常夏の島「ブラジル」

リオ ・ デ ・ ジャネイロオリンピックで
WHOが世界的大流行(パンデミック)を懸念していると発表があった。

世界保健機構(WHO)は2月1日、ブラジルなどの中南米で流行している「ジカ熱」を、世界的な流行を意味する”緊急事態”であると宣言しました。

ジカ熱は、ワクチンや治療法がありません。
しかも妊婦さんが発症すると、胎児に知的障害を伴う小頭症と呼ばれる病気を引き起こす可能性があるためです。

小頭症とは?
何らかの原因(ジカ熱の場合ウイルス)で頭部(頭蓋)の成長が遅れ、脳が小さい状態で生まれてしまう病気。

知能低下や運動発達が悪くなる傾向にある。

WHOの緊急事態宣言は、アフリカで多くの犠牲者を出した「エボラ熱」以来、1年半ぶりのことで世界各国の政府に対策を急がせています。

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ジカ熱の症状は?

ジカ熱の症状は比較的軽く、感染しても2~7日間発熱や頭痛関節痛を患うだけです。

しかし、胎児は小頭症にかかる危険性が多い為、
「妊娠している方」は中南米(ブラジルオリンピックなど)への旅行を避けたほうがいいとしていえます。

また、人によっては自覚症状がないこともあり、海外への流出が懸念されています。

 

ウイルス保有者が他国の蚊に刺されると流行する可能性も

ジカ熱は「蚊」を媒介として感染します。
もともとジカ熱ウイルスは、アフリカやアジア諸国でしか確認されていませんでした。
しかし、発達した現代の交通整備により、中南米に持ち込まれた可能性があります。

特にブラジルは年中「亜熱帯気候」であり、蚊が広い地域で発生している国ですので大流行に発展したようです。
※中南米で2万3千人が感染(2016年1月30日時点)

蚊を媒体する病気は、他にもあります。
リオ五輪に旅行する際には合わせて注意をしましょう。

蚊で感染するブラジルで流行している病気
  • マラリア(ハマダラカ):潜伏期は5~16日。症状は高熱。
  • デング熱(ネッタイシマカ):潜伏期は3~14日。症状は高熱、頭痛、関節痛。

引用:在ブラジル日本国大使館HP ブラジルで注意が必要な病気より
http://www.br.emb-japan.go.jp/nihongo/ryoujikanren/iryou3.html

もし、ジカ熱に感染した人が、他国の蚊に刺されるとその蚊がウイルスを保有してしまい流行する可能性があるため

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デング熱再来か?日本に持ち込まれると広がる恐れも

2014年に東京で流行した「デング熱」を覚えていらっしゃいますか?
海外から持ち込まれたデングウイルス(感染者の来日)が、日本に生息しているヒトスジシマカによって感染者数を伸ばしました。

幸いデング熱は軽度の症状しかありませんし、夏の終わりである初秋でしたので被害は最小限におさえられました。
関連記事:デング熱の予防と対策

今回世界的流行(パンデミック)が懸念されている「ジカ熱」も、デング熱と同じ「蚊」を経由して感染する病気です。

もし”蚊の成虫が多い夏”に、日本に感染者(ウイルス保有者)が来たとしたら感染する可能性があるとのことです。

 

リオデジャネイロオリンピックは8月21日まで、日本で流行する可能性は?

ブラジルリオで開催される2016年オリンピックの開催時期は、2016年8月6日から閉会予定の8月21日までです。

つまり、8月20日前後から帰国ラッシュが始まるとみていいでしょう。

そのあと感染が拡大する可能性があります。
8月の終わりですが、昨今の温暖化により気温が高く、蚊が生息する期間は長くなっていますので注意は必要です。

 

ジカウイルス感染症の潜伏期間は2~7日。気が付かずに来日する可能性も

ジカ熱ウイルスを持った蚊に刺されても、2~7日間は発症しません。
その間、精密な検査をしない限り、感染者を特定することができません。

来日(あるいは帰国)する人が、直前に感染したとしても気が付かずに持ち込む可能性があるのです。

感染者が、日本に生息する蚊(ヒトスジシマカ)に刺されると、日本でも感染が拡大することになります。

もし、そのような事態になると、日本のどの地域でも発症者が出る可能性があるので旅行予定者以外も注意をしなくてはいけないようです。

参照:ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109899.html