プラスチックごみ対策 レジ袋有料化

2020年、日本では「プラスチック製のレジ袋はすべて有料になる」可能性が高まりました。

今後は法律により、有料化を義務化する方向で調整されるようです。

有料になる場合は、「1枚のプラスチック製レジ袋に対して『数円~十数円』を支払う」必要があります。(全国一律)

※値段はまだ決まっていません。(2019年6月時点)

 

この法律は「全国一律」になるため、レジ袋の最低金額は日本全国どこでも同じ金額になる可能性があります。

※最低金額の為、お店によってはそれ以上の値段になることもあります。

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「海のプラスチックごみ」の国際枠対策(G20)

そもそもなぜ「プラスチック製レジ袋」が有料化になるのでしょうか?

それは「G20(20か国・地域の首脳会合)」で行われた、話し合いで「国際的なプラスチックごみ対策」について話し合われたからです。

■G20加盟国

メンバー国は、G7(フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダ・欧州連合〔EU〕)のほか、アルゼンチン・オーストラリア・ブラジル・中国・インド・インドネシア・メキシコ・韓国・ロシア・サウジアラビア・南アフリカ・トルコ(アルファベット順)となっています。

 

国際的な「海のプラごみ対策」が始まる

先日2019年6月16日(日)に行われた「G20会合」で、国際的な「海のプラごみ対策」を行うと決定しました。

今後は国際的に「プラスチックごみの削減」が実施される方向で進んでいきます。

日本だけでなく、国際的にプラスチックごみの削減が実施されるのです。

 

プラスチックごみを減らすために

日本人のプラスチックごみ量:1人当たり平均3500万t(トン)

日本人が廃棄するプラスチックごみの量は「平均35million Metric Tons(約3500万t)」というデータが公表されています。

※1Metric Ton= 1,000キログラム

1人あたりのプラスチックごみ廃棄量
国際的な1人あたりのプラスチックごみ廃棄量(プラスチックを取り巻く国内外の状況 – 環境省PDF資料 https://www.env.go.jp/press/files/jp/110267.pdfより出典)

1人当たりの排気量は、世界で見てもトップクラスです。

アメリカに次いで「世界第2位」になっています。

※人口で割った場合の廃棄量で計算した場合に、世界第2位です。

※「Total plastic packiaging waste(総プラスチック包装廃棄量)」は低くなっています。

 

人口が少ない分、プラスチックの廃棄量は少ないものの、1人当たりの量は多いことがわかります。

私たち日本人の生活には「プラスチックが多く使われている」ということでもあります。

 

世界:レジ袋禁止の国も

世界のプラスチックごみ対策を見ると、「プラスチックレジ袋禁止」「プラスチックストロー禁止」「ペットボトル禁止」など、日本よりも規制が厳しい国もあります。

現在、日本でも「プラスチックレジ袋有償化」をしている店舗はありますが、その割合は少なく、まだ対策が足りないということもあります。

出典:プラスチックを取り巻く国内外の状況 – 環境省PDF資料より

レジ袋製造・販売・使用禁止国(51の国・地域)

  1. バングラデッシュ
  2. ブータン
  3. 中国
  4. 台湾
  5. インド
  6. モンゴル
  7. スリランカ
  8. アフリカ25カ国(コートジボワール、エチオピア、ケニア、モロッコ、セネガル、南アフリカ等)
  9. パプアニューギニア
  10. バヌアツ
  11. マーシャル諸島
  12. パラオ
  13. アンティグア・バーブーダ
  14. ハイチ
  15. パナマ
  16. ベリーズ
  17. フランス

レジ袋:有料化・課税国(25の国と地域)

  1. 韓国
  2. ベトナム
  3. インドネシア
  4. イスラエル
  5. ボツワナ
  6. チュニジア
  7. ジンバブエ
  8. フィジー
  9. コロンビア
  10. ベルギー
  11. ブルガリア
  12. チェコ
  13. デンマーク
  14. エストニア
  15. ギリシャ
  16. ハンガリー
  17. アイルランド
  18. イタリア
  19. ラトビア
  20. マルタ
  21. オランダ
  22. ポルトガル
  23. ルーマニア
  24. スロバキア
  25. キプロス

 

日本国内:レジ袋有料化の取組み

日本でもレジ袋有料化に取り組んでいる「お店」は増えています。

ただし、全体を見るとほんの一握りになっています。

 

スーパーマーケットでは「殆ど全部が参加」と「半数以上が参加」とを合わせて5割、生協・大学生協・農協では4割強となっている。スーパーマーケットの参加状況については、やや減少傾向が見られる。

百貨店では同1割弱、ドラッグストアは同3割弱、コンビニは皆無となっている。

 

スーパーでは約半数が実施していますが、コンビニや百貨店ではレジ袋の削減を行っていないのが現状です。

 

今後行われる対策(環境省 案)

今後プラスチックごみ対策として、日本はどのようなことを行うのでしょうか?

環境省の案から抜粋してみました。

 

プラスチックの使用を合理化

ワンウェイの容器包装・製品をはじめ、回避可能なプラスチックの使用を合理化し、無駄に使われる資源を徹底的に減らす

ワンウェイとは、一方通行のことで「燃えるゴミになるプラスチック」のことを指しているようです。

ポリ袋に限らず、ストローやプラスチック製の包装(袋)なども含みます。

 

紙、バイオマスプラスチックに切り替え

プラスチック製容器包装・製品の原料を再生材や再生可能資源(紙、バイオマスプラスチック等)に適切に切り替える

バイオマスプラスチックとは、植物などから作る「自然界でも分解できるプラスチック」のことです。

※生分解性プラスチックともいいます。

詳細:日本バイオプラスチック協会.バイオマスプラQ&A

 

通常のプラスチックは石油などを原料とし、自然の力では分解できずに、動物や魚などが食べてしまい、国際問題になっています。

バイオマスプラスチックになると、自然の力でも分解できるため、このような事故が減っていく可能性が高まります。

バイオマスプラスチックを使用している製品についている認証マーク
バイオマスプラスチックを使用している製品についている認証マーク
出典:日本バイオプラスチック協会「バイオマスプラ識別表示制度」より

 

プラスチック製品はリサイクル

プラスチック製品を使用後は、効果的・効率的なリサイクルシステムを通じて、持続可能な形で、徹底的に分別回収し、循環利用(熱回収によるエネルギー利用を含め)を図ります。

プラスチックのリサイクル率は、24.8%しかありません。

大半は熱回収になっています。

今後はどのようにプラスチックを再利用するのかが課題になっています。

日本のプラスチックマテリアルフロー
日本のプラスチックマテリアルフロー
出典:プラスチックを取り巻く国内外の状況 – 環境省PDF資料より

 

最後に:レジ袋「数円」なら問題ない?

2020年を目標に「レジ袋有料化の義務」が行われます。

しかし、現状のスーパーであるような「1枚数円程度」なら、そこまで気にしない人も多いかもしれません。

エコバックを持つのは「面倒くさい」「恥ずかしい」と思う人も多いからです。

 

「十数円」になると?

今後レジ袋が1枚何円になるのかわかりません。

もしかすると、1枚30円など高額になる可能性があります。

1枚5円なら、30日分でも150円です。

しかし、1枚30円だとすると、30日で900円無視できませんね。

どのような金額になるのかまだ分かりませんが、「効果的な金額」とも言われていますので、十円以上になる可能性もあるようです。