とあるショップで会員登録をした女性の携帯に、従業員から個人的なメールが一通送られてきたという。
この時点で個人情報を悪用した「店員」と「その会社」が「個人情報保護法違反」で問われます。
また、加害者側が裁判を起こせば、多大な損害金が請求されるでしょう。
2016年1月マイナンバー制度が始まり、多くの企業でも”個人番号が使われる”可能性があります。
個人情報漏洩のリスクは、今後増えるといえます。
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もしあなたが、個人情報保護法に関して”間違った認識”を持っていれば、被害者・被害者になりえる可能性があります。
会社勤めの方は、お客様の個人情報に対する取り扱いには十分に注意をしたいところです。
どのような行為が、個人情報保護法違反になるのかをご紹介します。
そもそも個人情報保護法とは?
個人情報保護法では、「原則として、あらかじめ本人の同意を得ずに、その利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことは禁止」と定めています。
業務上知りえた個人情報を、個人の目的で使ってはいけませんし、業務上必要でない限りは連絡をとってもいけません。(忘れなければいけない。)
“知らなかった”とは言えない「インターネットへの投稿」
最近ニュースで取り上げられることが多くなっているのが、「個人情報がSNSで拡散される」という漏洩被害が多く報道されています。
「有名人のサイン入り領収書」の写メだけでなく、「一般人が含まれる写真」や「街の外観や住宅街の風景」も個人情報と同様にアップロードするのは危険ですし、やってはいけない行為です。
個人情報を漏洩しても”罰則による法的処分”はありませんが、名誉毀損などによる賠償請求はあり得ます。
※30万円以下の罰則は、個人情報取扱事業者が報告の無視や虚偽をした場合の物。
ただし、民事訴訟に発展した場合一人当たり1万~5000円までの損害賠償は過去に事例があります。(企業への罰則)
なぜ個人情報漏洩が”SNSで多い”のか?
SNSとは、インターネット上で利用するサービスの一つで会員同士のコミュニケーションに使われる掲示板でメッセージをやり取りする事です。
SNSの利用者は年齢層が広く、小学生やご年配の方でも利用できます。
そこに落とし穴があるといわれています。
インターネットの利用マナーや仕組みがわからない小学生やご年配の方も多く、他の利用者から注意を受けて気が付くこともあります。
また、20代前後の人でも分かっていない人も中にはいらっしゃるようです。
※報道された過去の個人情報漏洩や、アルバイトによる企業秘密漏洩のニュースを見ると20代の従業員に多い。
非公開型のSNSも漏洩の危険度は変わらない
LINEのように”一般公開しないSNS”もありますが、コピペやダウンロードが出来てしまうため危険性はあまり変わりません。
「有名人のサイン流出」の当事者は、非公開型のLINEで友達に教えたところ、そのお友達が他の公開型SNSで拡散させてしまったという経緯があります。
自分がやろうとしてやったわけでなくても同罪になり、会社にも被害が出てしまうのです。
身近な人にはあなた自身が呼びかける
一人一台の現代では身近な人に移動型端末を渡すご家族が増えています。
- おじいちゃんやおばあちゃんに、連絡用のスマートフォンを持たせた。
- お子さんに携帯を渡して、SNSで連絡するようになった。
使い方は一通り教えてもらったけれど、「個人情報の漏洩やそのリスク(被害)を教えてくれる人はいなかった」という声もあります。
あなた自身にとって「個人情報を書いてはいけない」は常識でも、知らない人にとっては常識ではありません。
やってしまう前に、確認しておく必要があります。
SNSに書き込まれた文章やアップロードされた画像は、誰でも自由に見る事が出来るため、あなた自身が「個人情報を書き込む事は、非常に危険な行為」ということを知らせるべきだという事です。
個人情報保護法では、加害者とその会社が罪に問われる
会社も同罪になるのは、同法20条に記載されている「個人データの漏えいや滅失を防ぐため、必要かつ適切な保護措置を講じる義務」と「従業者や委託先に対し必要かつ適切な監督を行う義務」があるからです。
従業員に個人情報保護に関する教育をしなければいけない事を明記しています。
小さな会社、アルバイト従業員には徹底されていない可能性も
大きな会社では、徹底して行われています。
個人情報保護法を知ってもらうための研修だけでなく、実際に漏らしてしまった時の誓約書を書かせる企業も増えています。
しかし、アルバイト従業員が多い会社や従業員数が少ない会社では、こうした教育が徹底されていない事が多いようです。(先日は某コンビニで個人情報の私的利用が発覚しました。)
特に多いのが学生やフリーターアルバイトの認識不足です。
SNSを多く利用する年代だけあって、加害者になりやすい特徴もあるためもう一度確認をしておきたいところです。