九州地方の年末年始の風習をまとめました。

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長崎県:佐々木祭

長崎県松浦市志佐町池成で年末に「佐々木様」と呼ばれているお祭りが行われます。

佐々木様のお墓と祠を掃除した後、連番制の宿に地区の方が集まり宴会が始まります。

顔の倍ほどの大きさがある大皿に日本酒を注いで、出席者が順番に飲み干していくということを延々としていきます。

佐々木祭の由来

佐々木祭りは江戸時代に平戸藩士だった佐々木様が、参勤交代中に留守にしていた際に奥様が浮気をしていたことを知り、それを嘆いて酒に溺れてついには死んでしまったということに由来するものです。

その佐々木様の命日の年末に佐々木様の家臣の子孫が集まり、佐々木様を偲んで始まったのがこのお祭りだということです。

現在は参加する軒数が5軒となり少し寂しくなっていますが、宮司さんも参加して大皿に3合ほどのお酒を3周ほど回し飲みしています。

大皿の底には『大盃をのみとる意気を子も孫も祈る親かな池成の村』と書いてあり、地区の人たちの豪快さが伝わってくるようです。

長崎県:「にごみ(郷土料理)」を食べる

※画像はイメージです

うちの実家ではお正月に「にごみ」を食べます。
他の地域の方には「”にごみ”って何?」と必ずと言っていいほど聞かれます。

「にごみ」は、大根や人参、里芋、ゴボウなどの根菜類や、こんにゃく、椎茸、昆布、そしてピーナッツが入った煮込み料理です。
これらの材料を小さな角切りにして、煮汁がトロトロになるくらい煮込んだものなのですが絶品です。

素朴な味ですが、様々な材料の旨味が出て美味しいんです。
これをお正月のお昼、家族や親戚が集まって、おせち料理と一緒に食卓に並びます。

大きな大きな鍋でたくさん作るのでお代わりしても全然減らず、三ヶ日はほとんど”にごみ”を食べると言っていいほど。

普通の何もない日には作らないため、お正月はおせち料理よりも「にごみ」を食べれることが本当に楽しみです。

他の地域の方にも一度食べていただきたいですが、長崎の家庭料理のため「お店に並ぶことがほとんどない」のが残念な点ではあります。

熊本:嫁ごブリ

熊本では結婚した最初の暮れに、夫の実家から妻の実家に「嫁ごブリ」として、大きな鰤(ブリ)を送ります。

「お嫁さんとして、ちゃんとやれてます、気に入りましたよ」という意味を込めて送られるそうです。
現在もこの風習は続いていて、送る時に鮮魚店に嫁ごぶりであることを伝えると、水引などを使って華やかに盛ってくれます。

お返しに昆布などを送ったりもしますが、今は堅苦しく考えずにお正月にお菓子などをお持ちして、一緒に鰤をいただいて初正月を祝う事も多いようです。

お屠蘇に赤酒

熊本ではお屠蘇に赤酒を飲みます。私は大人になるまで赤酒は全国区だと思ってましたので、県外出身の友達から教えられて初めて熊本限定である事を知りました。

甘いお酒で屠蘇の香とも良く合います。子供の頃、少しだけ舐めさせてもらったのですが、顔が真っ赤になったことを覚えてます。

それからもう一つ、元日にはお風呂に入らないという風習がありました。
今はあまり耳にしませんが、子供の頃は2日のお昼に初風呂を沸かして入ってました。

その他 口コミでいただいた風習

鹿児島県:砂浜に砂と貝の山を作る

小さな頃の記憶で曖昧な点もあるのですが、正月になると祖父側も含めた家族3世代で自宅から一番近い海岸へ行き、そこの砂浜において砂と貝を使いながら山を作るという風習がありました。

具体的には、砂を盛り、比較的大きめな山を作り、それに海岸で集めた貝殻を敷きつめたり重ねたらするといったものです。また、大きな貝殻を見つけた場合には、その貝殻を地面に敷き、その上に砂を盛り、山を作っていた記憶もあります。

昔から付近の海岸は年中遊泳禁止であったので、あまり行くことはなかったのですが、お正月だけは家族全員でそれを作りに行った思い出があります。この風習については、海の神様に対して今年1年の健康や幸せを祈る意味合いがあるものと聞いています。

また、砂の山には、砂と貝だけではなくその他に祖母がお供え物を持ってきていたので、ご先祖様へのご挨拶という意味合いもあるのではないかなと思います。いずれにしても、他の地方ではあまり見ることが出来ない風習ではないかなと思います。