このページでは、「北海道や東北地方の変わった風習・しきたり」をご紹介します。
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北海道:おせちは大晦日に食べる
北海道のお正月では、大晦日におせちを食べます。
上京してきて、普通は元旦に食べるものだと聞いて驚きました。
新年を豪華に迎える
北海道では大晦日に、おせち・お寿司・お雑煮・茶碗蒸しなど、各家庭内容はそれぞれかと思いますが、とにかく目一杯のご馳走がテーブルに並びます。
そのために年越し蕎麦を食べるお腹の空きはなくなり、大抵は年越してから蕎麦を食べることになってしまうということもあります。
太陰暦の354.4日が関係?
この風習が何故できたのかと言うと、太陰暦(月の満ち欠けによる暦)が関係しているという説を聞いたことがあります。
太陽が沈んでから次の日とカウントされると考えると、大晦日の夜というのはすでに新年の始まりをあらわすためにおせちを食べるのだそうです。
また、単純に「一年の終わりとしてお疲れ様でした」という慰労的な意味合いではないか? という説もあります。
そしてそのまま元旦には、前の日に食べきれなかったおせちやご馳走の残り物を消化することになりますので、大分落ち着いた新年の幕開けとなります。
秋田県:鍋っ子
年末年始のみではないのですが、秋から年末年始ごろにかけて行う風習での鍋のこと全般を鍋っ子(なべっこ)といいます。
基本的にきりたんぽを作った食べることが多いのですが、他にはすき焼きを行うグループもあれば豚汁であったり、普通にちゃんこ鍋であったりと様々な鍋を囲んで食べます。
※きりたんぽとは、うるちまい米のご飯をちくわ状したもの
鍋は親密な仲間内で行ったり、仕事の仲間などと行うことが多いのです。
年末年始は神社の境内などで振る舞われるところも多いようです。
鍋が好きな子供たちだから「鍋っ子」?
もちろん甘酒などもあるのですが、親子連れや友達同士で子供が初詣に行くことが最近は多いようで、甘酒よりも鍋っ子で振る舞う方が喜ばれることが多いので行うところが増えてきたようです。
また、外では寒いからと近所の方と集まって公民館であったりそれぞれの自宅で鍋っ子をする地域も増えてきているみたいです。
秋から冬にかけてはやっぱり鍋っ子が多いですね。
周りの方に聞いたら、やはりダントツの人気はきりたんぽ鍋でした。
比内地鶏のだしがおいしいです。
宮城県:ナメタガレイ(ババガレイ)を食べる
仙台市を中心とした宮城県の年末年始の変わった風習は、まず大晦日にナメタガレイ(正式名称:ババガレイ)という魚の煮付けを食べます。
※ナメタガレイ(正式名称:ババガレイ)は、太平洋側三陸沖でよく取れます。
子持ちの魚が市内各地で売り出されていて、これを食べることが子孫繁栄になると昔から言い伝えられています。
元日の初売りは禁止。でも豪勢な景品が?
