件費や設備投資だけで消えてしまいます。
投資先の大半が、リスクの少ない国債といわれています。
今後、国債の金利(長期金利)が下がる可能性があれば、保険料の値上げをする可能性が高くなります。
保険会社はいつ値上げをするのか?
自動車保険や生命保険などの長期契約の場合、すでに契約が済んでいる方であれば、更新するときに値上げになることがあります。(学資保険も長期です)
また、定期的に値上げ値下げの見直しをする保険もあります。
(短期で更新をする火災保険や地震保険などが該当します)
短期契約の保険であれば、ほとんどの保険会社が一斉に値上げをしてくると思われます。
どこが安くなるともいえませんので、今のままでもいいかと思います。
問題なのは、長期間の契約になる保険です。
長期間支払うことになりますので、できる限り安い時期に加入した方が安くなることがあります。
もうそろそろ更新の時期になる方、または新しく加入を検討している方は、春から値上げされる可能性も含め、一度考えてもいいのではないのでしょうか?