疑問を感じていた方も多いかもしれません。
「最高通信速度○○○Mbps」という表示です。
あなたもこの数字を目安に決めていませんか?
ですが、実際に測ってみると、このような速度で通信することはありません。
時間や場所によっては、
半分以下の速度しか出ていないということもあります。
今回、総務省がこのような
通信速度の表示方法にガイドラインを設けることを発表しました。
それが、「移動系通信事業者が提供するインターネット接続サービスの実効速度計測手法及び利用者への情報提供手法等に関するガイドライン(案)」です。
以下参照・画像:総務省|「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」 より
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000091.html
長いネーミングですが、簡単に略するとこのようになります。
モバイル回線業者が提供している2点について、
総務省がガイドラインを作成したので遵守すること
- インターネットの通信速度の測定方法
- 情報提供手段
このガイドラインに沿って、
まずは大手三社(ドコモ、au、ソフトバンク)から規制すると発表しています。
総務省が作成したガイドラインの趣旨
現在、モバイル業者が提供している情報は、
最大速度(ベストエフォート)の提示しかされていません。
これは、一般的に使用するときの数値で張りません。
利用者が少ない時間帯など、
「特定の条件を満たした場合のみ」瞬間的に出る最大速度であり、実用性のある数値ではありません。
実際には、このようなスピードで通信する事は出来ず、
しかも、業者によっては測定する方法がまるで違います。
よって、
総務省が新しく基準と測定方法を指定しますので、
基準にあわせて、適切な数値を利用者に提供しなくてはいけないという事です。
総務省ガイドラインで定められた通信速度の5つの算出条件
今回提出されたガイドラインについて、簡単に触れてみます。
下記4つの定められた基準があり、それぞれを遵守しなくてはいけません。
- 計測場所は、全国10ヶ所以上
- 計測時間は、決められた時間帯と場所で
- 計測回数は、3回測定し平均値を表示
- 計測項目は、速度以外の情報も公開義務
- 計測ツールは、総務省が用意する
計測場所の義務:利用者が多い所で測る
通信速度を測る場所は、
日本全国から、人口密度の違う10都市で測定しなくてはいけません。
しかも、利用者が多い場所で、
使用したときの平均速度を表示する必要がありますので、
より実用的な数値に近づく事になります。
- 人口が100万人以上の都市
- 人口50万人以上100万人未満の都市
- 人口50万人未満の都市
※さらに測る際には、常住人口・オフィス街・繁華街なども考慮する必要があります。
計測時間の義務:オフィス街は昼間・住宅地は夜に測定
計測時間は各社バラバラでしたが、
「人が活動する事が多くなる場所で計測」することを義務付けました。
- オフィス街・繁華街は、正午~午後6時
- 住宅街は、午後3時~午後9時
これにより、人が普段使う事が多い場所・時間で測る事により、
込み合った時の速度を使用者は予測する事が出来ます。
ただし、住宅街は夜中から深夜帯にかけても混線しますので、
この条件はあてにならない可能性もあります。
計測回数の義務:同一箇所で3回の平均を毎年1回以上測定すること
測定回数も、3回の平均を義務化しました。
これまでは、おそらく数年に一回だけの計測だと思います。
あわせて最低でも、
1年間に1回は更新する条件もあります。
ですが、3回という規定しかなく、
「連続した3回でいい」のか「時間を変えた3回」なのかは書いていません。
今後、変更される可能性もあるようです。
計測項目の義務:実効速度以外の情報も公開すること
実際に計測した通信速度以外にも、
新たにその他の条件も記載する義務もできました。
これにより、各社のパンフレットに表示される内容が、
すべて入れ替わる可能性があります。
- 位置・時間情報→いつ、どこで、計測したのか
- 通信規格(LTE等)→3Gなのか、4Gなのか
- 端末情報→どの機種での測定結果なのか
- 信号強度→受信した電波の強度(アンテナの数など)
- 遅延→即定時に、障害・混線などがあったかなど
- パケットロス→ネット回線の負荷や電波干渉による遅滞状況
計測ツールの固定:各社とも、総務省が開発した計測ソフトで測定する
今までは、各社オリジナルの測定ツールを使っていたと思われます。
その為、それぞれで速度が違う事があります。
集計方式・表示手法に、「第三者による測定」「箱ひげ図の活用」も
実は総務省ガイドラインには、まだ項目があります。
ですが、その量は多いので別ページにて解説いたします。
⇒ネット回線の新しい適正表示「実効速度の箱ひげ図」の見方とは?