ストレスチェック義務化

厚生労働省は、すべての企業を対象にストレスチェックを導入することを義務化しています。

働く人の健康管理のため(主にうつ病)、仕事環境の改善のために専用のテストを受けさせる義務、その結果によっては医師の面談指導が義務となります。

パートや正社員などの従業員を雇い入れている雇用者は、従業員にストレス調査を実施しなくてはいけません。
※1ヶ月未満の短期労働契約、短時間アルバイトの場合は義務化の対象外になっています。

作りました→家庭で出来るストレステスト(厚生省)

職業性ストレス簡易調査表
画像:厚生労働省ストレスチェック制度導入マニュアルよりhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf
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ストレスチェックの目的は、労働環境改善・うつ病防止策

うつ病の女性

労災認定のうつ病患者数は、全国でたった400人しかいません。
たとえ、本人が訴えても、労働先が原因になっていると認定されているのは、非常に少ないのが現状です。

なぜなら、基準が明確ではなく、会社側が悪いのか、労働者側の生活環境によるものなのかが外部から判断するのが難しいからです。

そのため、ストレスチェック義務化により、第三者の医療関係者がテストを実施し、うつ病が起こりやすい環境なのかを調べる事が出来るようになりました。

今後は、うつ病の労災認定が増える可能性があります。

しかし、あくまでも会社側の労働環境改善のために実施される色が強いため、うつ病認定を増やすための制度ではありません。

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職場環境の改善は、「努力義務」

努力義務とは、「職場の環境改善をする努力をしたかどうか」のみが対象です。

実際に改善できなくても、法的な罰則もありません。そのため、あまり意味がないという意見もあります。

特にブラック企業と呼ばれる会社は、こんな義務化で改善できるのか疑問が残ります。

 

個人結果を見れるのは「本人のみ」だから安心?

診断書

事業者(雇っている人や上司)は、ストレステストの結果を個人別に見る事が出来ません。

事業者が確認できるのは、全体の統計だけになります。※テスト実施者(医療関係者)が集計することになっています。(10人以上を雇用している企業のみが対象)

ストレス結果による不当な解雇処分、降格なども認められません。

 

診断結果で、不当な扱いを受けないように定められている

ストレスが高いと診断されると、医師の面談が必要とされています。

しかし、この結果によって休日が多くなったり、退職させられることはありません。

ストレスチェックや面接指導で個人の情報を取り扱った者(実施者とその補助をする実施事務従事者)には、法律で守秘義務が課され、違反した場合は刑罰の対象となります。

万が一、そのような事が起きた場合、労働監督庁に届け出ると対処してくれます。

テスト対象:契約期間が1年以上、労働時間が他の人の3/4以上の人

ストレステスト対象外の人一覧

対象にならない人は以下の通りです。

  • 契約期間:1年未満の労働者の短期労働契約
  • 労働時間:通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間で働く人
  • 小規模(50名以下)の事業で働く人

※所定労働時間とは、会社が定めている労働時間のことです。
法定労働時間とは違います。

短期アルバイト、短時間バイトなどで働く人は、義務化の対象外になる可能性があります。

ただし、ストレスチェックを受けさせてもかまいません。
(会社の判断に任せられています)

 

該当者は、必ず年に1回はストレステストを受ける義務がある

今回の義務化は、ほとんどの従業員が対象になる義務化です。個人事業や個人経営なども対象です。

2015年12月1日から2016年11月30日までに必ず1回は、ほとんどの従業員にテストを受けさせなければいけません。

会社の規模によっては、大きな負担になるようです。

 

ストレスチェック票は、会社が作成してもOK

厚生労働省は、国が推奨している57項目の質問票を公開していますが、これを必ず使う必要があるということではありません。

参考にし、自社で独自に作成してもいいようです。
ただし、テストの作成や実施は「厚生労働省に認められた医療関係者」の監督の下行う必要があります。

厚生労働省に認められた医療関係者とは
  • 医師
  • 保健師
  • 厚生労働大臣の定める研修を受けた「看護師」
  • 精神保健福祉士

結果は5年間保存される

個人情報の観点で、個人の診断結果を他人に見せる事が出来ません。
医療関係者が集計した結果のみが、会社に通達されます。

しかし、統計結果や誰が受けたのかなどの調査状況は5年間保存する必要があります。

  • 労働者の氏名
  • 面接指導を行った医師の氏名
  • 労働者の勤務の状況、ストレスの状況、その他の心身の状況
  • 就業上の措置に関する医師の意見