2017年の消費税率10%への道のりは着実に進んでいます。
その中でも注目するべきことは、「軽減税率」という言葉です。
軽減税率とは、最低限の生活に必要なもの(主に食料品)の税金を軽くする”限定的な措置”です。
なぜこのような措置を導入することになったのかは、生活に苦しい低所得者に対する配慮といえます。
(効果が少ないという議論は置いといて)
食料品(持ち帰り)と配達新聞は軽減税率「消費税を8%に据え置き」
2017年の消費税10%への値上げには、食料品(飲料も含む)や定期購入の新聞は含まれません。
私たち消費者は「何も知らなくても」「何もしなくても」スーパーやコンビニで食料品を買ったら消費税8%のままです。
この点については、別に気にしなくてもいいでしょう。
※コンビニで食べ物や飲み物を買っても8%ですが、日用品や本・チケットなどは消費税10%ですのでご注意ください。
”外食(イートイン)”は消費税10%、でも持ち帰ると8%の消費税で済む
しかし、同じ食べ物でも「外食(レストランなど)」は軽減率の対象外です。(消費税10%)
ですが、同じ外食でも「お持ち帰り(テイクアウト)」にすると、消費税8%で済みます。(軽減措置の対象)
いわゆる「店内でお召し上がり」と「お持ち帰り」は”別計算”となるのです。
※オープンテラスなどの店外(野外)で食べる場合も含む
外で食べるより家で食べたほうが「家計にやさしい」
消費税8%と10%は大きな金額になると差は広がっていきます。
- 外食だけの人は、消費税10%を含めると11万円支払うことになります。
- テイクアウトにした人は、消費税8%になり10万8千円の支払いで済みます。(月間2千円の差)
つまり、1年間を通して2万4千円も節約できることになります。
(調理済の食品であっても)
少々ややこしいことになっていますので、ケース別に解説をしていきます。
日本政府が考える「外食」は消費税10%
外食とするものは、大まかに分けると2種類存在することになります。
- サービス提供側(店舗)が提供した場所で食べないといけない食品
- 持ち帰りができない状態で提供される食事(食品)
サービス提供側(店舗)が提供した場所で食べないといけない食品とは?
椅子とテーブルがある場所を提供して、食べてもらうサービスを指します。
- レストラン(学食・社員食堂も含むが小中学校の給食は別)
- フードコート
- 屋台(用意されたテーブルや椅子で食べれば10%、他の場所で食べるなら8%)
- 出張調理(出張シェフや料理代行・介護調理など)
- ルームサービス(ホテルや旅館、カラオケ店なども含む)
- マックやドトールなどの軽食も(店内で食べると10%対象、テイクアウトは8%)
ただし、これら施設で購入しても、持ち帰り品は消費税8%です。
※たとえ店内で食べたとしても
持ち帰り品にする為には、「外に持ち出せる容器に移し包装して、手提げのビニール袋などに入れた状態」にしなくてはいけません。
ケース別軽減率 これで消費税は8%
「店内でお召し上がりですか?」と聞かれた。
「ハイ」と答えると消費税が10%、「いいえ」と答えると8%に
マックやモスなどのバーガーショップ。
あるいは、ドトールやスターバックスでカウンターに行くとよく聞かれる台詞かもしれません。
※聞かれない場合は、「テイクアウトで」と伝えると袋に詰めてくれます。
軽減率が始まれば、この言葉の意味は「消費税10%で計算してもよろしいですか?」ということになりますね。
ここで安くしたいのであれば、「いいえ」と答えて消費税8%で計算を終えることです。
もちろん会計後、店内で外装を開けて食べても2%を追加で支払う必要はありません。
ただし、このような行為は、店側にとってはいい印象がないといえます。
店内で食べるのとは違い、袋や包装にお金がかかるためです。
また、店内のゴミが増えることにもつながります。
テイクアウト品を店内で食べる行為を、禁止する店舗も出てくるかもしれません。
牛丼を食べたくなった。
吉野家やすき家でお持ち帰り品として消費税8%で注文するには?
