食べ物をねだる猫

「エサを与えないでください。」
こんな貼り紙を見たことがある方も多いでしょう。

あまりにもしつこく「スリスリおねだり」してくるので、こっそりエサを与えてしまった。
そんな経験をお持ちの方も、少なからずいらっしゃることでしょう。

ですが、今後はより注意して行動したほうがいいかもしれません。
なぜなら、ノラ猫へのエサやりで、罰金刑を科せられる地域が出てきたからです。

それが、和歌山県の動物愛護管理条例に新設された、「飼い猫以外の猫への給餌等の禁止」という項目です。

和歌山県動物愛護条例3項、5項
画像:「和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正(案)」の骨子より http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/80_doubutsu/documents/kaiseikosi.pdf

 

和歌山県の動物愛護条例(案)によると、
「自分家の飼い猫以外の猫には、エサを与えてはならない」とあります。

野良猫だけでなく、「近所の飼い猫にも、飼い主の許可を得ずにエサをあげてもいけない」という内容です。

違反者には、最高で5万円の罰金刑もあるようです。
「知らなかった!」では済みませんので、和歌山県民は今後注意したいところです。

和歌山県「餌やり禁止」条例、その目的は?

今回の動物愛護管理条例を改正する理由として、大きいのが「殺処分(さつしょぶん)を減らしたい」という考えがあります。

都道府県別に見ても、和歌山県は殺処分の数がワースト15に入っているからのようです。

 

年間の猫殺処分が多い自治体ワースト15

殺処分数
1位 愛媛県 2,906
2位 沖縄県 2,726
3位 福岡県 2,658
4位 広島県 2,636
5位 山口県 2,578
6位 兵庫県 2,492
7位 茨城県 2,452
8位 宮城県 2,334
9位 長崎県 2,292
10位 福島県 2,289
11位 熊本県 2,162
12位 和歌山県 1,964
13位 三重県 1,833
14位 大分県 1,820
15位 大阪府 1,716

参照:環境省:統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」 [動物の愛護と適切な管理] https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

 

改正案のパブリックコメント(県民意見募集)で少し修正

「和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正(案)」の見直しに係る県民意見募集(パブリックコメント)の実施について|和歌山県ホームページ
画像:「和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正(案)」の見直しに係る県民意見募集(パブリックコメント)の実施について|和歌山県ホームページ http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/80_doubutsu/neko2.html

この条例は、まだ改正する前です。
パブリックコメント(県民意見募集)と呼ばれる「事前アンケート」で意見を募集しています。

※2015年11月30日まで延長中

現時点の意見を踏まえ、少し修正されました。
ある条件を満たせば、”野良猫にエサを与えてもいい”ことになったのです。

 

野良猫への餌やりが「許可される」5つの条件

和歌山県の動物愛護管理条例では、
「ある特定の条件を満たした人は、餌を与えてもいい」ようです。

  • 不妊去勢手術を施した野良猫に限定
  • 適切に給餌、給水を行うこと
  • 糞尿を適切に処置すること
  • 給餌行為を、周辺住民に説明し、理解が得られた場合のみ可能
  • 生活環境を損なわない範囲で行うこと

 

生活環境を損なわない範囲とは?「衰弱した猫」の事

パブリックコメントでは、「衰弱している猫への餌やりを認めて欲しい」という声が多くあったため、修正案に認められたようです。

また、偶然(?)エサをあげてしまったり、「一度だけの餌やり」は見逃してくれるそうです。

原則的には「定期的な餌やり禁止」となり、小さな命を助けるのには支障がないことのようです。
今後も引き続き、注目すべき条例のようです。

 

猫だけじゃない!地域によっては、野生の「猿」「鹿」「カラス」に餌やりで罰金も

このような「動物への餌やり」行為は、地域によって罰せられることがあります。

特に野生の猿や鹿が多い地域でエサを与えると、罰金が科せられたり、氏名が公表されることもあります。

大阪府箕面市

ニホンザルへの餌やり行為を禁止する条例を制定し、平成22年4月1日から施行されています。
1万円以下の罰金(過料)を科すことになります。

引用:https://www.city.minoh.lg.jp/bunkazai/kinshijoureishikou.html

群馬県利根郡みなかみ町

何人も、町内において猿に餌を与えてはならない。
猿に餌を与えたときは、1万円の過料に処する。

引用:http://www.town.minakami.gunma.jp/reiki/reiki_honbun/ar26403831.html

栃木県日光市(罰金はなく氏名公表)

何人も、サルに餌を与えてはならない。
規定に違反して、その行為が特に悪質であると認められる者については、その氏名等を公表することができる。

引用:https://www.city.nikko.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/r340RG00000688.html

広島県廿日市市(宮島ニホンジカ)

廿日市市ではシカを自然に帰すために餌やりを禁止

引用:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/eco/miyajima-shika.html

北海道:知床ヒグマえさやり禁止キャンペーン

http://dc.shiretoko-whc.com/esakin/

ここに取り上げた例は、ほんの一握りです。
動物が多い地域では、このような条例が数多く存在しますので、引越しをする際には十分に気をつけましょう。

 

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