お正月のメインイベントが「仙台初売り」です。
江戸時代、仙台藩の頃からの商習慣として国から認められています。
そのため現代も公正取引委員会から特例として他地域より豪華な景品を付けることが許可されている宮城県の伝統行事です。
初売りは2日からの開催と仙台商工会議所が決めているので、仙台市内のお店は全国チェーンの店舗だろうと1日に初売りをする事ができません。
そのため1日は初詣、2日が初売りに行くのが宮城県民の恒例行事となっています。
大崎八幡宮のどんど焼き
そして正月終わりの14日にはどんと祭が行われます。他地域の神社でもよく行われる行事ですが、仙台市にある大崎八幡宮が全国最大規模です。
正月飾りや旧年の御札・御守りを燃やしてその火にあたることで、一年の無病息災を祈ります。
福島県:いかにんじん
実家のおせちには、福島県の郷土料理である「いかにんじん」が必ず入っていました。
“いかにんじん”とはスルメイカとにんじんを細切りにして、醤油・酒・みりんなどで味付けします。
ごはんのおかずにもなり、お酒のおつまみにもなる、福島県民にとってなくてはならないソウルフードです。
小さい頃から当たり前のように食べていたので、大学進学で上京してきて周りの人がいかにんじんを知らなかったことに驚きした。
私はそこではじめていかにんじんが福島の郷土料理であることを知りました。
かずのこや栗きんとんのように、当たり前におせちに入っているものだと思っていました。
私の実家では祖母が作ってくれるのですが、祖母のいかにんじんはどこの家のものよりも美味しいです。
私も自分で作ろうとチャレンジしたことがあるのですが祖母が作るいかにんじんの味にはなりませんでした。
毎年祖母が作ってくれたいかにんじんの入っているおせちが食べられる実家へ帰るのが楽しみです。
味付けは、各家庭ならではの工夫
その家庭独自の味付けによる「いかにんじん」が振る舞われます。
そのため年末のほとんどのスーパーでは、「いかにんじん」を作るための材料として、スルメがそのままの形のものだけではなく、既に細かく切った状態となっているものまで、産地も含めて様々な種類の「スルメイカ」の特設コーナーが設置されています。
私はずっと福島県に住んでいますので、この年末の特設コーナーはごく当たり前の光景でしたが、テレビなどで福島県独特のものだと知った時はかなり衝撃を受けました。
お正月には久しぶりに親戚が一堂に会し、「いかにんじん」を男性陣はお酒の肴として、女性陣はおしゃべりの合間のおつまみとして食べることは、今年も一年お互いに健康で仲良くやっていこうと親交を確かめ合う大事な儀式のようなものとなっています。
その他の口コミ
北海道:かまぼこを酒で煮る(のし鉾?)
我が家だけかもしれませんが、かまぼこはお酒に煮ていました。
今でも、自分はかまぼこをお酒で煮ています。
子供の頃から好きだったのが「のし鉾」というかまぼこです。
長方形のかまぼこでスライスしてお酒で煮るのですが、ふわっと仕上がり、またほんのりと甘みがついてとても美味しいのです。
周りの人に聞くとそんなことはしないとのこと。
何故、我が家はお酒で煮ていたのか?すでに両親も亡くなっているため分かりません。
我が家だけがかまぼをお酒で煮ているなんて知らなかったです。
自分が推測するに、父は枝幸町といって道北の漁師町で育っています。
記憶はないのですが、自分が4、5歳の時、お正月に父の実家へ里帰りをしたことがあるそうです。
多分その時に祖母がかまぼこをお酒で煮ていたのではないか。
つまり、かまぼこをお酒で煮るのは道北地方の風習ではないかと思っています。
岩手県:新年の参拝は「お寺」が主流?
小さい頃から、お正月に必ずお寺に行って拝んでいました。
これだけ聞くと普通の事なのですが、結婚してからこれは私の地域だけの事なのだと知りました。
私の実家は岩手県でも南の方になりますが、後ろを見るとすぐに山があるような所ですが、
大晦日の夜になると地域の人達が一斉にお寺に向かって歩き始めます。
手に持って行くのはスコップやくわ等、農作業で使うものです。
服装はなるべく軽装で行きます。
供養のために
祖父に聞いた事があるのですが、昔この地域では一揆が行った事があり、供養の為にその時の格好に近づけていると聞きました。
私も結婚するまでずっと、祖母からもんぺ(股引)を借りて着てお寺に行っていました。
この時代にもんぺ?と思うかもしれませんが周りが皆そうでしたので特におかしいという気持ちもありませんでした。
お寺に着いてからは一揆で亡くなった方を拝んで頂き、暗がりの中にある慰霊碑を拝んだら終わりです。
正直、暗い中にスコップやくわ等を持った大人達がいる光景は、知らない人が見たら後退りしてしまうと思います。
結婚して地域を離れてからは、年末年始は普通に神社へ初詣に行ったり、普通にテレビを見る事が出来てる事が今は感動しています。