- 赤道付近の海水温度が平年よりも大きく上がると、エルニーニョ現象
- 逆に海水温度が大きく下回ると、ラニーニャ現象
これらの2つの現象は、その年から翌年の異常気象や気温変化の前触れといわれています。
2015年11月は、過去最高のエルニーニョ現象が観測されたと「世国連世界気象機関(WMO)」が発表しました。
加えて、翌年に当たる2016年~2017年は、世界各地で豪雨や干ばつが予想されると警告しています。
エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、一体何を示しているのでしょうか?
エルニーニョとラニーニャで気温や異常気象がわかる?
あなたは冷夏、暖冬はどのように決まるのかご存知でしょうか?
エルニーニョ現象とラニーニャ現象が関係するといわれています。
- エルニーニョが発生すると、主に冷夏、暖冬になりやすい。
- ラニーニャが発生すると、猛暑、厳冬になりやすい。
2014年の冬にエルニーニョが観測されたにもかかわらず(冷夏になるはずが)、
世界各地で、毎年夏の最高気温が更新され続けています。
日本でも35℃~40℃が当たり前に・・・これが示すのは?
画像は、気象庁が提供している世界各国の気温上昇です。
赤い点が高い気温であることを示しています。
画像:気象庁|世界の天候データツール
http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/climatview/frame.php
冷夏といわれる”夏”は今後来ない?
ここ数年エルニーニョちゃんの常識が覆っている
通常、エルニーニョが観測されると、
夏の気温が平年よりも下がったり(冷夏)、台風の発生件数が減ったりします。
エルニーニョ
「私の力で、日本を涼しくして、ア・ゲ・ル♥」(・ωー)~☆
ですが、2014年の冬、2015年6月にエルニーニョ現象が起きたのにも関わらず、
その年も翌年も夏は平年よりも高い気温になっています。
エルニーニョ
「あちゃ~?なんで効果がないの?」!! (゜ロ゜)
でも、冬は暖冬になりました。
エルニーニョ
「冬に効果が出たのかな?」(;´д`)ゞアセアセ
でも、「これって温暖化では?」という声が専門家の間で広がっています。
自然現象なので、『温暖化が原因なのか』『エルニーニョ現象の影響なのか』はっきりしないのです。
そもそもエルニーニョ現象は雨(低気圧)が多くなる?
東太平洋の赤道付近の海水温度が、半年以上0.5℃以上高くなった状態のこと。
※東太平洋は、日本に向かう台風が発生する場所です。
雨が多くなりやすいので、全国的に涼しくなります。(高気圧は晴れ、低気圧は雨)
※アジア圏内で台風や洪水などの被害が多いのが特徴。
そして、冬は南からの空気が流れ込むため、暖冬になります。
エルニーニョ現象が発生した年の気温法則
統計的(1958年~2012年)には、このような法則があります。
- 春→沖縄、東日本で気温が高くなる
- 夏→西日本、北日本で気温が低くなる
- 秋→西日本、沖縄、東日本で気温が低くなる
- 冬→東日本で気温が高くなる
参照:気象庁 | エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴
http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/tenkou/nihon1.html
ちなみに、ラニーニャ現象は晴れ(高気圧)が多くなる
エルニーニョ現象は、海水温度が上昇するのに対して、
ラニーニャは、東太平洋の海水温度が低くなります。
ラニーニャ
「私のことはほっといてよね・・・。」(〃゚д゚〃)←ツンデレ
※高気圧が強くなり、雨や台風が極端に少なくなります。
以前ラニーニャちゃんが到来した時は、
雨が降らず、全国各地で「水不足」や「干ばつによる農作物の不作」が続きました。
温暖化でエルニーニョちゃんとラニーニャちゃんの影響力がなくなった?
温暖化により、世界各地でゲリラ豪雨、ハリケーン(台風)の巨大化など、世界各地で起きています。
いままでエルニーニョ、ラニーニャを熱心に研究していた学者さんも首をかしげているそうです。
気象庁は、冷夏、暖冬をどのように予想していくのか?
画像:気象庁|季節予報
http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/
基本的に気象庁は、過去30年間の気象データから推測
過去データから気温を小さい順に並べて、
- 小さい方から10番目まで(全体の33%)の場合→『気温は低い』
- 11~20番目(同33%)→「平年並」
- それ以上を「高い(多い)」
と分けます。
※それぞれを均等にして予想する。
引用:気温についてのよくある質問集|気象庁 Japan Meteorological Agency
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq3.html
そして、現在の気温と照らし合わせて日々予報を更新していきます。
このように、気象庁の冷夏・暖冬の気温予報は、過去30年から考えているとの事です。
エルニーニョとラニーニャがいなくても天候予想には差し支えない
二人
「えー、そんなの聞いてないよぉ」
エルニーニョは「数年に一度」、
ラニーニャは「十数年に一度」でしか起こりません。
起こっても気温上昇などに影響がなければ、今後現象が確認されても意味がないのかもしれません。
これが異常気象なのかは分かりませんが、
今後どのような扱いになるのかは決まっていないようです。
2015年11月に発生した過去最大規模のエルニーニョ
2015年の冬に発生した「エルニーニョ現象」は、過去最大級の温度差との事です。
つまり、通常で考えると2016年~2017年は、雨(低気圧)が多くなると予想されます。
また、冬は暖冬、夏は冷夏となる見込みです。
確かに、2015年12月~2016年1月にかけて、暖かい気候になり3月上旬並みの暖かさでした。
しかし、「夏は冷夏」という法則は崩れるかもしれません。
なぜなら、毎年気温が高くなっているからです。
降水量が多いのに「温度が下がらない」その理由はゲリラ豪雨
これには、豪雨が限られた場所に集中する「ゲリラ豪雨」がその一つとされています。
降水量は多いけれど、広範囲に雨が降らないため
「地面の温度が下がらない=気温の低下につながらない」という事が挙げられます。
昨今の異常気象がエルニーニョ現象の法則崩れを起こしている可能性が専門家の間でもささやかれています。
エルニーニョの翌年は、ラニーニャ現象が発生する?
エルニーニョとラニーニャの性格(性質)は、正反対です。
- エルニーニョ(デレツン?):低気圧・暖冬・冷夏
- ラニーニャ(ツンデレ):高気圧・厳冬・猛暑
大規模なエルニーニョの後には、ラニーニャが来ると予想され、2017年以降は晴れる日が多くなり、熱中症や熱射病などの疾患、干ばつや水不足の被害が多くなるのではないでしょうか?
あくまでも予想ですが、注意した方がよさそうですね。