夏に気を付けたいのが、脱水症状と熱中症です。
熱中症という言葉は最近のニュースでよく聞くかもしれません。
しかし、脱水症状と熱中症は対処や治療法が違う部分があるのです。
脱水症状と熱中症って何が違うの?
脱水症状と熱中症の違いは、体内の水分が足りないという点ではほぼ同じです。
- 脱水症状とは、季節を通して起こる可能性がある水分不足。
※低温でも発症します。 - 熱中症とは、夏などで気温や室温が高温・多湿の状況で起こりやすい水分不足のこと。
※総称として熱中症といわれることが多い。
ただし、それぞれの対処法・予防法は全く違います。
予防法や治療の違いは?
熱中症と脱水症状の違いは、気温などの環境にあることがわかりました。
では、対処法や治療法に違いはあるのでしょうか?
熱中症の対策は、体温の低下(涼しいところで休憩)が重要
熱中症とは、気温が高い状態で起こりうる症状です。
気温が高いため、汗をかいて体内の水分量が減ってしまうのは脱水症状と同じですが、
そのまま放置すると汗をかけなくなり、高熱が出て体温が上昇し続けてしまうのが特徴です。
涼しいところで横になるなど、水分補給以外にも気温・室温などの環境改善を考える必要があります。
「適度な水分・ミネラル補給」と「涼しいところでの休憩」を行いましょう。
特に、炎天下での仕事・アルバイトをされている方は、木陰に入るなど体温調整に気を付けなくてはいけません。
冬場の脱水症状なら、温かい飲み物で水分補給が必要
逆に、冬場の脱水症状であれば、温かい飲み物がいいでしょう。
寒い時期に脱水症状になるのか疑問にお思いかもしれませんが、比較的なりやすいのが現状です。
例えば、下記のような習慣をしている方に脱水症状が多いようです。
- おしっこを我慢するのが嫌で水分補給をしなかった
- 暖房の効きすぎで、汗が出たり、室内の湿度が低くなる
- お風呂に長時間入りすぎ(のぼせ)など
特に最近では、暖房の効きすぎにより、外の気温と室温の差が激しく体内調整がうまく働かない事もあります。
様々な要因がありますので、他人事ではありません。
その他にも、糖尿病などの疾患・持病も原因になりやすいです。
サウナなどが好きな方も入りすぎには要注意です。
「仕事場で水分補給をしにくい」は間違い?
周りを気にして水分を取らずに我慢している方も多いようです。
派遣社員だから、アルバイトだから、ブラックだから・・・など、理由はそれぞれです。
しかし、これは間違った考え方ではないでしょうか。
倒れて救急車で運ばれると、さらに多くの人に迷惑をかけることになります。
大きなイベント会場で係員が倒れると救急車両が来て騒然としますし、場合によっては全国ニュースで流れます。
こうなると、会社そのものの問題になってしまいます。
そう考えると、こまめに水分補給を行った方がいいのかもしれません。
脱水症状・熱中症にはどれくらいの水が必要?
脱水症状に気を付けると、その名のとおり体内の水分が抜けてしまい、水分量が低くなってしまっている状態のことを指します。
※人体に必要な水分比率は、下記の通りです。
- 成人であれば60%
- お子さんで70%
- お年を召した方で50%
これ以下になると体調が徐々に悪くなっていきます。
体の水分が足りないとどうなるの?
体の中を流れる体液(血液・リンパ液・消化液など)の水分量が、減ってしまうということです。
- 血液の水分量が減ると?
→動脈硬化が起こりやすくなり脳卒中や心筋梗塞になりやすくなります。 - リンパ液の水分量が減ると?
→体内の老廃物がたまったり、免疫力の低下を引き起こします。 - 消化液などが減ると?
→食欲がなくなったり、消化不良になり栄養が吸収できない状態になります。(栄養失調)
夏痩せは「脱水症状」が引き起こしている?隠れ熱中症に注意
夏になったら体重が減ったという経験はありませんか?
逆に太ったという話はあまり聞きませんよね。
実は、夏に痩せるという現象は、体内の水分量が関係します。
暑くて汗をかきますので、自然と体内の水分が減ってしまいます。
その影響で、食欲がなくなる方も多いのです。
この状態が隠れ熱中症です。
夏の食生活が隠れ熱中症を引き起こす
隠れ熱中症の原因は、主に夏の食生活も関係します。
そうめんなどの比較的食べやすい食事で済ませたり、冷たいものばかり食べたり飲んだりしていませんか?
このような食事は、栄養のバランスが崩れてしまう原因です。
アイスや飲み物で満腹になってしまい、タンパク質(お米やお肉)などを取らないことが多くなっていると栄養が足りなくなります。
これが長期間続くと栄養失調状態に陥ってしまいます。
夏バテは秋に起こりやすいのはこのためです。
長い夏を乗り越えたと思った矢先、涼しくなった途端気が抜けて体調を崩してしまうのです。
特に小さなお子さんのいらっしゃるご家庭では、栄養が足りない「隠れ夏痩せ」には注意をしてください。
夏だからといっても、しっかりと栄養のあるものを食べる習慣を忘れない事が大切です。
地震災害の被災地では、熱中症による脱水患者が増加傾向にある?
先日の熊本地震では、多くの被害が出ており復興にはまだまだ時間がかかります。
今もなお、避難所生活の方も多いため、熱中症になりやすい環境にあります。
そのため、急務の対策が取られ始めています。
たとえば、避難所の移転です。
体育館や公民館など比較的広く冷房設備が整っていない施設で寝泊まりしている方。
このような方を対象に、冷房設備の整った施設に移動してもらう案内を行っています。
冷房の効いた仮設住宅の完成は8月?・・・遅すぎる被災地の熱中症対策
しかし、仮設住宅の建設には時間がかかるようです。
そのため、熱中症で搬送される方は例年よりも多いと予想されています。
7月以降の車中泊は禁止に
もし、あなたの周りで今もなお車中泊で夜を過ごしている方がいらっしゃるでしょうか。
そのような方は、まずは熱中症対策を考えるべきかもしれません。
7月を過ぎると車内温度は、朝でも30℃を越すことがありとても危険です。
(太陽にあたらない日陰に駐車していても、気温が高いと車内温度はぐんぐん上がっていきます。)
車中泊をしていると、寝ている間に脱水症状になってしまう可能性があります。
我慢して寝ていると、エコノミークラス症候群や脳卒中になる傾向にあるため、車中泊は禁止した方がいいかもしれません。