吉野家やすき家などの牛丼店でも、お持ち帰り(テイクアウト品の購入)ができます。
お弁当チェーン店(ほっともっとほっかほっか亭など)と同じようなプラスチック容器に詰めて渡されます。
※サイドメニューなど、対応していない商品があります。
(夏場など、食品衛生上テイクアウトができない時期もありますのでご注意ください。)
牛丼チェーン店のテイクアウトは「レジで注文」
吉野家の場合、お持ち帰り用カウンターがある店舗もありますが、店員さんに注文するスタイルでいいようです。
(券売機がある場合は、券売機に注目。なければ店員さんに聞いてみましょう。)
また、すき家はレジ対応が基本ですので、レジに立ちましょう。
注文後は、席に座って待つもよし、立って待つもよし(座ったらお茶を出してくれる店舗もあるようです)
これだけで、消費税は8%になります。
電話・webで事前予約も可能
近頃は電話やスマホなどでも予約ができるようになっています。
レジで頼むと、待っておく必要がありますが、電話予約なら待ち時間は少なく済みます。(対応できる時間には注意)
- 吉野家10:00~21:00
詳細:お弁当のお持ち帰り 事前予約受付中!|吉野家
https://www.yoshinoya.com/info/bentou.html - すき家 お弁当ダイヤル9:00~20:00
https://www.sukiya.jp
立ったまま、座ったままだと、食べている人から注目される可能性もありますので、このようなサービスを利用してもいいかもしれません。
牛丼屋の対面カウンターで食べれない(ウブな?)女子にはいいサービスかも?
ちなみに、吉野家は宅配もやっているようですが、「冷凍牛丼」ですのでご注意ください。(ヤマト運輸が配送)
お持ち帰り牛丼は店内で食べれない?
店内で食べると店員さんに注意される可能性が大です。
また、そうでなくても他のお客さんから不思議な目で見られるかもしれません。
お持ち帰り品は店外に出でてお召し上がりください。
特に混んでいる時間帯はおやめいただいた方がいいかもしれません。
回転すし お持ち帰りで8%が可能
しかも厨房での”別注”なので回転している寿司より新鮮
回転すしもテイクアウトが可能です。
テイクアウトというよりも、実際には盛り合わせを作ることになっています。
店頭のレーンで回っている寿司とは別に厨房内で作るため、店内で食べるよりも新鮮というメリットがあります。
ただし、醍醐味である回転レーンがないため、普通のスーパーでかう寿司と変わらないかもしれません。
(ネタのバリエーションは豊富?)
生ものですので早め(1時間以内)に食べる必要があります。
レーンで回転している寿司は持ち帰れない?
タッパーを持参して持ち帰るお客さんもいるようです。
もちろん支払いはするので、タダで持ち帰るということではありません。
しかし、衛生上の観点から、「回転しているお寿司は持ち帰れない」という店舗ルールになっているようです。
一般的には、店頭で回転している寿司は劣化しやすい(空調などで)ためというでしょう。
しかしその実、食品衛生法で定められているからといえます。
食中毒を起こした場合店舗側にも責任が追及される可能性があるためです。
そのため、持ち帰るなら「新鮮な寿司を提供する」ようにしているといえます。
「回転していない」お寿司屋さんも持ち帰りは軽減率措置8%
最近は少なくなりましたが、回転しないお寿司屋さんのテイクアウトや出前も消費税8%の対象です。
注文すると包んでくれるお店もありますが、対応できないお店もあるかもしれません。
※個人の店舗の場合、人が少なかったり、入れ物を用意していないため出前や持ち帰りができない店舗もありそうです。
テイクアウトができるかどうかは、事前に電話で確認することをおすすめします。
屋台はテーブルや椅子が「ある」「なし」で消費税が変わる?
