「地図の記号、名称表記をすべて英語基準ルールに統一する。」
2020年のオリンピックに向け、「外国人に分かりやすい地図」を作るための政策が始まりました。
例えば、富士山は「Mt.Fuji」で統一するし、利根川は「Tonegawa River」という感じで変わります。
これを見て、あなたは”何か違和感”を感じていませんか?
「Mt.Fuji」と「Tonegawa River」の違いに、違和感を持つ人は少なくないはずです。
富士山なのに、「Mt.Fujisanではない」という部分です。
これは、英語圏で一般化した語句は一般名称に統一するという一見ややこしい方法になっているためです。
これは間違えではありませんので注意したいところです。
複雑なルールに統一が難しいとの声
国土地理院が出している声明「地図に記載する地名及び施設名の英語表記方法について」には、多くのルールが細かく設定されています。
- 「Mt. ○○」山や山脈
- 「○○ River」川や河川
- 「Lake ○○」湖
- 「Cape ○○」岬
- 「○○ Pass」峠
- 「○○ Beach」海岸や浜
特に岬や峠は聞きなれない英語のため、分かりにくい人も多いかもしれません。
追加方式と置換方式の2種類が判別しにくい
地図の英語表記には追加方式と置換方式の2種類あります。
追加方式とは
日本語読み(ローマ字表記)にMt.○○などの英語を付け加える方法です。
例:筑波山(Mt. Tsukubasan)、サロマ湖(Lake Saromako)
国土地理院の考え方で、追加方式にする定義は7つあります。
置換方式とは
日本語の読みで山(yama)川(kawa)になっている部分を英語の山(Mt.)や川(River)に変える方法です。
例:筑波山(Mt. Tsukuba)、利根川(Tone River)、サロマ湖(Lake Saroma)
こちらは追加方式に当てはまらない時に適用するとの事ですが、例外もあります。
たとえば、英語で有名な呼び名のMt. Fujiなどは追加方式です。
(富士山以外にもMt. Aso(阿蘇山)が例として挙げられています。)
ホテルや学校など、「施設名称が英語文法」に
さらに施設の名称は、英語の文法で表示されることになります。
例えば東京大学 は「University of Tokyo」であり、帝国ホテル「Imperial Hotel」で統一されます。(Imperialとは直訳で”帝国の”という意味)
※Tokyo UniversityやTeikoku Hotelではないとのことです。
2020年に良く聞かれそうな成田国際空港は「Narita International Airport」です。
英語が理解できる人は分かるかもしれませんが、普通のおっちゃんやおばあちゃんが聞かれて分かるかは疑問です。
これから2020年までに刷られる地図は、この新規格に統一されるようなので注意したいところです。
もしかしたら、英語だらけの地図を見せられて道を聞かれることもありますので、地図に使われそうな英単語は早めに復習しておきましょう。