全国で保健所による「食中毒予防の抜き打ちテスト」が始まりました。
今年の6月に「豚肉の生レバーの全面禁止」が法令で施工されたため、
焼肉店などを中心に抜き打ちテストを強化しています。
関連記事:【豚肉・レバー、牛の肝臓】飲食店での提供、生食禁止義務6月12日から
その結果、「生レバーを提供していた飲食店の営業者逮捕など」、
全国で相次いでいます。
ここでは、すでに保健所へ報告の多かった
2015年上半期の食中毒とその対策についてまとめました。
特に夏場のレジャー、お祭りなどによる
「外出先でのo157集団感染」が後を経ちません。
このような屋外での調理の予定がある方は、
食中毒対策を徹底的に身に着けましょう。
【2015年上半期 食中毒報告書】ノロウイルス・カンピロバクター・アニサキス・o157・ヒスタミン
2015年7月までに、保健所に報告されている食中毒は、
日本全国で447件あります。
- ノロウイルス(284件)
- カンピロバクター(86件)
- アニサキス(37件)
参照:食中毒事件一覧速報 |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
このうち、ノロウイルスは多いですが、冬の季節が主流のため、
毎年夏に多くなる「カンピロバクター」「アニサキス」そして「o157」に注意が必要です。
【カンピロバクター】動物の生レバー、野生動物、鶏肉などに多い
カンピロバクターは、動物の腸炎原因菌として多く存在します。
「野生の猪を食べた人が感染した」ことで、その因果関係が分かりました。
過去の研究結果では、野生動物のほとんどが、
カンピロバクターの抗体を持っているという報告があります。
「抗体を持っている=過去に感染した経験がある(もしくは感染中)」ですので、
その肉を生で食べることは大変危険です。
野生動物だけでなく、家畜にも多いのが特徴です。
特に生食、半生状態での感染率が非常に多いので生食は控えましょう。
参照:カンピロバクター食中毒予防について|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/qa/syokuhin/campylo/
【アニサキス】魚などの生鮮魚介類に多い寄生虫、目で見て確認もできる
画像:アニサキスによる食中毒を予防しましょう |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
アニサキスは、2~3cmほどの小さな寄生虫です。
主にさば、アジ、イカ、いわし、サンマなど、
身近な魚にも多く寄生しています。
アニサキスの症状
アニサキスは成虫になると、
胃や腸の壁を突き破り、体内に侵入するため激しい腹痛が起こります。
時には、数年後腫瘍になることもありますのでご注意ください。
アニサキス食中毒の対策
主な感染経路は、魚の生食(特に内臓)で起こりますが、
アニサキスは熱に弱い為、加熱調理をすることで回避できます。
- 60℃以上では、数秒
- 70℃以上では、即時で死滅
ただし、塩・わさび・酢などでは死滅しませんので、
加熱処理は必須といえるでしょう。
また、アニサキスの幼虫に感染していると、
目で見てわかりますので、その部分は除去しましょう。
【腸管出血性大腸菌o157】気温が高い夏から秋にかけて多い
o157は、「100個体という少ない数」でも、
食中毒になる可能性がきわめて高い大腸菌です。
※通常の大腸菌で食中毒になるには、100万個体以上必要です
腸管出血性大腸菌o157の症状
感染すると、軽い腹痛や下痢、水様便といった症状がおこります。
症状が重いと、出血性大腸炎になり、血便が見られます。
このような症状が出た場合、早急に病院施設で受診しましょう。
【o157の予防対策】75℃で1分間以上の加熱すると死滅
o157の予防は、他の大腸菌対策と変わりません。
- 75℃以上の熱で1分以上加熱処理をする
- 食材の保存は冷蔵・冷凍をしっかりと行う
- 食器や調理器具の除菌・抗菌を行う
- 調理前、食べる前の手洗いなどを徹底
これらを徹底することで、増殖・感染を予防できます。