屋台の場合、椅子やテーブルを設置して食べることを前提にしなければ、消費税は8%に該当します。
お祭りの屋台で食べ物を提供している場合も、大半が消費税8%といえます。
(わたがし、リンゴ飴、たこ焼き、焼きもろこし、焼きそばなど)
お祭りの屋台以外にも、焼きいもなどの移動販売も同様です。
椅子やテーブルがなくても消費税が10%に?
しかし、その他の屋台(立ち食いソバ、夜鳴きそば、おでん、焼き鳥など)はその場で食べることを前提にしているなら消費税10%で計算されます。
サービス提供者が机や椅子の設置をしなくても、容器(盛り付ける器)がその場で食べることを前提としていれば消費税が10%になるといえます。
(例えば、ラーメンやそばが盛られている器が陶器なら持ち帰りはほぼ不可能なため10%となるが、持ち帰り用の蓋つきプラスチック容器なら8%もあり得るということです。)
もちろんテイクアウトとして、その場で食べる必要がなければ8%で構わないといえます。
近頃流行ってる?
店内飲食が可能なコンビニは消費税どうなる?
店内飲食ができるコンビニも都会に増えはじめています。
食べるところがなくても、気軽に食べることができますので便利という声もあるようです。
この場合、消費税はどうなるのでしょうか?
店外に持ち出す弁当なら8%の消費税に
店内で食べようとしてお弁当を買ったとしても、それがどこにでも持ち出せるような容器であれば消費税の支払いは8%で済みます。
しかし、店内飲食専用のメニューであれば、消費税は10%になります。
九州にお住まいの方はご存知かもしれませんが、
「ヒライの弁当」という惣菜も販売しているコンビニチェーン店があります。
このチェーン店では、お弁当や総菜も売ってありますが、店内でも食べることができます。
(もちろん店外に持ち出しも可能)
この場合、お弁当や総菜、あるいは飲料は持ち出せるのですから消費税は8%で済みます。
店内飲食用のメニューは消費税10%の対象
しかし、店内飲食用のメニュー(丼物や麺類など)は、消費税が10%の対象ですので、別勘定となります。
(ヒライの弁当では、食券なので問題はなさそうですが)
こちら混同しやすいので注意をしましょう。
レジャー施設やパーキングエリアの飲食店も同様に混同しやすい
大きなレジャー施設(屋内プールや映画館・ボーリング場など)には、飲食コーナーがあるかと思います。
ディズニーランドにもありますね。
食べ物を買って食べる場合、消費税8%になるのはポップコーンなどのどこでも飲み食いができるものに限られます。
もちろん映画館のポップコーンは椅子がありますが、どこでも食べられるため8%です。
逆に、その場で食べるスタイル(レストラン・カフェテラス・食堂など)であれば、消費税は10%です。
ちなみに、食べ物のお土産は消費税8%ですが、アクセサリーや置物などは10%です。
学校給食は軽減率なのに「学食・社員食堂は対象外」はなぜ?
小中学校の給食(あるいは介護施設の食事)は軽減率の対象となり、消費税が8%として認められました。
その一方で、高校生や大学生が利用する「学食」や会社が設置した社員食堂の消費税は10%です。
(高校の学食は私立ならあるところも)
この違いは何があるのでしょうか?
給食と学食大きな違いは、「選択できる」か「できないか」の違い
小中学校の給食は、ほぼ強制的に全員が同じように食べることになっています。
※ただし、義務ではありません(努力義務)
つまり、自分だけお弁当を持参したり、食べに出かける行為は、何らかの事情がなければ”ほぼ選べない”のです。
給食はこうした背景を含めて、軽減税率の対象にしたのです。
また、同様に介護施設や病院の食事も消費税が8%になると予測できます。
(ただし、特別注文は別になることもある。出前なら消費税が8%だが、病院内で特別に作るなら10%?)