毎年、ノロウイルスによる集団感染が後を絶ちません。
ノロウイルスは、感染力が非常に高いウイルスだからです。
ノロウイルスの予防と対策をしっかり身につけましょう。
特に手の洗い方は、家庭で料理をする主婦の方や調理に携わる方は必見です。
ノロウイルスとは?
食中毒や感染性胃腸炎を引き起こすウイルスです。
- 経路:食べ物や飛沫(ツバや唾液)から感染
- 強感染性:微量(百個以下)のウイルスでも胃腸炎に感染
- 症状:腹痛から嘔吐や下痢
- 治療法:効果的な治療方法はありません
ノロウイルスって、治療法がないの??
対処療法といって、十分な栄養と水分補給をしながら、自然回復を待つしかありません。
じゃあ、予防って重要なんだね。
ノロウイルスが流行する時期は?
ノロウイルス自体は、1年間を通して感染する可能性があります。
しかし、厚生労働省の資料によると「感染者数が増加傾向にあるのは冬の時期」とのことです。
出典元: ノロウイルスに関するQ&A |厚生労働省
資料のグラフを見ますと、ノロウイルスが活発になるのが10月あたりから増加。
さらに、3月4月あたりまでがピークといえます。
つまり、寒い時期に感染しやすいといえます。
ノロウイルスに感染した時の治療法は?
こまめに水分と栄養を取り、ゆっくり休むしかありません。
※もちろん病院にも行きましょう。
健康的な大人なら深刻にならない場合もありますが、お年寄りや小さなお子さんの場合には、重症化する危険性があり大変危険です。
主な感染経路は「食事」
食べ物からの感染が一番多いので注意しましょう。
厚生労働省ホームページでは、主な感染源になった食べ物も紹介されています。
魚介類が圧倒的に多く、そのほか(肉や野菜など)の加工食品での感染はかなり少ないのがわかります。
魚介類の中でも牡蠣などの二枚貝は注意が必要です。
※これは大腸菌O157にも言われています。
二枚貝は、十分に加熱調理をしましょう。
(85℃以上で1分間以上の加熱処理をすると不活性化する)
なぜ「食品」が主な感染経路なの?
ノロウイルスは細菌ですので、風邪ウイルスのように空気中に漂っているわけではありません。
つまり、「食事」や「感染者の飛沫(つば)」などを介して、体内に入ってくるわけです。
- ノロウイルスに感染している人が調理をする
- 会話などによる人の唾液による飛沫感染
- 消毒が不十分な井戸水や簡易水道の利用
- ノロウイルスに感染した人の嘔吐物やふん便
- 唾液などからの二次感染
ご家族が感染した場合には、徹底した予防対策をする必要があります。
食品では、貝や魚の蓄積によるものが多い
主に、水中(特に海水)で検出されています。
特に牡蠣などの二枚貝は注意が必要とされています。
※これは大腸菌O157にも言われています。
二枚貝は、十分に加熱調理をしましょう。
なぜ二枚貝?
二枚貝には、カキ、アサリ、シジミ、ホタテなどが含まれます。
冬の旬である「カキ」が話題に取り上げられてしますが、そのほかの貝も同じように注意が必要です。
これら貝類は、地中に潜って生息し、プランクトンなどの微生物を食べて成長します。
二枚貝はノロウイルスを検知する機能はありませんので、
河口から流れている家庭用水などに含まれるノロウイルスも一緒に食べてしまうこともあります。
徐々に蓄積されていき、高濃度のウイルスが検出されることもあるようです。
では、一体どうすればノロウイルスの感染を予防できるのでしょうか?
ノロウイルスに効果的な4つの予防方法
ノロウイルスの予防は、この4つを徹底しましょう。
- 効果的な手洗いをする
- 調理器具や衣類はしっかり消毒
- ウイルスを死滅させる加熱処理
- 下痢や嘔吐をした人は食品を扱わない
これは他のウイルス性大腸菌も同じです。
1.効果的な手の洗い方
石鹸やハンドソープを必ず使いましょう。
- 10秒間のもみ洗い。
- 15秒間の流水でのすすぎ
これを2回以上行います。
たった2回の手洗いでウイルスが1/1万に?
2回手を洗う事で、ウイルスが1/1000以下になるとのことです。
- 爪を短く切る
- 指輪をはずす(手洗いの前に)
- 手を洗った後、アルコールで消毒する
2.調理器具や衣類は「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒
消毒には
「次亜塩素酸ナトリウム」が最適です。
お風呂用の洗剤やプールの消毒にも、
使われている薬品です。
花王の「ハイター」シリーズが有名
次亜塩素酸ナトリウムを含む花王の塩素系漂白剤は台所用の「キッチン泡ハイター」「キッチンハイター」と、衣料用の「ハイター」です。
食器やフキンは、これを使ってエプロンをこまめに消毒・殺菌しましょう。
こちらもしっかりご覧頂き、正しく使うことをオススメします。
関連記事:【掃除の基本】洗剤の種類と使い分けの法則
3.加熱処理は「85℃で1分間」ウイルスを死滅させる
ウイルスは熱に弱い性質があります。
- 1分間以上85℃以上で加熱
- 10分間以上60℃以上で加熱
- 30分間以上50℃以上で加熱
また、加熱処理をしても、その後ウイルスが付着すると意味がありません。
処理後も徹底した管理を怠らないように注意しましょう。
4.感染したら食品を扱わない
もし、食品を取り扱うお仕事をしている方が、ノロウイルスに感染した(もしくは家族が感染した)のであれば、職場の上司に報告しましょう。
業種としては、レストランや飲食店、
お弁当屋さん総菜屋さん、パン屋さんなどの盛り付け調理などなどが該当します。
これらのお店では食中毒を出すと、営業停止処分を受け多くの従業員やお客様に迷惑がかかることもあります。
(過去に事例があります)
黙っていても、最終的には「誰が原因?」ということで検査されて発覚する→賠償請求?ということになりかねません。
手洗い・消毒・マスク・手袋をしても、感染を確実に防げるとは言えませんので、一応確認を取りましょう。
※出勤停止命令であれば、会社に休業手当を請求できることがあります。(法的な規定はなく、会社の判断による)
また、自主的に休むことができますが、その場合は休業手当は請求できいとのことです。
もし家庭内で感染者がでたら?
二次感染が一番多いので、ご家族は常に気をつけるべきです。
※人の唾液からも感染します。
接する際には必ずマスクを着用し、トイレやお風呂場などは、しっかり消毒をしましょう。
汚物はしっかりとビニール袋で密閉する必要があります。
使い捨ての医療用ビニール手袋は、薬局やドラッグストアに行くと100枚単位で安く売っています。
エプロンを洗う際には、一度次亜塩素酸ナトリウムで10分間漬け置きすると二次感染の予防になります。
(容態が改善し、処置が終わったらエプロンを買い替えた方が安全でしょう。)
いかがでしたか?
これらを参考にして、ノロウイルスは治療法がないため、予防と対策が不可欠です。
最低限の注意を怠らず、しっかりやって行きましょう。