Appleの最新iPhone 6sにユーザーからこんな問い合わせがあったようです。
iPhone 6sの「TSMCチップ」と「サムスンチップ」は、バッテリーが持つ時間を比べたらサムスン製が長く持つようだ。
これに対して、Appleは「確かにチップによって、2~3%の誤差は生じる」と公式発表しています。
- TSMCチップ:Taiwan Semiconductor Manufacturing Company製(台湾)
- サムスンチップ:サムスン電子製(韓国)
「同じ機種で、同じ値段なのに、性能が違うってどういうこと?」とお思いかもしれません。
そもそもなぜ、Appleは同じ製品なのに違うメーカーのチップを使っているのでしょうか?
世界130カ国以上で販売している「iPhone 6s」 製造が1社では追いつかない
今までiPhoneは、90カ国程度の販売範囲でしたが、iPhone6sから40カ国以上を拡大しています。
2015年中には、130カ国での販売を目指していると発表しています。
そもそもAppleは、開発や設計はある程度するけれど、製造はメーカーに任せるという方針があります。
受注や開発、施工(設計など)は自社でするけれど、実際に建物を建てるのは、下請企業という事です。
自社で工場を持たないという事は、人件費や設備投資費が不要になるメリットがあります。
世界大手のメーカーでは下請け工場が当たり前
この様なビジネスモデルは、何も建築業界だけではありません。
IT業界でも、同じことをMicrosoft社などもやっています。
ほとんどの業界が、工場に製造を頼むのが一般的です。
工場も、自社商品以外で稼動できるメリットがありますので、持ちつ持たれつという事です。
マイクロソフトの場合、OSであるwindowsは自社で開発しライセンスを販売、パソコン本体は他のメーカーが作るという流れなので若干違いますが似たようなものだと思います。
下請工場にすべて任せるのは、実はリスクを伴う
大きな企業が、製造をすべて下請けに回すのは「利益追求型」とも言われますが、決してそうでもありません。
下請工場が必ずしも、いいとは限らないからです。
例えば以前あったように、自社の技術を真似(盗用)をされるケースがあります。
Apple社は、サムスンとのスマートフォンの特許訴訟で対決していました。
結局、アップルが勝訴しましたが、もしかすると逆点もあったかもしれません。
製造をすべて委託するという事は、技術そのものをすべて提供する必要がありますのでこのようなリスクは高いです。
今回Appleが新しく開発した「A9チップ」も、TSMCやサムスンに今後真似される可能性があるという事です。
チップのメーカーが違ってもあまり変わらない?
スマートフォンのチップとは、パソコンで言うCPU(プロセッサ)の部分です。
人に例えると「脳」に当たる命令する機能です。
チップの製造メーカーが違うと、やっぱり性能も違うのでしょうか?
結論から言うと、「あまり違いがない」といえます。
ただし、Apple6sのチップはメーカーに左右される可能性があります。
「??」
どういうことかといいますと、「TSMCチップ」と「サムスンチップ」は、大きさが違う事が分かっているからです。
実際に分解して調べた画像が英語圏のホームページで明らかになっています。
「TSMCチップ」と「サムスンチップ」は中身や大きさが違う
Appleが開発した「A9チップ」であれば、同じ形状、同じ動作をするのが当たり前と思っている方が多かったのです。
しかし、蓋を開けて見ると、「TSMCチップ」と「サムスンチップ」は大きさが10%程異なる事が分かりました。
- TSMC製チップ:104.5平方ミリメートル
- サムスン製チップ:96平方ミリメートル
つまり、チップの製造方法は、各社に委ねられているという事です。
材料や工場行程が各社で違う可能性出てきました。
ここで、性能が違う可能性が出てきましたので、チップメーカーの違いはバッテリーの性能だけではない可能性が高いです。
材料が違うのは当たり前?
よくよく考えると、確かに同じ材料を使う事は考えられません。
世界130カ国出うるのであれば、同じ材料を使っていればいずれ足りなくなるのは目に見えているからです。
Appleは、TSMCとサムスン各社にすべて任せているのだと思います。
その方が、3社とも迅速に動けるというメリットもあります。
結論:「TSMCチップ」と「サムスンチップ」どちらがいいのか?
バッテリーはTSMCチップが有利のようです。
では、他の性能は同じなのでしょうか?
結論は性能が若干違うと思われます。
ですが、人が感じるほど大きい事はあまり考えられません。
使用者同士で交換しても、あまり差が感じられないと思います。
スマートフォンのcpu性能を最大限に(限界近くまで)、引き出す事があまりできないからです。
もし、大きな違いがあれば、どちらがお得なのかは検証する必要がありますね。