電話販売

新しい緩和制度ができるたびに、消費者相談センターにクレームが寄せられている。
2016年4月に閣議決定した「特定商取引法の改正」は効果があるのだろうか?

特定商取引法とは、私たち「消費者」を不当なセールス(勧誘)から守るための法律です。
訪問販売や電話販売のトラブルが多くなっている現代では、知っておくべき内容といえます。

ここでは、改正される部分について触れていきます。

なお、「特定商取引法に該当する販売方法」は以下の6つです。

  1. 訪問販売
  2. 通信販売
  3. 電話勧誘販売
  4. 連鎖販売取引
  5. 特定継続的役務提供
  6. 業務提供誘引販売取引
特定商取引法 2016年の改正ポイント
1 悪質事業者への対応を強化 刑事罰の強化
新しい法人の設立を禁止
2 所在不明の違反事業者への行政処分が可能になる
(住所や電話番号などの連絡先がない業者)
行政が情報を掲示するだけで処分できるようになる
※書面を送る必要がなくなるため、所在が分からない業者も処分できるようになる
3 消費者利益の保護 行政処分があった事実の通知を消費者に行うことを指示できるようになる

また、返金の対応を促すことができるようにもなる

4 過量販売への対応 「常識的に考えて分量が多すぎる商品」「日常生活で不要な商品」の販売を規制する

また、契約解除もできるようになる

5 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売 規制対象の拡大
6 通信販売におけるファクシミリ(電子メール)広告 規制を開始
7 消費者契約法の改正 契約取消権の期間延長(現状6か月→1年間に変更)
契約条項の無効
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同じ悪質事業者が二度と立ち上がらないように

昨今では「社名を変えて悪質な商売を繰り返す」そんな手口が多いようです。

「新しい会社だけど、以前に悪質な業務で摘発された業者(社長)だった」なんてことも珍しくないということです。

今回行われた「特定商取引法の改正」では、
同じ人が何度も繰り返し同じような会社を立ち上げないように2点追加していました。

  1. 罰金刑を3億円以下の罰金に強化(以前は300万円)
  2. 業務停止を食らった「業務内容」を別の会社名で設立することを禁止

連絡がつかない業者の行政処分ができるようになる

改正前の特定商取引法では、「連絡がつかない業者」に対して行政処分をすることが難しいとされていました。
※「連絡がつかない業者」とは、行政が住所や電話番号などの連絡先が明記されていない業者、行方が分からなくなった業者

なぜなら、「行政処分の内容を書面で受け取ること」が条件であるためです。

今後は、そのような”住所がわからない業者”に対しても、行政がその内容を掲示するだけで処分できるようになります。
(業務停止および、罰金刑など)

今後は逃げて行方をくらませたり、あるいはもともと住所を明記していない業者に対しても、行政が動けるようになるのです。

ようやく行政が「消費者への返金を強く指導できる」立場に

今までは消費者相談センター(国民生活センター)に相談しても、動くことができませんでした。
せいぜい、データベースに蓄積されたクレームの量が一定以上になると、その会社に連絡をするくらいでした。

「これで改善できるか?」といえば、難しいといえます。

しかし今後は、「行政が返金させるように指示」したり「行政処分があったことを一般に公開する」ようになりました。

  • 返金の指示→返金に応じなければ、さらなる行政処分(法人なら100万円以下の罰金)が可能
  • 行政処分の一般公開→契約している会員に通知

 

「大量注文」「生活に不要な物の契約」を解除できる

あなたは、このようなセールスを受けた経験がありませんか?

こちらの○○サプリは1パック1か月分で1万円とちょっとお高いですが、3年分36パック買うと今だけ36万円が30%オフの25万2千円。
「5万円もお得ですよ。買いませんか?今なら120回の分割払い(10年払い)もできますよ」

※この台詞は、筆者が考えたノンフィクションです。

このような(私のような文章が下手な人が考えた)セールス文を、
正常な判断ができている状態で読むと、”かなり怪しい”、”いかがわしい”と思えるかもしれません。

しかし、このような内容のセールスを巧みな話術で契約させるトップセールスが存在するのです。

ある心理テクニックを使えば、どんな人も買ってしまう?

