TPP交渉には、輸入や輸出にかかる税金「関税」という言葉が多く出ます。
まずは、何度も出る専門用語ですので、ここでおさらいをしましょう。
関税とは?
海外から安い物が入ってきても、関税をプラスする事で国内の価格相場と同じか、値段が少し高くなるように調整する為の税金です。
主に、「国内産業を守るための税金」といってもいいでしょう。
- 日本に輸入する時は、日本政府が関税をかけます。
- 日本から輸出する時は、相手国の政府が関税をかけます。
免税店とは、旅行者の買い物に税金をかけずに売る事ができるお店です。
(関税のほかにも、現地の消費税も免除できる)
海外でブランド品を免税店で、安く買う事が出来るのは、関税がかからないからです。
もし、関税が撤廃されれば、免税店で売っている値段で個人輸入することも可能です。
関税がなくなるとどうなるの?(撤廃)
値段が安い海外製品が、大量に国内に出回ってしまいます。
その結果、国内産業は低価格競争に巻き込まれてしまい、廃業するリスクが高まります。
「日本の産業」がなくなるという可能性もあります。
実は、消費者には嬉しい?関税撤廃
関税がなくなると、輸入品が安くなります。
例えば、牛肉の関税は、最終的(16年目)には1/4以下になります。
豚肉は10年目には1/9~完全撤廃になりますので、ステーキや豚丼などが安く食べられるようになります。
輸入業者は、関税が安くなった分仕入れ値も安くなりますので、卸値が低くなり結果的に、食べ物が安くなります。
今値上がりしている吉野家やすき屋などの牛丼は、値段が徐々に下がるかもしれません。
また、立ち食いステーキもこれから安くなると思われます。
牛肉・豚肉を日本に輸入する時の関税
海外産の牛肉や豚肉はこれから安くなります。
なぜなら、TPPで関税が安くなるからです。
結果的に、私たち消費者は安いお肉を食べることができます。
牛肉の関税縮小までの流れ
現在38.5%→TPP開始27.5%→10年目20%→16年目の関税は9%
ただし輸入が急増した場合は、「緊急輸入制限(セーフガード)」で一時的に関税を引き上げる事が出来る。
豚肉の関税撤廃までの流れ
豚肉の輸入品は、部位によって関税が違います。
日本の養豚業者が不利にならないように、値段が高い部分は関税が低く、安い部分は高い税金がかかります。
- 高い価格の部位:現状の関税4.3%→10年後には関税0円(完全撤廃)
- 安い価格の部位:現状489円/1kg→10年目の関税50円/kg