ソフトバンクが「2年縛りなしプラン」を発表しました。
さらに、auもこのようなプランを出す予定です。(ドコモもいずれ発表するでしょう。)
しかし、このプランには『あまり意味がない』のはご存知でしょうか?
もしかすると、あなたにとっては「不利な契約」になるかもしれません。
なぜなら、毎月+300円を24回払いしなければいけないからです。
無駄な支払いになる可能性も
この特約には下記4つの条件があります。
- 今の月額に「+300円」の支払いを上乗せする
- 2年を過ぎても「+300円」は支払いが必要
- 2年(24か月)以内の解約は違約金(9500円)が必要
- 現在の契約から変更すると、2年縛りの期間が延長される
特に、下記2点には注意が必要です。
- 32カ月以上契約してしまうと、違約金を支払うよりも高くなる
- 契約の変更後、24カ月間解約できなくなる(解約違約金が発生する)
これらを総合的に考えると、あまり意味がないプランといえます。
「解約金なし」は27か月目~31か月目だけお得
今回発表があったプランで、「解約金を支払う必要がなくなる」のは25か月目を過ぎた後です。
ソフトバンクとauは両社とも解約違約金が9500円です。(税別)
この(違約金)金額と新プランの支払い金額を照らし合わせると、確かに、この時点(24か月間+7か月以内)で解約すると違約金よりも安くなります。
25か月目~31か月目までに解約する人は、最大2000円~最小200円ほどお得。
しかし、32か月目以降(2年8か月間)の解約はお得ではないのです。
解約違約金が不要になる時期 | +300円の総支払金額 | |
25か月目(2年1か月) | 7,500円 | 全プラン解約金0円 (無駄な支払い) |
26か月目(2年2か月) | 7,800円 | 全プラン解約金0円 (無駄な支払い) |
27か月目(2年3か月) | 8,100円 | お得 |
28か月目(2年4か月) | 8,400円 | お得 |
29か月目(2年5か月) | 8,700円 | お得 |
30か月目(2年6か月) | 9,000円 | お得 |
31か月目(2年7か月) | 9,300円 | お得 |
32か月目(2年8か月) | 9,600円 | 解約違約金より100円高い |
33か月目(2年9か月) | 9,900円 | 解約違約金より400円高い |
34か月目(2年10か月) | 10,200円 | 解約違約金より700円高い |
25か月目と26か月目は、全プラン無条件で解約金0円
現在、すべての2年契約プランは24か月間の支払いが終わると、2か月間の解約期間があります。
この期間に解約すれば、解約違約金は発生しません(0円)
しかし、新プランに入っている人からすると、「無駄な支払い」が増えていることになります。
もしあなたが、27か月目(2年3か月)~31か月以内(2年7か月)に解約したいのであればいいかもしれません。
しかし、いつ解約すればいいのか迷っている人には意味がないプランといえます。
もしかすると、”無駄な支払いになる”のかもしれないのです。
新プランに変更すると「2年契約の期間リセット」
現在、ソフトバンクやauで契約している人は注意が必要です。
違約金不要の新プランに変更すると「2年縛りの期間がリセット(24カ月間再セット)」されるからです。
つまり、新しく契約するのと同じことになります。
解約したい人にとっては、「さらに2年間解約できなくなる」という点ではある意味「不要なプラン」ともいえます。
もちろん「新規契約する人」にはいいかもしれません。
しかし「本当に31か月以内(2年7か月)以内に解約するのか?」という疑問は残ります。
なぜ「3年目以降の解約金がないプラン」を出すのか?
『スマホの2年縛りが競争力を低下させている。』
以前からこのようなことが言われていました。
携帯やスマートフォンの契約には、2年縛りといわれる規制があります。
2年縛りとは、端末料金を安くする代わりに2年間の契約解除に9000円程度の違約金を課すという特例です。
違約金が高いため、「2年以内の解約ができない」という声が相次いでいます。
これについて日本の総務省(内閣府)は、以前から「2年縛りをどうにかしろ!」と言っていましたが、携帯3社は聞き流していました。
関連記事:総務省スマホ会社へ 「2年縛り見直し」3度目の要請も対応しない理由
しかし国(政府)の発言をいつまでも無視できないため、2年縛りがない新プランを導入すると発表したのです。
いわば、苦肉の策ともいえます。
新プランを変更する前に「本当に必要なのか」を確認しましょう
新プランに変更すると、24カ月間解約ができなくなります。
違約金9500円を別に支払う必要があるためです。
無駄な支払いが多くなりますので、結局は「損をする可能性が高い」ということです。
それよりも、25か月目・26か月目の解約期間に手続きをすることを忘れなければいいだけの話です。
※携帯3社の解約期間は2016年から2か月間の延長になっています。
もちろん、「解約を忘れるような不安な方」は保険として毎月300円を支払ってもいいかもしれません。
その時は、「解約できない期間が延びる」「32か月目(2年8か月)以降は無駄になる」という2点を忘れないようにしてください。