例えば、「デート商法」「なりすまし(オレオレ)商法」そして「単純接触効果(ザイアンスの法則)を使った訪問販売」がいい例でしょう。

これらの巧みなテクニックは、マニュアルが作られ、悪徳業者が売り上げを上げているのです。
彼らにとって、どのような手段で売れば、売れる確率が上がるのかは研究済みといえます。

このような悪質な業者に対しても、契約を解除したり、返品できるようになります。

 

ファックス・電子メール広告の規制を開始

ファックスによる広告はあまり見られませんが、あなたのメールアドレスに対して広告を配信する会社はおおいのではないでしょうか?
いわゆる迷惑メールと呼ばれる「不審なメール」です。

無料のYahooメールを持っていると、どこで調べたのかわからないけれど、「知らない宛先からメールが届く。」ことがあります。

もしくは、登録しているネットサービスからも広告メールが送られてくることもあります。

大抵のネットサービスは、広告メールが送られることを前提に、無料でサービスを提供しています。
利用登録の際に表示される”規約”に書かれている人は多いので、読まずに同意してしまっている人も多いのではないでしょうか?

これらに対して、2008年12月1日に特定商取引法を一度改正しました。

参照:迷惑メールの概要|特定商取引法ガイド 消費者庁HP
http://www.no-trouble.go.jp/search/spam/P0205002.html

しかし、守っていない業者も多く、年々増加しているともいえます。
今後はさらなる罰則強化も予定しているようです。(詳細は国会で煮詰める予定)

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消費者契約法の改正も見逃せない

消費者契約法とは、「あなた」と「商品やサービスを提供する会社」の契約です。

契約書を交わさなくても、購入や利用をすると、消費者契約法の対象になります。
消費者契約法の目的としては、消費者を守ることにあります。

(消費者契約の定義)
「消費者契約」の定義は、「消費者と事業者の間で締結される全ての契約」とする。

引用:消費者契約の範囲 消費者庁
http://www.caa.go.jp/seikatsu/shingikai2/kako/spc16/houkoku_b/spc16-houkoku_b-2.html

今回の改正では下記4つの違反があれば、契約を解除(取り消し)できるようになります。

  1. 不実告知:重要事項について、事実と異なる説明をすること
  2. 断定的判断の提供:「絶対に○○です」といって勧誘すること(例:「この株は絶対に上がります」「など)
  3. 不利益事実の不告知:購入したり利用することで、「利用者が不利になること」が説明されていなかった
    (例:「この化粧品はアレルギー反応が出ます」などの注意事項を聞かされていなかった など)
  4. 不退去/退去妨害:キャッチセールスなどで連れられた場所から、「契約するまで出してもらえなかった」など

これらが、営業マンの故意であれば、契約を解除(無効に)できます。
ただし、過失であれば解除できない可能性もありますのでご注意ください。

それともう一つ、契約書で消費者側が不利になることは無効になることも覚えておきましょう。

 

契約条項の無効

無効になるのは、契約書に書かれている項目です。

たとえば、契約書に下記の3つの項目があれば、これらを無効になります。

  • 事業者の損害賠償責任を免除する条項
  • 消費者の支払う損害賠償額の予定条項
  • 消費者の利益を一方的に害する条項

引用:消費者契約法の一部を改正する法律案 消費者庁より
http://www.caa.go.jp/soshiki/houan/pdf/160304_2-0.pdf

契約書は小さな字でわかりにくい言葉で書かれていますので、読まない人がいらっしゃいるようです。

そのことに付け込み、後日あり得ない難癖をつけて損害賠償を請求する悪徳業者もあるようです。

よく読むとあなた自身が不利なことも書かれていることもありますので、面倒ですが読む癖を身につけましょう。